英語と日本語で栄養成分表示を作ってみる。
だれもが学んだ方がよい栄養学
栄養学を学んでいれば、必ず食材・食品の栄養素を調べる機会が増えます。
食品成分表みたいに、食材や調味料単体で、
タンパク質がどれくらい、
脂質がこれくらい
カロリーが、、、
みたいな情報を調べることは簡単ですが、一般に売られているもので複数の食材が入っている場合、どうやって計算するんだろう?
と、ずっと気になっていたのですが、最近ようやく解決しました。
もともと料理人として食に携わってきたのですが、食品の栄養表示などの分野は一切してきませんでした。でも、正直ずっと気になっていました。
「この料理、どれくらいのカロリーあるんだろう?」
「これだけ砂糖使っているけど、意外と身体によくないのでは?」
みたいな疑問はちょこちょこありましたが、そんなことを調べている余裕もなく、時間が過ぎていましたが、
今ちょうど勉強できる環境で、色々調べたらやっと理解できてきたのです。
正直、料理人で栄養成分表示まで細かく気にしている人はいないと思います。でも今回、料理人もこの栄養について学んだ方が色々と幅が広がると思って発信しています。
もちろん食の業界に限らず、人は必ず何かしらを食べて生きているのだから、だれもが勉強しておいた方がいいと感じました。
で、現代は食品栄養もかなり細かく分類されています。
野菜なら皮をむいた状態の栄養素、ボイルしたもの、揚げたもの、蒸したものなど、いくつか調理別に分けられて栄養素が表示されます。
とても便利になりました。
もちろん野菜は季節や産地、品種によって栄養素にもかなりばらつきがあると思いますが、それでも一般的にという意味で、とてもよい指標になります。
で、今後のことも考え、栄養成分表示を自分でも作る時がくるかもしれないことを見越して、調べたことをシェアしたいと思います。
準備するもの
メニューの食材(調味料を含む)、はかり、計量スプーン、筆記具、メモ用紙、電卓、食品成分表
・計算したい料理の1人前の食材料の重さをはかる。
・食材の皮や骨などの廃棄部分を取り除く。
・食材ごとに1人前の重さをはかり、メモを取る。
食材ごとの1人前の重さは、調味料、炒め油やバター等もはかる。
1人前ずつの重さがはかれない料理の場合、食材ごとに調理する時の全体の重さをはかる。その重さを提供する人数で割って1人前当たりの重量を出す。
日本の栄養成分表示
まず個々の成分を知りたい時は「食品成分表」と調べてみると、すぐに出てきます。
実際検索したほうが早いので見てください。
そして、加工食品のような総合の栄養素を計算したい場合、また売り物にあるようなラベルを作りたい場合、
「栄養成分表示」「計算」で検索して見てください。
それもトップに色々と出てきます。
すでに計算式も組み込まれていて、成分を入力したら勝手に合計栄養素が算出される仕組みを作っている会社がいくつかあるので、とても便利です。
ただ、有料のところも多いです。でも、自分で一から計算して作るよりもよっぽど効率的なので個人的には有料でも利用したほうがいいと感じています。
しかし、始めのうちは自分の勉強のためにも、自分自身でもちゃんと計算して合計栄養素を算出できるようになっておいた方が良いかと思います。
その時に注意する点をいくつかお伝えしようと思います。
調理法による栄養素や重量の変化
「焼く・揚げる・蒸す・煮る」等の調理を行うと水分や油分が増減します。
つまり食品の総重量が変化し、100g当たりの栄養成分も変わります。
なので調理加工で増減する水分と油の推定値の計測方法を説明します。
ただ、厳密に栄養成分を調べる場合は、分析機関での検査が必要です。
<焼く>
焼く前と焼いた後に食品の重量を計測。
減少した分が蒸発した水分の重量となる。
<揚げる>
揚げると油が食品に染み込みますが、水分は蒸発する。
鍋に入れる油の重量を計測しておき、調理後に油が冷めてから再度計測して、減少した分が食品に染み込んだ油の重量として計算する。
揚げる前と揚げた後の食品の重量を計測し、さきほどわかった油の重量を引くと蒸発した水分の重量がわかる。
<蒸す>
食材によって水分が増加、又は減少する。
蒸す前と蒸した後に食品の重量を計測し、増減した分が水分の重量となる。
<煮る>
水分以外の栄養成分も食材から煮汁の中に染み出したり、反対に染み込んだりもする為、重量の計測だけでは分からない。
栄養成分を厳密に調べるには分析機関での検査が必要。
ただ、煮汁も全て含めた商品の場合は、調理後に減少した重量が、蒸発した水分の重量となる。
以上のようなことも含めて計算します。
オーストラリアの栄養成分表示
オーストラリアでは、会社というよりちゃんとした機関が栄養成分表示を自動計算してラベルまで発行してくれる無料のサイトがあります。
もちろん海外なので日本特有の食材・食品はありませんが、結構細かく計算してくれて、油などもg(グラム)表示L(リットル)表示などもそれぞれ設定でき、それに応じた重量も自動計算してくれます。
無料というのもあり、正直メチャクチャ使えます。
ちなみに栄養成分表示を英語で「Nutrition Information」「Nutorition Facts」と言います。