細野辰興HosonoTatsuoki 映画監督 脚本家 劇作家 娯楽映画作劇術研究 日本映画大学教授
1952神奈川 横浜放送映画専門学院卒業後に今村プロへ。’90年ディレカン『ドラマダス…
最近の記事
- 固定された記事
- 固定された記事
マガジン
記事
書評『愚直なまでに青春ドラマな映画評論』谷岡雅樹著『竜二漂泊1983 この窓からぁ、なんにも見えねえなあ』三一書房刊 初出:『月刊シナリオ』2013年10月号
本 文 この谷岡雅樹著の『竜二漂泊1983 この窓からぁ、なんにも見えねえなあ』(以下は『竜二漂泊1983』と記す)を『仁義の墓場』(’75年東映 監督・深作欣二 主演・渡哲也 脚本・鴨井達比古)の「石川力夫のような本」である、と評すのは穿ち過ぎなのだろうか。戦後の無秩序状態から徐々に秩序が回復されていく中で、ヤクザより次第に小利口な小市民のようになり始めた親分や兄弟分に対し、「ある時点」に拘り時流に乗れないまま上下左右関係なく牙を剥き斬りかかって行った愚直なヤクザ、石川
¥10015歳の春に観た「心の一本」『めぐりあい』(恩地日出夫監督 脚本・山田信夫/恩地日出夫 主演・黒沢年男/酒井和歌子)初出:Facebook(2016/1/23)
日本映画大学の細野ゼミで卒制の企画立案の参考試写として『めぐりあい』(監督・恩地日出夫 脚本・山田信夫)を見せる。 私は公開当時に横浜馬車道に在った東宝会館で観た。 中学を卒業し高校に入学する束の間の瑞々しい季節に観た。 黒沢年男が大学に行けなかった世代のイライラする青春像を巧みに好演。 酒井和歌子もある時期でしか表現できない瑞々しさが眩しい。 脚本も演出もビビッド過ぎるほどビビッド。 特に酒井和歌子の見た目で性に対する未知への慄きを捉えたショットは秀逸。 恋愛しか描