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このままでは自衛官が足りなくなる。エアコン、個室化、水回り、官品、トレーニング施設、手当の改善は進んだが給料はまだ‥

2023年度の自衛官の採用は、目標の半分以下にとどまり、1万人割れの危機的な状況となりました。防衛省の対応は鈍く、以前から指摘してきた懸念が現実となりました。警察予備隊時代の俸給表の早期改定が不可欠です。

骨太方針の攻防で見えた危機感の薄さ

6月21日、政府の重要政策を示す「骨太の方針2024」が閣議決定されました。与党の政調会合では、自衛官の処遇改善を強く訴えましたが、骨太方針での記述は曖昧なままでした。防衛省からは「自衛官の勤務時間を調査中で、調査結果を踏まえて1年間かけて議論する」との説明がありましたが、明らかに悠長すぎます。

生活環境の改善、官舎の改修は進む

防衛省は「自衛官の処遇改善、快適で充実したライフスタイルを」というパンフレットを公開しました。

私の地元には4つの陸上自衛隊駐屯地があります。駐屯地の中には戦中もしくは終戦直後に建てられた建物も見受けられ、雨漏りがする建物で傘を差しながら勤務している自衛官を見て愕然としたこともあります。駐屯地の建物は昭和40年代から50年代に建てられたものがほとんどですので、遅きに失したとはいえ建て替えは前進です。

駐屯地ではエアコンの設置が進んでおり、自衛官から感謝の声が上がっています。独身者の営舎の個室化や水回りの改善も進んでいます。アンケートを通じて自衛官の声が直接防衛省に届く仕組みが功を奏しています。

官品(カンピン)も充実へ

自衛官個人の装備品の改善も進んでいます。税金で支給される装備品を自衛隊では「官品」と呼びます。私は当選直後に体験入隊したことがあり、その際、遠方から取り寄せてもらった30センチの半長靴を手入れしてくれた若い隊員の姿や、仲間が樹海で落とした水筒を全員の連帯責任で探した記憶は今も鮮明です。

陸海空の制服は象徴的です。長らく古い制服の隊員と新しい制服の隊員が混在しており、全員が揃うには10年かかると言われていましたが、ここにきて一気に統一されました。かつては自衛官が私費で購入していた装備品はもちろん、防寒性能の高い手袋や半長靴なども支給されるようになりました。

身体が資本の自衛官には筋トレをしている人が多くいます。私の趣味も筋トレなので、自衛官とトレーニング設備のことを話す機会があります。昭和の時代のままだった設備が更新されたことを喜んでいる自衛官の話を聞くと、これまで申し訳なかったという思いが募ります。

元旦に起こった能登半島地震においても、多くの自衛官が被災地に派遣されました。これまでは自衛隊法に基づく本来任務であることを理由に災害派遣手当は抑えられてきましたが、ようやく1日あたり3,240円まで上がりました。防衛予算が増額された効果は出ていますが、私はこれで自衛官という仕事が魅力的になったとは思いません。本丸に手が届いていないからです。

自衛官の早期賃上げを実現したい

地元の板妻駐屯地では毎年4月に若い自衛官候補生の入隊式が行われます。彼らの希望と意欲に満ちた表情から、国民のために働きたいという気持ちを見て取ることができます。しかし、募集計画の半分しか埋まっていないという現状は、個人のモチベーションや使命感に頼ることの限界を示しています。国民の皆さんのご理解を得て、1日でも早く自衛官の賃上げを何としても実現したいと思います。これこそ政治家の仕事です。


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