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国民民主党の支持が急速に広がった謎に迫る(其の一)

2025年に入っても、各種世論調査を見ると国民民主党の躍進が止まりません。

野党第一党の座は定着した感がありますし、政策面でも「103万円の壁」など、彼らの主張する政策が永田町でも論点になっています。

一年前までは、国民民主党の支持率が数パーセント(それも下の方)だったことを考えると隔世の感があります。

「手取りを増やす」というキャッチコピーはどのように生まれたか?

衆議院選挙での「手取りを増やす」という国民民主党のキャッチコピーは実にパワフルでした。

その象徴として「103万円の壁を壊す」という政策手段も分かりやすいものでした。

野党の政策であるにもかかわらず、今や自民党の政策文書にも採用されています。極めて異例なことです。

そもそも、平時は野党第一党でないとテレビが報じてくれませんので、玉木氏は「YouTubeに頼るしかなかった」と話していました。

私が得た複数の情報筋によると、彼らは衆議院選挙の前に複数のYouTube広告を打ったようです。

その中には高齢者をターゲットにしたものもあったようですが、圧倒的に拡散したのが「手取りを増やす」版で、それに絞って広告を打つ決断をしたそうです。

おそらく玉木雄一郎代表が行ったであろうこの決断は、永田町の常識では相当に勇気の要るものだったと思います。

というのも、今の選挙で圧倒的に影響力があるのは団塊の世代を含む70代、80代なのです。彼らは人数が多いうえに投票率が極めて高い。

普通に考えれば、「手取りを増やす」というキャッチコピーは高齢者層には響きませんし、その手段として「103万円の壁」を壊したところで、高齢者にはほとんどメリットはありません。

一面ぶち抜きの新聞広告(全国紙)は約2000万円もの資金が必要です。少数政党に負担できる金額ではありません。

インターネットに全振りしたことも、あのキャッチに行きついたことも、少数政党ゆえにできた決断だったのでしょう。

「歌の作詞は、誰か一人に向かって書いたものでないとヒットしない」

と聞いたことがありますが、最初はわずかな若い人にしか届かなかったメッセージが、若年層全体に拡大し、高齢者にも拡散する結果となったわけです。

そのメカニズムを二回に分けて解明したうえで、政府与党が目指すべき方向についても述べたいと思います。

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