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国民民主党の支持が急速に広がった謎に迫る(其の二)
前回は、国民民主党躍進の政策面の背景について書きました。
今回は、若者の支持が高齢者を含む幅広い世代に広がった背景について掘り下げたいと思います。
キーワードは、Voicyのパーソナリティである星渉さんに教えていただいた「消齢化」です。鍵は次の二つです。
①この四半世紀で様変わりした高齢者の環境
②YouTubeに潜む、人々の思考に影響を及ぼすルート
25年前と今の高齢者は様変わり
選挙に初挑戦した25年前、私はある街頭演説で多くの高齢者を前に次のように訴えました。今思えば、恐ろしいことをしたもんだと思います…。
「高齢者の皆さん、働いても給料が増えない若い人たちを支えてください!」
私自身、サラリーマン時代に給料が増えるより社会保険料の方が勢いよく上がり、手取りが減るという経験をしていました。そのため、自然に出た言葉だったのですが、その時の高齢者の反応は散々なものでした。
「我々は戦争を経験して、厳しい戦後の時代を生き抜き、ようやく安心して暮らせる環境を手に入れた。なぜ若い人を支えなきゃならないんだ。今の若者は甘えている!!」
25年前の70代後半から80代は大正生まれ。この世代は戦死者も多く、戦後も食べ物が十分に手に入らない「ひもじい思い」を経験した人たちです。当時は高齢者こそ弱者だったのです。
あれから四半世紀が経過し、高齢者を取り巻く環境は大きく変わりました。現在の70代後半、つまり団塊の世代は高度経済成長の恩恵を受けた世代です。
戦後の平和と経済成長を経験し、働き盛りの時期に給料は着実に上がり、退職後は安定した年金を受け取ることができる世代です。
「若い時は貧しかったが、自分たちは良い時代を生きてきた」
そんな思いを持っている高齢者が多くなっています。中には孫の学費を負担したり、生前贈与を行ったりしている人も少なくありません。
最近では、私が高齢者の皆さんに若者を支える政策への理解を求めると、うなずいて聞いてくれる方が増えてきました。
国民民主党の支持が広がった背景には、こうした高齢者の意識の変化があります。
YouTubeが果たした本当の役割
高齢者の意識の変化を背景に、YouTubeが果たした役割について考えてみます。この部分は私の仮説が含まれていることを、ご了解ください。
国民民主党躍進の背景にYouTubeがあったことは、多くの記事で伝えられています。テレビなどの既存メディアを、YouTubeをはじめとしたSNSが凌駕したという評価もすでに定着しています。
YouTubeは高齢者にも見られるようになり、いわゆる「消齢化」が進んだことが背景にあります。この一般論は多くの方が理解されていると思います。
問題はその構造と影響をどう分析するかです。
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