人見知り道
人見知り道を常に通ってきた。
「海外にすんでそうな日本人」のイメージからかけはなれた
「人見知りだけど海外来ちゃった」人というのが私である。
ふつう、海外に長期間滞在するタイプの人間は現地の人とすぐにBBQとかで一緒になるタイプでとてもオープン、人見知りせずに人の話に入っていける、ノリが良い、素直…というのが私の中にある「海外に長期間住んでそう」な人であり、実際私が海外であった日本人の7割がこのタイプだ。
なので私の人見知り具合は、マイノリティーぶりでは日本にいたときの非ではない。
いまだに「よくそんな性格で海外これたね!」とパートナーから感心される。
人見知りなのに、10カ国くらい移動していたおかげで無駄に行動力があるように見えるらしい。人見知りだけど、好奇心が強いのだ。
なので、借りてきた猫のように色んな国をビクビクしながら行く。
もう、自分の性格は直らないけどやりたい事をしないと損だな、
と思ったので。
うちの猫も常に家の中で借りてきた猫みたいなおとなしさだったけど、
好奇心が人一倍強くて見た目にも死ぬほどビクビクしながら未知の物に近づいていったりしてたな。
かといって、私が人見知りである事は日本でも海外でも変わりはなく、
別に克服とかしないまま来ちゃったので
でも、日本と比べて自分がうっかり人見知りだという事を忘れる事がある。
例えばシェアハウスを借りる時、私は全く深く考えていなかった。
他人と一緒に生活を共有する事を…。
つまり、毎日知らない人と一緒にプライベートを過ごすのだ。
人見知りにとっては地獄みたいな話である。
でも全然深く考えてこなかったおかげで、もう選択する余地無し!っていう感じだったので(経済的に)すんなりシェアハウスを借りた。シェアハウスと言っても、ほぼバックパッカーみたいなもんである。
バックパッカーと違うのは、賃貸が安い事と人口の多さだ。
バックパッカーは部屋は狭くても共用部分が比較的ひろめに作られてるけど、シェアハウスは共用部分が普通の一般家庭サイズなので人口的にギュウギュウである。プライベートはもちろんない。トイレも台所も順番待ち。
人見知りには(以下略)
オーストラリアに来た当時は、学校にも通い始めた。
そこで、もう二度と対峙しなくなったと思っていた「教室のクラスメート」
達と過ごさなければならなかった。
人見知りにとっては学校と職場が一番キツい場所になる。
その上、コミュニケーションは英語で、しかもみんな来た場所がバラバラだから訛りがひどくて、最初のうちは頑張ってもコミュニケーションが不可能だったりする。
そういえば、ホームステイも日本にいるときは一人の方がいいなと思ってたのに、こっちに来たらそういう事をすっかり忘れて、選択肢の中で一番安いオプションを選んできたら色んな事がシェアになってしまった。
おかげで知らない人に合う確率が日本にいたときの200%くらい上昇した。
日本にいたときは1月あたりの「しらない人と出会う人数」は0だったけど、それが30となり50となった。最終的に、シェアハウスは7軒乗り換えたおかげで知らない人と70人ほど過ごすことになった。
3ヶ月も住んでるとシェアという感覚も大分麻痺してくるけど、人見知りという部分は変わらなかった。
パートナーと暮らし始めてからは、死ぬほど顔が広い(私と真逆)彼のおかげで最初の一年で300人くらい新しい人を紹介された。
人見知りには拷問のような数である。
「人見知りは、合う人の数を増やせば人見知りじゃなくなるんじゃないのか?」と思っていた時期もあったので、(まさか自分が実際に実験できるとは思わなかったけど)あたかも実験台としてやってみた結果をお知らせすると、
向上した。
とお伝えします。
人見知りな本質は変わらなくても、会話の内容や言葉の内容は変えられると知ったからですね。
英語を話すと、ちゃんと伝わるように言おうと思って自動的に喋る事に
一生懸命になるので、それもあるかもしれません。
喋らなきゃスピーキングできないままだし。
まわりがおおらかなオージーというのももちろん大きいです。
喋ったら、向こうも頑張って聞いてくれるので伝わらないと悪いと思って喋るようになる。未だに人見知りのオージーを見た事がない。
人見知りだと、海外にいけないんじゃないのか?と一瞬不安になったこともあったけど、行ったら自分が人見知りだってことを忘れるようになるって知ったから別にどうでも良くなった。
人見知りでも、なんでもできる。
人見知りでも行きていけるから、それでいいやと割り切ったら
割と世界が開けました。
人見知りだからといって、自分の選択肢をせばめる必要はないな、と。
人見知りでも道を聞かなきゃ行けないときはあるし、外界と接触が避けられない事もある。相手のいってる事がわからないことがある。
それでもいいやと思えたので、
そろそろ人見知りも廃業するかもしれません。
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