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オーナー社長が暴走した際に、どうすべきか?

 統治構造を壊す典型的なケースとして、オーナー社長の暴走がある。オーナー社長が暴走してしまった場合、例えば、
・自分がやりたい事業を、やりたいという理由だけで進めて大赤字を続ける
・会社のお金を自分のこと(私用)に使う
・赤字続きの事業を止めない
・自分の好き嫌いで社員を抜擢したり、辞めさせたりする。給与の上げ下げも同様    
などなど、いくらでもあるが、そんなことが起こった場合、以下のような手段を考えることができます。

1 .監査役会の活用
 監査役会は、役員や経営陣に対する監査や助言を行う組織であり、オーナー社長の暴走を防止するためには、監査役会の権限を活用することが重要です。監査役会に問題を報告し、監査役会による調査や指導を受けることで、オーナー社長の行動を正すことができます。

2 .取締役会の改善
 取締役会にオーナー社長を監督する役員を増やすなど、取締役会の構成を改善することができます。また、取締役会による議決のルールの明確化や、議決権の制限なども検討する必要があります。

3 .外部のコンサルタント等の活用
 外部のコンサルタントや法律事務所などに相談し、適切なアドバイスを受けることも考えられます。特に、社外取締役や専門家の参加により、経営陣に対するチェック機能を強化することができます。

4 .株主の発言権を活用する
 株主総会でオーナー社長に対する不信任決議を提案するなど、株主の発言権を活用することもできます。ただし、オーナー社長が多数派を押さえている場合、この方法が有効であるかどうかは慎重に検討する必要があります。

5 .法的手段の活用
 最後に、オーナー社長の行動が違法である場合には、法的手段を活用することも考えられます。具体的には、企業法務の専門家に相談し、適切な措置をとることが必要です。

 以上の手段を活用することで、オーナー社長の暴走を止め、企業の統治構造を改善することができます。

 とはいえ、株式の大部分を持っているオーナー社長に実際に何ができるかというとかなり難しい。日本の会社の99%は中小企業。社長だけが権力者であり、取締役が他にいたとしても何も言えないことがほとんどだろうと思われる。監査役会もない会社がほとんどだろう。なので、実際に上記の方法は、取れないと思われる。

 ではどうするか?
 自分の出処進退をかけて、ぶつかるしかない。それでも改善されないようなら、そんな社長の会社は長く続くわけもないので、辞めることをお勧めする。残念ながら、そんな方法しかないのが現状である。

 過去に私が仕えたオーナー社長にも同じようなことがあった。はなからもうかりもしないミニマム事業に大きな投資をし、少しでも黒字が出ればまだしも、大きな赤字を何年も続けていた。私は、何度も何度も撤退を進言したが聞く耳持たず、他の事業で頑張る社員は憤り、会社は疲弊していった。結果、事業を何年も経ってやめたのだが、原因は、担当社員が気に入らなくなったからという、本当にくだらない理由だった。私は早々にこの社長の下を去った。


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