Wataru

デザインやブランディングを学び、発信していきます。良いデザインは良い出会いを生み出し、…

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デザインやブランディングを学び、発信していきます。良いデザインは良い出会いを生み出し、良い循環をつくるという信念の元、書くことを通じてデザインを掘り下げていきます。

最近の記事

神様がウインクしてくれる時

屋外での撮影のお仕事の話。 動画にしても、静止画にしても、仕事で撮影というと、だいたい前もってスケジュールを組みます。2週間とか1ヶ月前とかに。例えば、住宅雑誌を作っていた時には、訪問する家の方の予定、撮影するカメラマンの予定、取材するライターの予定、版元の編集者の予定、みんなの予定をその日に合わせるから、だいたい晴れていようが、雨になろうが、よっぽどの天気や事情でない限りリスケはしない。当日はその天気の中で最善を尽くします。 一度、苦い経験があって、晴れたところで撮影し

    • 本日はお日柄もよく…

      「本日はお日柄もよく」(著:原田マハ)を読んで感動しました。やっぱり、心を動かす言葉、心を動かすデザインは「心」しかない、と思う。 「本日はお日柄もよく」は結婚式のスピーチの常套文句。新しい門出を祝う、悪い言葉で言うと「当たり障りの無い」言葉。よく言えば、円滑に場を和ませる言葉。言葉の万能選手といったところ。 結婚式のスピーチは話す方はとても緊張します。二人の人生への祝辞で、何人もの、その日しか集うことのないであろう「他人」を相手に、二人の人柄やエピソード、これからの人生

      • デザインに映る心模様

        晴れた日は心地よくて、雨の日は少し憂鬱になる。そんな気持ちって誰もが同じなんでしょうか? 私は著作権を考える時に、著作物がその人の生き方や目にしてきたもの、それらを総合したものを表しているからこそ、単純に著作物がその物理的なものだけではなく、著作者の「人生」への敬意も表されるべきであり、法律で縛っているのが著作権法と考えています。 ある水墨画の先生にお会いした時に、人生でとても悲しい思いをした時に描き続けてご本人の心が救われたものがあって、その絵を描き続けて、その絵が売れ

        • 好きなもの、プロフィールを兼ねて

          noteが好きです。言葉には、感情や情報、意味、意図、行間、色々な思いが乗せられて、長さや間や奥行きに魅せられれば魅せられるほど、noteで新しい言葉に出会って、楽しくなります。noteはやっぱり好きです。 書くテーマが無いな、と思うけど、書きたいとも思うので、本日は好きなものをつらつらと。 好きな飲み物 ACID COFFEEが最近、大好きです。コーヒーと言うと、苦味、酸味なんて分けられますが、焙煎具合で深煎りだと苦味系に寄ります。私は浅煎り系のコーヒーチェリーや農園を

        神様がウインクしてくれる時

          伝わるメディアを選ぶ

          Media,Market,Messageを3Mという言葉で聞いたことがあります。 広告に携わっていると当たり前なのかもしれないけど、意外と忘れがちだなと思って、今日はその話をします。 私はデザインが好きで、綺麗なビジュアルや美しいレイアウトやフォントを見たり、想像以上のものに出会えると気持ちが浮き立ちます。作ってくれたデザイナーに感謝して、それが生まれた環境を振り返って、「うん、いい!」と勝手に満足します。でも、時々それが伝わるデザインでは無くて自己満足かも?と気づいてハッ

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          廃炉へ向けて

          東京電力廃炉資料館があるのを知りました。 東日本大震災の津波がきっかけで世界でも稀に見る被害を出してしまった福島第一原子力発電所、その海沿いを南下した福島第二原子力発電所のある福島県富岡町に「東京電力廃炉資料館」があります。今回はそこを訪れたお話をご紹介します。 9:30に開館する資料館、普段はガイド付きで案内されることが多い場所ですが、たまたま私が訪れた日は自由に内覧できる日でした。沖縄、神戸など遠い場所の車のナンバーが駐車場にあり、多様な方が訪れているようでした。

          廃炉へ向けて

          13年5ヶ月の時を越えて

          2011年3月11日、あれからもう13年と5ヶ月経ちますね。 この地震で亡くなられた人の数、行方不明の方を含めると2万人以上の方がいらして、今も大切な方を突然失った方が数万人いらっしゃると思うと心は痛みますが、それでも前を向いている人が増えたのを強く感じるので、密かにここに思いを記します。 私は東北から離れて住んでいて、当時は東京で地震を経験しました。大きな地震で交通機関がストップして、20km程の通勤の道のりを普段は30分のところを5,6時間程かけて歩いて家まで帰った記

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          美しさか、心を動かす衝動か

          デザインを考える時、大切なテーマがあります。それは、「美しさ」を優先するか「心を動かす衝動」を優先するか。 例えば、建築と一体となるサインのような意匠の場合、美しさやわかりやすさが大切です。また、商品のパッケージやチラシの場合、心を動かす衝動が大切です。 デザインが消費される時間軸がそれぞれ違います。前者のような建築と一体となるものの場合、何度も何回も、もしかしたら何年もそこに存在する場合、デザインは普遍的でシンプルで美しさが求められます。そこにはインパクトは無く、心は動

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          "この恋あたためますか"が今だに刺さる

          暑い日が続きますね。涼しげなサムネイルで少しでも、涼しさを感じてもらえたら幸いです。 今日のお話は冬のコンビニでの淡いラブストーリーから。2020年平均視聴率9.8%というTBSの火曜日10時のドラマ。「純白の雪が降る・・・🎶」というセカオワのテーマソングが流れると、ドラマの情景が浮かぶ方も多いかもしれません。 本日はそのドラマのタイトル"この恋あたためますか"がやっぱり凄いというお話です。 ドラマをご覧になっていない方に少しだけ概要をお伝えすると、若いコンビニスイーツ

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          ロゴの色って変えても良いの?

          私はキヤノンに愛着があります。 カメラはキヤノンを使っています。キヤノンって読む時は「キャノン」ですが、語源が「観音」なんですよね。だから、必ず「キヤノン」と「ヤ」を大きく表記するんです。少し、仕事で関わったことがあり、そんなキヤノンさんにはとても愛着があります。 「世界一のカメラをつくる」を理念に成長してきたキヤノンさん。会社の真髄はレンズ技術にあると思います。宇都宮にある光学技術の研究所、ハワイにある「スバル望遠鏡」のレンズを作っているのはキヤノンです。写真って3次元

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          サウンドクリエイターさんに、感動

          日々、皆様はどんな音、どんな音楽に触れていますでしょうか? この時期、田んぼに水を張るとずっと泣いている蛙の声、道路を過ぎゆく車の音、朝は時々遠くの方で聞こえる鳥の声、冷蔵庫を開ける音、飲み物の蓋を開ける音、車のエンジン音、耳をすませば、色々な音に囲まれて生きています。 何気なく過ぎゆく日常に色々な音があり、ただその音たちは、目に入る映像ややらなければならない情報や、人の声などにより上書きされてゆき、意識することはほとんど無く過ぎ去っていきます。 https://www

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          選んでいるようで、選ばれている

          先日、ある焼き鳥屋さんでのお話。いつもカウンターに座ると、お客さんを気にかけて、くだらない冗談を言ってくるマスター。この間なんか、「神社の集まりなのに、ジンジャーエール飲んでなかったな?」との冗談。一瞬、空気の止まるような瞬間もあるけど、次の瞬間にはカウンターは笑いのベールに包まれています。 焼き鳥屋は夏は入り口を網戸にしているので、その笑い声が店の外まで響き渡ります。赤い提灯が灯っている時には、笑い声が飛び出してくる焼き鳥屋さん。そこへ、たまたまマスターと二人だけの日があ

          選んでいるようで、選ばれている

          デザイナーは透明な方が良い

          多分、デザイナーさんしか共感してもらえないかもしれないです。 デザイナーって聞くと、どんなイメージをするでしょうか?アーティスト、表現者、センスが良い、華やか、…。良いデザインをする人は、もしかするとそんなイメージで。「自分はセンス無いから」とか「センス良いよねー」とか言われながら、少しだけ距離を置かれるのが、デザイナーたるものの宿命なのかもしれません。 私はデザイナーではないですが、デザイナーさんと一緒に仕事をするので、少しだけデザイナーさんの気持ちに寄り添う(添えると

          デザイナーは透明な方が良い

          1人で動画を撮ること、広告をつくること

          SNSが普及して、スマホを開いて、少しスクロールするだけで、とても綺麗な写真や綺麗なデザインに出会えます。ストーリーズをどうやって投稿するか、どうやって写真を撮れば綺麗になるか、そんなノウハウも増えて、良いものを作ろう、フォロワーを増やそう、日々取り組んでいる方はどんどん独自の世界を広げています。1人の人間と1台のスマホで。 そんな中で、1人で全て出来てしまうが故の落とし穴もあるように思います。こんなことを書くと、古い人と思われるかもしれませんが、敢えて文章にしようと思いま

          1人で動画を撮ること、広告をつくること

          映画評論家の視点とは?

          先日、とある映画評論家の方にお話する機会が持てたので、今日はその話をさせていただきます。 2024年アカデミー作品賞を受賞した「オッペンハイマー」。「原爆の父」として、世界に名を轟かせた実在の人物の半生を描いた約3時間の映画。3月29日(金)から日本で公開しました。その映画を見て、私は色々と思うこと、感じることがあり、ネットの解説やネタバレ批評などに目を通し、自分なりに作品を解釈しようと思った時、映画評論家だったら何を見るのか、とても気になったのが、映画評論家の視点を知りた

          映画評論家の視点とは?

          "Apple"っぽい、の積み重ね

          それって「っぽい」のか「っぽくない」のか? デザイン用語でトーン&マナーという言葉があります。略して「トンマナ」と言われるものです。デザインのイメージに一貫性を持たせて、印象を揃える用語です。 例えば、「Apple Computer」。かつて、たくさんの美容室でカラーバリエーションが豊富な「iMac」が並んだことがあります。Googleで「iMac カラフル 昔」と検索すると画像がたくさん出てきます。それまで、コンピューターと言うと、Microsoftのwindows95

          "Apple"っぽい、の積み重ね