埼玉県職員の能力を活かすために - 若手退職を食い止める対策を

埼玉県議会 令和4年9月定例会
Q 細田善則

先日の渡辺大議員の質問では、若手職員の昇任を早めるべきというやり取りがありました。私も同じ気持ちであります。優秀な職員さんが県のために御活躍いただく、そういう思いで質問をいたします。
さて、本県では、ここ数年、20代、30代の退職が急増しております。データをまとめていただくと、予想以上に厳しい結果が明らかとなりました。
以前、約10年前は1桁だった20代の退職者数がここ数年で上昇し続け、昨年は何と45名の大量の退職がありました。これは県庁組織として、緊急事態宣言と言っても過言ではないと私は考えます。
そこで、伺います。
若手の退職の要因をしっかりと分析していく必要があると考えますが、退職者のうち具体的な理由を伺うなど原因を把握できているのか。そして、退職を食い止めるためにどのような改善をしていかなければならないとお考えか、知事にお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

近年、20代の若手職員の退職者の人数は議員御指摘のとおり増加傾向にございます。
他方、平成24年度からの10年間を見ると、多数の新規採用により20代の職員数自体、つまり分母が大幅に増えている中、令和3年度の離職率につきましては、令和3年度が突出して高く、平成24年度と比較をすると1.6ポイントの増加となりました。
令和3年度の20代の退職者45人のうち具体的な退職理由を把握できているのは27名で、ほとんどが民間企業や国、他自治体等への転職となっております。
具体的には、職務を通じて得た知見やスキルをIT関係業務やコンサルタント業務で活用したいという方から、家庭の事情などから、より身近な基礎自治体へ転職したい方など転職理由は、個々様々でございました。
転職の背景には「適性を感じた分野で専門性を高めたい」、「自分を表現できる場でやりがいをもって働きたい」、「ライフステージなど環境の変化に合わせた働き方を行いたい」などの考え方があると分析をしております。
若手職員の退職を防止するためには、転職の分析を踏まえた対策を講じる必要があると考えます。
まず、職員の意向や特性を生かした専門性を高める取組であります。
職員の自己申告により異動希望を把握し、専門性の向上を希望する職員にはその機会を配慮するなど、柔軟に対応します。
次に、若手職員が組織に埋没せず、やりがいをもって働ける職場風土の醸成です。
令和2年度から、課長級の職員を対象に、部下職員のモチベーションを向上させる研修を実施しており、今後、更に内容を充実させ、若手職員が自由に意見や主張をできる職場環境を作ります。
さらに、ライフステージなどの環境の変化に合わせた働き方ができる仕組みであります。
育児や介護等と仕事の両立の観点から、テレワークやフレックスタイム制度、男性職員の育児休業取得など多様な働き方を推進してまいります。
今後も、これら取組を重ねて実施し、若手職員が生き生きと活躍をし、能力を十分に発揮できる組織づくりを県庁一丸となって進めてまいります。

再Q 細田善則

やはり私はこの急増に関して、もちろん分母が増えているということも理解はしておりますけれども、通常の取組ではこの流れが食い止められないんじゃないかというふうに危惧をしております。
是非、昇任の仕組みを変える、若しくはやはり一番の評価というのは、給与で評価がされたというふうに感じるのが一番で、その次にやりがいということがあると思います。
しっかり昇任制度まで手を入れて、仕組みから変えていくお気持ちがないかどうか、再質問いたします。

再A 大野元裕 知事

先ほど、申し上げましたとおり、現在の20代における退職の増加傾向を私共も深刻と考えており、これに対応するためには、やはり、退職をされる方々の退職理由をしっかりと分析をした上で、この防止に向けて、転職の分析を踏まえた対策を講じる必要があると考えております。
現在把握できている、特に令和3年度突出して退職者が多かったということもあり、令和3年度の退職者の理由の中には、当然、報酬は多い方がいいはずなんですけれども、報酬が少ないとか、職位が低かったということではなく、先ほど申し上げた、「適正を感じた分野で専門性を高めたい」とか、「ライフステージなど環境の変化に合わせた働き方をしたい」といった方々がほとんどでございましたので、引き続き、議員御指摘の点も踏まえた上で、今後、もちろん退職者、出ないほうがいいんですが、退職者の方々には丁寧にその理由を聞いて分析し、それに対する対応を検討したいと考えます。

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