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Pythonのインストール

Pythonはインストールしなくてもオンライン(Google colab)で使えます(参照→ https://note.com/hosodakazufumi/n/n0da2c4bcf1ad )。しかも、データ解析やシミュレーションとかなら、ハイレベル(研究で論文が書けるレベル)で使えます。とはいえ自分のPCにインストールして使った方が色々といい面があります。

で、主に以下の二つの方法があると思ってください。

  1. Pythonを直接インストール

  2. Anacondaをインストール

  • 以下の注意点があります。

    • これらは「OR」です。どちらか一方で良いです。

    •  Anacondaは有料ソフトであり、無料で使うには条件がありますので、条件に合わない方は絶対に使ってはいけません。Pythonを直接使ってください。

    • これらの関係としては、AnacondaはPythonにちょっと便利なツールを加えた感じです。なので、Anacondaをインストールすると、その中にPythonも入ります。逆に、Pythonを直接インストールするとAnacondaは一切関係ないです。別にAnacondaを使ったからと言ってそんなに得は無いです。むしろバージョン管理などがややこしいかも・・・。


1.Pythonを直接インストール

Pythonを、python.orgからダウンロードしてインストールするやり方です。以下に一連のStepの例を書きました。

Step 1: Pythonのインストール

https://www.python.org/
からPythonのVersionを選んで、例えばWindowsなら、Windows installer (64-bit)を選んだりしてダウンロード。
※『install now』の場合は、インストール時の「Add Python 3.xx to PATH」にチェックを入れておく(色々めんどくさいのでよくわからない人は入れておく)。
※『custom』の場合は、「Add path」に加えて、「all user」や「environment shortcuts」のチェックを付けてインストール。

(Step 2: venvで環境作成 ※最初は飛ばしてOK)

先に、仮想環境を置いておきたいフォルダを作ります。例えば、ユーザー名がnamaeなら、"C:\Users\namae"に、『pythonvenv』という名前のフォルダを作ったりします("C:\Users\namae\pythonvenv")。

次に、例えばWindowsなら、管理者でコマンドプロンプトを起動。そして、上記フォルダ"C:\Users\namae\pythonvenv"に移動します。これは、以下のように cd というコマンドで移動できます(コマンドプロンプトの使い方は適当に調べてください、色々と便利なので学んで損はないです)。

cd C:\Users\namae\pythonvenv

すると、コマンドプロンプトの表示が、『C:\Users\namae\pythonvenv>』になっていると思います。これは、今、自分がこのフォルダにいることを示しています。

ここで、『python -m venv 仮想環境名』を打ち込むだけで環境ができます。「仮想環境名」のところには好きな名前を付けてください(日本語ではなく英語で!)。ここでは、例えば「venvtest」という環境を作るとしましょう。

python -m venv venvtest

これにより、"C:\Users\namae\pythonvenv\venvtest" というフォルダができて、中に色々と入っていると思います。環境ができた、ということです。特に、「Scripts」というフォルダがあり、その中に「activate」というファイルがあることを確認してください。これを起動すると、環境に入れます。

で、この仮想環境に入ります。上記のように cd で venvtest フォルダに移動して、コマンドプロンプトで以下を実行します。

Scripts\activate

【エラーが出る場合】エラーが出る際には、Scripts\activate.bat という風に、「.bat」を足してみてください。というのも、コマンドプロンプトで「activate」と入力すると、実際には「activate.bat」ファイルを実行していることになります。しかし、コマンドプロンプトと同様の、powershell というものがあり、この場合には、「Activate.ps1」ファイルが実行されます。コマンドプロンプトで「activate」と入力したのに、「Activate.ps1」ファイルを実行しようとして、エラーが出る場合があるみたいです。

※引用ではなく単に追記です

これで、コマンドプロンプトには、

(venvtest) C:\Users\namae\pythonvenv\venvtest\

みたいな感じになっていると思います。最初の(venvtest)が、環境に入ったことを意味します。この後、このフォルダの外にでても構いません。この状態で、以下の2-3へと続けてください。

仮想環境を終了するときは以下をうちこむだけでOKです。

deactivate

なお、この仮想環境は、いくらでも作ることができます。不要になったら、環境のフォルダごと削除すればOKです。パッケージの相性があって、全てを一つの環境に入れることができないことは多々ありますし、Pipでインストールしていくと変なことになって元に戻れないこともありますので、環境を複数つくって、いつでも消したり戻れたりするようにしておくのがお勧めです。

異なるバージョンのPythonのvenv環境を作りたい場合があると思います(例えば3.9と3.11)。この場合は、以下のように行います。
1.Pythonの古いバージョンをダウンロード
  例えば、 Windows installer (64-bit) の.exe
2.プログラムとして適当な場所にインストール(場所をDirPythonとする)。
3.コマンドプロンプトで、以下を実行。
  DirPython\python -m venv DirEnv\NAME
→これにより、DirPythonのバージョンのPythonで、DirEnvにNAMEという名の環境ができる。

※引用ではなく単に追記です

Step 3: pipでパッケージを入れていく

基本的には、例えば

pip install numpy

のように、『pip install xxx』という風にすると、xxxパッケージを一個ずつ入れていくことができます。ただし、xxxは必ずしもパッケージ名ではないので、先にググってちゃんと調べてからにしてください。仮にnananaという「pip install xxx」とググると、「pypi.org」というページが候補に出てくると思います。これがパッケージを世界に公開している公式のページですので、そこに書いてあるコマンド通りにしてください。

複数のパッケージをインストールする場合には、例えば以下のように、一度に並べた方が良いです。理由は、パッケージの依存関係をpipが何とかしてくれやすいからです。これは大きなメリットだったりします(下記雑談参照)。

pip install numpy pandas matplotlib jupyterlab 

または、ほしいパッケージの一覧を、テキストファイル(ooo.txt)に書き込んで、一括でインストールすることもできます。基本的なパッケージを書いた.txtや、目的ごとの環境の.txtを持っておくと、いつでもすぐにインストールできるので便利です。またGithubなどでも `requirements.txt` として提供されていることが多いですので、これでpip install していくことができます。

(雑談)Pythonは、数値計算したり、それをグラフにプロットして見たりはもちろんのこと、自動でメールを送信したり、ほかのソフトを動かしたり、USB通信したり、機械を操作したり、・・・したり、色々とできます。これら機能はすべて、別々のパッケージ(かたまり)に入っていて、それぞれバージョンがあります(基本的に全部タダです)。これらのバージョンの相性が一致していないと、動きません。例えば、「このソフトはWin 9では動くけどWin 11では動かない」とか、「Endnote X6はWord 2010で動くけどWord 2013で動かない」とか、そういうやつみたいなもんです。これを依存性と言います。一括でいれると、pipがなんとかしてくれることがあります。

※引用ではなく単に追記です

例えば、以下をメモ帳にコピーして、『ooo.txt』として保存します。

glob2
joblib
jupyterlab
matplotlib
numpy
pandas
scikit-learn
scikit-posthocs
statsmodels
scipy
seaborn
tqdm

ooo.txtの中身の例

で、これを、今いるフォルダに入れます(ここは、上記で仮想環境に入った後に続いて、なので、そのままの場合は仮想環境のフォルダにいると思いますが、コマンドプロンプトでの表示を見てください)。

以下のようにして一括インストールします。

pip install -r ooo.txt

(Proxyを指定する場合は、「pip install -r ooo.txt --proxy http:プロキシのアドレス:プロキシのポート」みたいにしてください)

以上のように、仮想環境を作ってパッケージを入れたら、とにかく一度、

deactivate

で仮想環境を終了し、コマンドプロンプトも終了してください。なぜなら、今は管理者環境で入っているからです。管理者でやると、例えばSpyderを起動しても開かなかったりと、問題が起こります

Step 4: 使う

今度は普通にコマンドプロンプトを開きます(管理者ではない!管理者でやると、例えばSpyderを起動しても開かなかったりと、問題が起こります)。SpyderやJupyterに関しては、下記3を見てください。

上記のように、仮想環境を作ったフォルダに移動して(またcd xxxで)、同様に「Scripts\activate」で仮想環境を起動する。

で、例えば、jupyterlab を使いたい場合は、初期フォルダにしたい場所にcdで移動しておいて、

jupyterlab

と打ち込む。これで、Google colabと同じような感じで使えますので、使いまくってください
参照→ https://note.com/hosodakazufumi/n/n0da2c4bcf1ad 

なお、うちのグループではjupyterlab をお勧めしており、理由は以下です。

  • Google colabと同じであること

  • 他者と共有するときにNotebook形式なので見やすいこと

  • 計算サーバの使用もとっつきやすいこと

(補足 Step 5: venvのショートカットを作る)

いちいちコマンドプロンプトから上記のように起動するのはめんどくさいので、ショートカットを作ってもいいと思います(Windows 例)。

まず、コマンドプロンプトのショートカットを作ります。右クリックでプロパティを見てみると、
『リンク先』が「C:\WINDOWS\system32\cmd.exe"」
『作業フォルダ』が「%HOMEDRIVE%%HOMEPATH%などの謎の文字」
になっているかと思います。

これを、以下のように変更します。
まず、『リンク先』に、「/k」 と、コマンドである「"Scripts\activate"」を追加します。つまり以下です。
「C:\WINDOWS\system32\cmd.exe /k "Scripts\activate"」
次に、『作業フォルダ』を、その仮想環境のフォルダに設定します。つまり、上記の venvtest なら、「C:\Users\namae\pythonvenv\venvtest」とかです。

で、「アイコンの変更」ですきなアイコンに変更して、完成です。

以上です。それでは、自分のPCで遊びまくってください。
※なお、仮想環境という意味では、DockerやSingularityとかを使うともっと再現性は上がるのですが、それはそれで色々とハードルが出てきます(GPUの使用とか)。まあ、とりあえず上記のようなことで、普通に行けると思います。




2.Anacondaをインストール

Anacondaは、Pythonに、便利なツールを加えた感じのものです。なので、Pythonを内包しています。ただし、基本的には有料ソフトであり、無料で使うには条件があってないといけません(教育機関とか)。知らない間に条件がかわったり厳しくなったりしますし、無料で使ってはいけない組織でついつい使ってしまうと、組織に巨額の請求が行く可能性があり、危険です。またそもそもAnacondaを使うとよくわからなくなることもありますので、上記の無料のPythonを使った方が良いと思っています。(もちろんAnacondaの良い点もたくさんあり、特に依存関係はとても有難いのですが)

Step 1: インストール

AnacondaのHPから『Free』というものの、インストーラをダウンロードして、実行してください。
https://www.anaconda.com/download
ただし、すぐにページなども更新されると思いますので、詳細は「Anaconda インストール」とGoogle検索して最新版をお確かめください。誰かが詳しく教えてくれます。なお、「Python 2か3か」という選択肢があるなら、迷わずPython 3をインストールしてください。

あとは、自分の個人的なPCなら、「全ユーザにいれる」とか、「PATHを通す」とか、そんな風に選択してください。でも別に違う風にしても、あとで全部消してやり直せばいいだけですので、適当でいいです。(全部きれいにするのに困難がある場合もありますが、まあ調べればできます。)

Step 2: パッケージをインストール

Anacondaをインストールすると、いろんなパッケージが最初から入っています。下記のSpyderやJupyterも入っています。ただし、そのうち絶対にパッケージが足りなくなります。その時には、「Anaconda prompt」というものを開いて、「conda install xxx」などとすると、xxxがインストールされて、使えるようになります。

このcondaは、名前からわかると思いますが、Anaconda独特のものです。同様に、「pip install xxx」というのも使えます。これはPythonの標準のものです。なので、Anacondaでも、pipは使えます。ただ、ともにパッケージの管理ツールなので、これらを混ぜると管理できなくなり問題が起こるときがあります。とはいえ、最新のもの、例えばTensorflow(深層学習のパッケージ)とかは、Condaでやると問題が起こる場合が多いので、Anacondaを使っていても、pipでインストールしたほうがいい、とかがあります。まあ、仮想環境を使っていれば、失敗したらまたやり直せばいいので、ガンガン行けばいいと思います。(そのためにも仮想環境は使用してください)

なお、このxxxはパッケージ名ではない場合もあります。なので、必ず事前に、「xxx conda install」という風にGoogle等で調べてから、インストールしていってください。

Step 3: Anaconda仮想環境

ちょっとなれたら、Anaconda仮想環境を使うことをお勧めします。上記のvenvみたいなものの、Anaconda版です。使い方は「Anaconda仮想環境」とGoogleで検索してください。誰かが詳しく教えてくれます。



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