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授賞式、せっかく久しぶりに東京にいくのでぎっちぎちに他の予定もいれてみたらちょいちょい珍道中だった話。part5

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ようやくビジネスホテルに着いた私。
明日の朝最低でも8時には起きないと、午前中の予定は難しくなるなあ。

起きられるといいなあ。そんなことを考えながら即寝。

数秒しかたってないんでは? と思えるほどの深い眠りから目覚めた、翌朝、なんと7時半でした。しかも、あれだけ動き回っていたにもかかわらず意外と元気だ。

やったあ! これなら行ける!
勝ったぞー!!!(何にだろう?)

そんな風にホテルの部屋で一人ガッツポーズを決めてから、夫に電話をしました。昨日は電話をするタイミングがなかったので。色々報告する中、例の店長の話をすると、懐かしそうにしていました。

朝食を食べ終えると、今度は娘からラインが。お土産の写真を送って欲しいと(苦笑)
私に似てせっかちなんです。
すぐに写真を撮って送りました。

さて身支度を整えていざ向かうのは神保町!

そうです。授賞式の翌日は神保町ブックフェスティバルの日だったんです。なんという巡り合わせ!!

毎年行かれた方のTwitter(X)を拝見していて、いいなあいつか行ってみたいなあ。でも、まあいけないよね。と羨望のまなざしで毎年見守っていたのでした。

いざ出陣! 神保町について、改札周囲のコインロッカーを探します。残念なことにコインロッカーは全部使用中でした。ううう。小さめとはいえスーツケースをひきずって参戦かあ。

私は今日のために使っていなかったレザートートをおろしました。頑丈でほとんど箱のような形で、自立するつくりなので、沢山本を入れるのにうってつけだなあと思って。これなら表紙や帯が痛むこともなさそうだなあと。

このレザートートに入れていた荷物は折り畳みのエコバッグに移し替えればかなり沢山の本を入れることができそうだなって。
そんな準備万端な状態で向かった神保町。
すずらん通り商店街へ!
時刻は10時、もう既に人が沢山!!
ぐるっと半周して気づいたことは、早川書房さんと東京創元社さんの待機列がもうすでにこんなに長い!!

しまった。時間通りに来るのはどうやら甘かった!

私、今、素早い判断を求められている!

どちらかには並びたいと思っていたのですが、迷いに迷って、ここは東京創元社さんに決めました。

翻訳のミステリーか、SFが買えたらいいなあ。
あと、くらりグッズも欲しい。
東京創元社さんのキャラクターのウサギの帽子をかぶった子猫のくらり、可愛くないですか?

わくわくしながら待機列へ。待つのは全然かまいません。スマホでKindle読めば時間なんてすぐたちますしね。待機列に並んだときに渡されたチラシによると一人7冊までで、持ち時間5分を目安にと書いてありました。
5分あればワゴンのタイトルはきっとじっくり見られるなと。

私は人の顔を覚えるのは苦手ですが、活字を読むのが速いんです。それから活字から入ってくる情報の取捨選択がたぶんですけど、恐らく他の人よりは早いんだと思います。

それに、気になる本はかならず背表紙と目が合うんです。

何おとぎ話みたいなこと言ってんだよ星月。

と思われるかも知れませんが、本屋さんで出会う本とは、そういう出会い方をして今まで来ています。

なんか、そっちの方に視界が開けていく感じ。
信じられないと思われるかもしれないけど、共感できる方も少なからずいるのではないかなあって思うんですよね。

ようやく順番がきたので、ワゴンへ。

最初に目に入ったのはレイ・ブラッドベリ。あ!アマゾンに中古しかないKindleもない旧訳版の「何かが道をやってくる」だ! 

サッと一冊。そして単行本に目を走らせると「アメリカのシャーロックホームズ」という見たことないタイトルだけど面白そうなノンフィクションが。私ノンフィクションも大好物です。

そして、もう超絶気になるタイトルが、荒俣宏編「怪奇文学大山脈」絶対、おもしろいやつやろこれ。

手に取りじっと見ていると。在庫を出していた方が一言。
「それ、全部で3冊あるんです。もう店頭には並んでないと思います」
「あ、じゃあ。2巻と3巻も下さい。あ、それとブラッドベリはあれだけですか?」
「そうですね、ブラッドベリはそれだけなんです」
「そうですか」
『10月はたそがれの国』があったら欲しかったんですけどね。残念。
「でもハインラインが『ラモックス』がそこに」

そこにあったハインラインを2冊手にすかさず手にとり。
もしかして、読んでいないシーラッハがあったり、奇跡的にホロヴィッツがあったりはしないかと、ザッと見て、シーラッハの「カールの降誕祭」の単行本が目に入りましたが、これは既読の本なのでそっと手を振り、

上限の七冊をお会計の担当者さまに渡して、
「くらりの単行本ブックカバーを下さい!」

くらりかわいい

この間たぶん。わずか2分。

神保町ブックフェスティバル。
恐ろしいところ!

楽しい。でもきっと滞在時間が長くなれば長くなるほどきっとお財布がかるくなってしまう。

そう思っていたんですが、ブックフェスティバル、開始一時間で混雑具合が段違いに。スーツケースをガラガラひいているととてもじゃないけど近づけないコーナーが多発です。

光文社さんももちろん見に行きましたよ。

光文社さんのワゴンは、人間の背中3枚の壁ができていました。
文庫一冊100円という何それおいしいだけじゃないか。というワゴンでして。それはそれは人気者だったので、諦めました。

そうか。人が多すぎて買えない。とうい事態も発生するんだ。
神保町ブックフェスティバル。
やはり恐ろしいところ。

そして、つくづく、東京創元社さんの待機列に並んでよかったと思いました。わずか2分でしたが、実に充実したお買い物でしたから。

ぐるっと一周して、河出書房新社さんのコーナーへ。ここも大人気で、まあまず見られないだろうなあと諦めていたら、なんだかすぽっと前が開いて、購入可能ゾーンにいけたんです。一番に目に入ったのは、山岸凉子先生の画集。すかさず手に取り捕獲。そして、目に入った総特集手塚治虫。この2冊を購入しました。

ホックニーのことを考えたらそろそろおいとましなければと思っていたんですが、最後に立ち寄ろうと決めていた場所に移動しました。

それは神保町の書店書泉グランデさん。
さまざまな楽しい企画をTwitter(X)でよくみかける書店さまなのですが、この日に、飛鳥部勝則さんの『堕天使拷問刑』の店頭販売がはじまる。と。

興味はあったけど、勉強不足で申し訳ないのですが、内容をまったく知らない本だったので迷っている間にネット通販の締め切り。

その後、私が買えなくて悲しかった『影の獄にて』の再販情報が書泉グランデさんからありまして、私、狂喜乱舞で予約したんです。

『影の獄にて』は石田衣良さんの「大人の放課後ラジオ」で紹介されていたんです。戦場のメリークリスマスの原作ですね。


「大人の放課後ラジオ」は定期的に「小説家になろう」スペシャルが放送されますが、それが本当にためになるので、おすすめです。なうての読書家である石田衣良さんの本の話もいつも好奇心をくすぐられます。


そんな『影の獄にて』予約してから、ふっと我に返りました。そうか。きっと『堕天使拷問刑』も今の私のように再販を狂喜乱舞する人が沢山いる本なのでは? 

そう思うと予約しなかった自分の愚かさが骨の髄まで染みました。

けれども、なんということでしょう。店頭販売が神保町ブックフェスティバルの日にはじまると!

必ず立ち寄って買おうと心に決めていたんです。いざ書泉グランデさんへ。本当は全売り場を見たかったけど、時間もないので、目的の本を探します。

特典つきを選んでレジへ。お会計をしようとしたら、なんと言うことでしょう。

自立していたはずのレザートートが大きな音を立てて倒れ、中身が滑るように飛び出していったんです。
中身とは先ほど購入したばかりの本たち。

本、本が、流れてく。がーーーーん。

愕然としつつも、安堵でいっぱいにもなりました。

マジでポメラ置いてきてよかった。これポメラ入ってたら。ポメラ死んでたわと。

最近の私は執筆のほとんどをポメラで書いているので、ポメラさまさまなんですよ。

今頃自宅のリビングのパソコンラックでのんびりしているはずのマイポメラ。

君の命は守れた。ナイス判断だ昨日の自分。

そんなことを思いつつ、滑り落ちた本を拾い会計をすませました。

いやあ楽しかったな。神保町ブックフェスティバル。まあ、きっと私の楽しみ方は徒然草の仁和寺にある法師程度の楽しみ方だったろうけど。またいける機会があればいいなあと地下鉄に向かいました。

階段を下りるとき、スーツケースとレザートートのあまりの重さに引きました。

そして、以外と楽々階段を下りている自分に驚きました。

週2の筋トレの効果をしみじみと実感しつつ次の目的地へ。

ええ。ホックニーですとも!!!

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