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「ダスカロスの教え」と「東洋医学」を融合させる試み(5)


「東洋医学」の病因

病因とは、人体における陰陽や五行の平衡状態の偏りや、臓腑経絡の気血津液に関わる障害を引き起こし疾病を発生させる各種有害素因と、疾病を起こす条件である発病の原因のことです。邪気病邪ともいいます。

【病因の分類】
病因には、外因内因不内外因(ふないがいいん)の3つに分類する方法と、外感(がいかん)・内傷(ないしょう)の2つに分類する方法があります。現代中医学の臨床では一般的に後者の分類が使用されています。

有馬義貴 著「東洋医学領域の教科書1」165ページ
太字化はNoelが実施

3分類」は、以下のようになっています。

外因」 = 人体の外にある病気の原因
       六淫(風、暑、湿、燥、寒、火)
内因」 = 人体の内にある病気の原因
       七情(怒、喜、思、憂、悲、恐、驚)
不内外因」=「内因」・「外因」以外のもの
       飲食、労倦、房事過多、外傷、遺伝
       寄生虫・体内に発生する病理産物など

2分類」のほうは、病気の機序も含んでいます。

外感」(がいかん)= 病が “”(体外)から起こるもので、原因を “外邪” と呼ぶ。“外邪” はさらに “陰陽” に分類され、“陽性の外邪” は上部から、“陰性の外邪” は下部から身体を襲う。“外感病邪”(六淫・病原体・外傷・寄生虫など)が、(表)から内(裏)に入ることで発症した病を「外感病」という。

内傷」(ないしょう)= 病が “”(体内)から起こるもので、飲食の過不足、情動の変化、労倦(疲労)、風土によって形成される体質などが原因となる。内因(七情の乱れ)や不内外因(飲食の過不足・労倦・痰湿・瘀血など)により、内から発症した病を「内傷病」という。

外感病」の多くは有余)の症状で、治療は余分な “邪気”(病気を引き起こす要因)を取り除くことで行ないます。一方、「内傷病」の多くは不足)の症状を呈するので、足りない “正気”(病気への抵抗力) を補うことが治療になります。

「東洋医学」の診断法と治療

東洋医学」における治療は、特有の診断法によって定めた「」(しょう)に基づいて行われます(随証治療)。

西洋医学」のような検査はせず、「四診」(ししん)によって診察します。「四診」とは、“望診”(ぼうしん)、“切診”(せっしん)、“聞診”(ぶんしん)、“問診”(もんしん)の4種の診断法です。

望診=患者の容体を目でみる診察(舌診 はここに含む)
切診=患者の体に触れる診察(脈診腹診 はここに含む)
聞診=聴覚と嗅覚による診察
問診=病状を患者から聞き出す診察

四診」で得た情報をもとに、“表裏”、“寒熱”、“虚実”(きょじつ)、“陰陽” の8つの指標を用いた「八綱弁証」(はっこうべんしょう)を用いて “” を決めてゆきます。

八綱弁証」の手順は以下になります。

1、「表裏」を診る=病位(病気の位置)の診断
  病位が内臓などの深部 →「裏証」(りしょう)
  病位が体表面 →「表証」(ひょうしょう)

2、「寒熱」を診る=病状の診断
  熱が不足 →「寒証」(かんしょう)
  熱が過剰 →「熱証」(ねっしょう)

3、「虚実」を診る=病因や病機の診断
  何かが不足 →「虚証」(きょしょう)
  何かが過剰 →「実証」(じっしょう)

以上の指標を用いて弁証すると、以下の8つの「」が導き出されます。

そこに、“陰陽” の判別を入れてゆきます。

:「陽実」(ようじつ)=“陰” よりも “陽” が強い
  「陰実」(いんじつ)=“陽” よりも “陰” が強い

:「陽虚」(ようきょ)=“陰” よりも “陽” が弱い
  「陰虚」(いんきょ)=“陽” よりも “陰” が弱い

ちょっとややこしいですが、要するに同じ “” の症状でも、その原因が「陽実」(陽気が過剰で発熱している状態)なのか? あるいは「陰虚」(陰気が足りなくて熱を冷ませない状態)なのか? 見極めなくてはいけない……ということです。

で抽象化されます。には温める作用、には冷ます作用があり、火は水によって冷やされ、水は火によって温められます。相対的に陽が多い陽盛(陽実)や陰衰(陰虚)の病理状態では、水より火が強いため熱の症状が現れます。逆に陰が多い陰盛(陰実)や陽衰(陽虚)の病理状態では冷えの症状が現れます。

このことを『素問』陰陽応象大論では「陽勝つときは陰病み、陰勝つときは陽病む。陽勝つときは熱し、陰勝つときは寒す」と説明し、『素問』調経論では「陽虚するときは外寒え、陰勝つときは内熱する」と説明しています。

エネルギー燃料として認識するとき、人体のエネルギーは「」、燃料は「」です。冷えや熱の症状がなくてもエネルギーである気が不足すると活動力や元気がない症状が現れ、燃料である血が不足すると血色不良の症状や栄養不足で筋肉・舌・体が痩せるなどの症状が現れます。

有馬義貴 著「東洋医学領域の教科書1」16ページ
太字化はNoelが実施

八綱弁証」によって総合的に症状を診断し、“臓腑の虚実” を見定めます。

熱証実証
 陽熱(胃熱)
 陽実実熱)=胆実小腸実胃実大腸実膀胱実三焦実

寒証実証
 陰寒(脾寒)
 陰実実寒)=肝実心実脾実肺実腎実心包実

熱証虚証
 
陰熱(脾熱)
 陰虚虚熱)=肝虚心虚脾虚肺虚腎虚心包虚

寒証虚証
 
陽寒(胃寒)
 陽虚虚寒)=胆虚小腸虚胃虚大腸虚膀胱虚三焦虚

これらの「」に基づき、 何らかの要素に過分があれば(しゃ)し(取り除き)、不足があれば(ほ)する(補う)ことで “陰陽” のバランスを整えるのが治療の基本です。

陰陽” の調整以外にも、“五行” に基づく “臓腑の関係性を用いた治療則もありますが……

そのへんに踏み込むと話がどんどん複雑になってきますので、端折らせてください ( ; >ㅿ人) I'm sorry...

このシリーズは、「東洋医学」について詳細に語ることが目的ではありません。論よりも実というか……感じ取ったをどのように使っていくかにフォーカスしたいのです。

「ダスカロスの教え」の病因

ダスカロスの教え」では、人間の 現在のパーソナリティー を構成する エレメンタル 群にある “エゴイズム” (東洋医学的にいうなら “邪気”) を「病気の原因」としています。

エレメンタルについては、以下の記事を参考にしてください。

「ダスカロスの教え」の診断法と治療

どのようなエゴイズムが「病気の原因」になっているのか?……それを探り当てるのが診断であり、エゴイズム非活性化することが治療になります。

そのために必要なスキルが、“集中”、“観察”、“内省”、“瞑想” です。

エゴイズム非活性化については、下記で書いています。

病気は、「マインド を正しく使う」ことを学ぶための機会と捉えましょう。

記事を読んでいただければわかると思いますが、「ダスカロスの教え」はノエティカル(思考的)なワークが中心ゆえ、もっと肉体感覚寄りに理解できないものかなぁ?……という願望がありました。それで、潜在意識が「東洋医学」を引っ張り出してきた のでしょう。

東洋医学」で扱う “”(エーテル)は、肉体の振動数に近いレベルのものがメインです。じっさい、“経絡” や “経穴” を意識したワークを始めたところ、感覚的なわかりやすさがありました。そして、ただ闇雲に “”(エーテル・バイタリティー)をイメージ(視覚化)して流すのではなく、心身の状態を正しくサーチし、必要なところに必要な種類の “” を、必要なぶんだけ送る具体的な練習として使える……と確認できました。

というわけで、次回は「実践編」です (*^^)v

Noel がじっさいに試して、効果安全性が確認できたワークを紹介いたします。ただし、あなたの “聖なる力” を、取るに足らぬ一時的パーソナリティーを見せびらかすために使わないでくださいね! そんなのは、どうしようもなく無益な行為ですから、、、