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「ダスカロスの教え」と「東洋医学」を融合させる試み(4)


臓腑について

「臓象学説」と「ダスカロスの教え」

東洋医学」の理論は 「気の思想」、「陰陽学説」、「五行思想」、そして「臓象学説」(ぞうしょうがくせつ)によって成り立っています。

【臓象学説とは】

」とは体内にしまわれている内臓のことであり、「」とはに現れている生理的・病理的な現象のことです。

臓象は「六臓・六腑・奇恒の腑」と「気・血・津液・精」などを内包する概念です。「経絡」も厳密には臓象の範疇ですが、独自の理論(経絡学説)をもっていることから一般的には臓象から独立した理論として扱われます。

臓象学は『黄帝内経』から始まった臓腑経絡の生理作用・病理変化、相互関係を論じる学問です。『黄帝内経』では「臓は内に居し象は外に見われる」と認識し、内在する臓腑の生理活動および病理変化は身体の症状に反映され、症状から臓腑の生理活動および病理変化を推定することができると考えました。

臓象学で用いる臓腑を表す用語は解剖学的に実証された臓器自体を示すのではなく、「体内の臓腑が体外に表現する種々の現象(生理、病理現象)」を意味しています。臓腑とは体の構成部分である臓器ではなく、経脈と並ぶ人体の生理的・病理的現象や精神活動の中心となるものを示しているのです。

ーーー(中略)ーーー

経脈はそれぞれ一つの臓腑に属し、その臓腑と陰陽表裏の関係にある臓腑に絡します。陰経は臓に属して腑に絡し、陽経は腑に属して臓に絡しています。臓腑の表裏関係経脈の走行にも現れ、太陰肺経と手陽明大腸経は表裏関係にあって手の外側内側に相対して走行します。同様に足陽明胃経と足太陰脾経は表裏関係にあって足の外側内側に相対して走行しています。

有馬義貴 著「東洋医学領域の教科書1」81-83ページ
太字化はNoelが実施

Noel は「ダスカロスの教え」に沿って、“臓腑”(ぞうふ)を エーテルセンター、“経絡”(けいらく)を エーテルバイタリティー の通路、“経穴”(けいけつ)を小型のエーテルセンターと捉えることにしました。

エーテルセンターはヘッド・センター、ハート・センター、太陽神経叢などの体軸上にある主要なセンターだけでなく、全身の毛穴や指先など……さまざまな場所に数えきれないほど存在します。それらを「東洋医学」は、“経穴” として体系化したのではないでしょうか?

経脈” と “経穴” の “” を観察すると、関連する “臓腑”(エーテル・センター)の状態がわかります。病気の兆候はまず、(浅層)にある “” に顕れ、悪化すると “陽の症状 から “陰の症状” に移行し、 (深層)にある “” に進みます。病気の進行と共に “” の量は減り、回復不能になるまで “陽気” も “陰気” も枯れてしまうと死に至ります。“” の作用を受けやすいのは “” ゆえ、病邪がまだ “” のレベルにあるうちに治せば、“” まで及びません。

陽の症状” と “陰の症状” は、それぞれ3つの “陽期” と3つの “陰期” の合せて6つの段階があります(六経分類)。

太陽” や “太陰” などの名称については、後述いたします。

“臓腑” の生理

”(ぞう)は、 を蔵する実質性」(中身の詰まった)の臓器です。“陰陽” の分類でいうと “” に配当され、“五臓の働き” は “五行”(五主、五官、五液、五華、五志など)の “気の働き” と照応関係があります。

五行    特 徴     ・  ・    ・
五主
=五臓が司る身体組織 (筋、血脈、肌肉、皮毛、骨)
五官=病気が現れる顔の器官(目、  舌、   口、   鼻、   耳)
五液
=病気の時に出る分泌液(涙、  汗、   涎、 鼻水、唾液)
五華=不調を知らせる部位 (爪、顔面、 唇、  毛穴、毛髪)
五志=不調を引き起こす感情(怒、 喜、   思、憂・悲、恐・驚)

一方 “”(ふ)は、精・気・血を動かす中腔性」の臓器で、“” に配当されます。ただし “” は “” の性質(“胆汁” を内蔵)もあるので、“奇恒の腑” に分類されます。

長くなるので、“臓腑” の生理については Wikipedia を参照してください  (;^_^A

要点のみピックアップしておきます。

(臓)
=“血脈” を司る、“神” を蔵する
心包=“心” を保護する
=“呼吸” を司り、“気” と “津液” を廻らせる
=“気”・“血”・“津液” を造る、臓腑を定位置に保つ
=“血” を蔵する、“気血” の流れをスムーズにする
=“精” を蔵する、“水” を廻らせる

(腑)
小腸=消化管内容物の分別と伝道
三焦=上焦・中焦・下焦、“気” と “水” の通路
大腸=消化管内容物の伝道と排泄
=“脾” と共同し、消化吸収を行う
=“胆汁” を蔵する、胆力
膀胱=貯尿・排尿作用

かなりざっくりですが、これで大体いいかと……(たぶん)

“臓腑” と “人体” の “陰陽”

臓腑” の “陰陽”・“表裏” の関係は重要項目なので、しっかり覚えましょう! まずは“” を、五行の木・火・土・金・水(もく・か・ど・ごん・すい)の順に肝・心・脾・肺・腎(かん・しん・ひ・はい・じん)……と、呪文のように唱えて覚えるとよいです (*^^)v

五行 臓)- 
    肝   -  胆
    心   -  小腸
    心包  -  三焦
    脾   -  胃
    肺   -  大腸
    腎   -  膀胱

” は内側深層にあり、“” は外側表層にあります。

人体” にも “陰陽” があります。

四つ這いの状態で日光があたる部分が “” 、日陰になる部分が “”……と区別するとわかりやすいです。そして、人体の上部は “”、下部は “” になります。

“人体” の上下の境界は “横隔膜”/呼吸について

人体の上下” の境い目は “横隔膜” です。

横隔膜” は「呼吸」を主る筋肉で、肋骨で守られた 上焦(心、肺)と、中焦(脾、胃)・下焦(肝、腎、胆、膀胱、小腸、大腸)を隔てています。

起始=剣状突起、第7〜12肋骨の内面、第1〜4腰椎にかけての内側。停止=腱中心(ドーム状になった横隔膜の中央部)

横隔膜” がつくる “呼吸” には、“” に対する以下のような作用がある……と、Noel は感じます。

吸気(横隔膜の収縮)=集中、吸収、圧縮、下降、グラウンディング

呼気(横隔膜の弛緩)=発散、排出、拡大、上昇、意識の拡大

横隔膜” の動きが悪くなると心肺はもちろん、“横隔膜” に接するの動きや脾臓肝臓の気血の流れも悪くなり、さまざまな体の不調につながっていきます。それゆえ、“横隔膜” をしっかり使った呼吸が “” への「意識的なアプローチ」の第一歩……といえるのです。

ダスカロスの教え」においても、探究者がさいしょに取り組むエクササイズは “呼吸法” です。

Noel はお腹を膨らませる 「腹式呼吸」ではなく、会陰下腹部を軽く締めた胸式呼吸」を採用しています。この呼吸法では吸気のとき、「胸郭」と「腰背部」が広がります(肩は上下させません)。

ともあれ、“聖霊” と “大天使たち” の管理下にあるエネルギーセンターへの不適切な干渉は極力避けるようにしてください。ヨーガ行法にあるような激しい “呼吸法” は、まったくオススメできません、、、“横隔膜” は、肉体(ミクロコスモス)の「シンボルオブライフ」にある “第1の十字架”(現在のパーソナリティー の浄化エゴイズム の死)の位置にあります。

この事実は、“呼吸” が心身のコントロールの要である証左ではないでしょうか?

経絡について

経脈絡脈のことです。は「径、縦糸」を意味し、は「綱、つながり、からまり」を意味します。経脈気血の主要な通路として人体を縦方向に走行し、絡脈は経脈から分枝し、経脈と経脈を連絡しています。内では臓腑と結びついて、外は四肢体表部に連絡し、身体を養い、その生理活動を維持する統一的な連絡系統が経絡です。

経絡には臓腑経絡病理反応が反映されます。臓腑の異常経絡を通して体表に現れ、経絡を流れる気血停滞過不足が関連する経絡上の異常として顕れます。経絡の反応を捉えることで病態を予測・把握でき、経絡を通じて治療することができます。鍼灸やあんまマッサージ指圧などは体表を刺激し、経絡の流れを整えることで臓腑にアプローチし、陰陽五行のバランスを回復させて全体としての「を調える医術です。

有馬義貴 著「東洋医学領域の教科書1」59ページ
太字化はNoelが実施

経絡” は “臓腑”(エーテル・センター)の “” (エーテル・バイタリティー)を全身に廻らせ、“津液”(物質化した マインド )を脈管(血管やリンパ管)を通じて循環させています。

経絡の種類

このシリーズで扱うのは正経と呼ばれる “十二経脈” と、“奇経八脈”の “任脈” と “督脈” をあわせた「十四経脈」です。

正経十二経脈

正経十二経脈” には、6つの “陰経”と6つの “陽経” があります。

陰経=“”に属して “” に絡す
陽経=“” に属して “” に絡す

十二経脈” は体内でそれぞれ1つの “臓腑” に属し、その “臓腑”と「陰陽」(表裏)の関係にある “臓腑” に絡(連絡)していています。“十二経脈” は経絡系統の中心となる経脈” で、奇経、絡脈、経筋、皮部などはすべて “ 十二経脈” を基礎にしていて、相互に連絡しあうことで各経脈の作用を発揮します。

“十二経脈” の名称と走行について

十二経脈” の名称は、“陰陽論” に基づいてつけられています。

少陽(しょうよう):陽の始まりで充実していない
太陽(たいよう):陽が大いに旺盛
陽明(ようめい):太陽と少陽が合し、陽気が極まる
  -----陽と陰が切り替わる-----
少陰(しょういん):陰の始まりで充実していない
太陰(たいいん):陰が大いに旺盛
厥陰(けついん):太陰と厥陰が交尽、陰気が尽きる
  -----陰と陽が切り替わる-----

さらに、それぞれの “経脈” が属する “臓腑” および “走行” の部位によって、以下のように区別されます。

手の三陰経」= 太陰肺経少陰心経厥陰心包経
手の三陽経」= 陽明大腸経太陽小腸経少陽三焦経

足の三陰経」= 太陰脾経少陰腎経厥陰肝経
足の三陽経」= 陽明胃経太陽膀胱経少陽胆経

これら “三陰三陽” の経脈は、それぞれ特有の「走行路」を持っています。

経脈” が走行する人体の部位(断面図)

経脈” はまず、人体 “前部” の「太陰経」と「陽明経」を走行し、つぎに “後部” の「少陰経」と「太陽経」、最後に “中間部” の「厥陰経」と「少陽経」を走行します。

十二経脈”の走行には、法則性があるのです。

正経十二経脈の流注と走行

十二経脈” はひとつの大きな輪となって “” を全身に廻らせています(大周天)。なので、“十二経脈” の走行順路……すなわち “流注”(るちゅう)を覚えるのがひじょうに重要です!

十二経脈” の体表部における “走行” は、以下のようになっています。

十二経脈” の体表部における走行
体内の “臓腑” から、あるいは “臓腑” への走行は未記入

とりあえず、“流注” と “走行” を覚えるときのポインを書いておきますので、参考にしてください。

1、「陰経」は体の “”、「陽経」は体の “” の部分を走行する(注:“陽明胃経” は例外で胸腹部を走行。“胃” は “脾” と協働して“後天の精” をつくる “陰” の性質がある)。

2、“十二経脈” は「中焦」 (“胃” の真ん中)からはじまって(太陰肺経)、一巡して「中焦」に戻る(厥陰肝経)。

3、「陽経」はからに走行して “陽気” を降ろし、「陰経」はからに “陰気” を引き上げる

上下” はバンザイした状態で考えてください。

4、「陰経」同士は「胸腹部」、「陽経」同士は「頭部」、「表裏関係にある経脈」同士は「手足の末端」でつながる。

5、「上焦の臓」の “経脈” は「」を走行し、それらと表裏関係にある「」の “経脈” に「手の末端」でつながる。「中焦下焦の臓」の “経脈” は「」を走行し、それらと表裏関係にある「」の “経脈” に「足の末端」でつながる。

6、「陰経」は「胸腹部 → 手の末端」もしくは「足の末端 → 胸腹部」を走行し、「陽経」は「手の末端 → 頭部」もしくは「頭部 → 足の末端」を走行する。

十二経脈” の始点であり、終点でもある「中焦」は “” の部分ですが、もう少し広くとって “腹部全体”、もしくは “太陽神経叢” とするのがよいと感じます。“太陽神経叢” は「エーテルバイタリティーの貯蔵庫」です。キリストが述べた「腹から出る生ける水」(ヨハネによる福音書7章 38節)とは、“太陽神経叢” から湧き出るエーテルバイタリティー なのです。

任脈・督脈

8つある“奇経”(“臓腑” に属さず、表裏もない経脈) のうち、とくに重要なのが “督脈”(とくみゃく)と “任脈”(にんみゃく)です。

督脈” は背面中央を下から上に走行し、“陽経” を流れる “陽気” の量を調節します。一方 “任脈” は前面中央を下から上へ走行し、“陰経” を流れる “陰気” の量を調節します。“督脈” も “任脈” も骨盤内にある “胞中”(ほうちゅう)から始まります。“胞中” は生殖器であると同時に、エーテルセンターである “性センター”(← この用語は「ダスカロスの教え」にはありません)に該当すると考えています。

つづく