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音楽演劇「冠婚葬祭」の稽古

稽古は続く

ワザオギ


音楽演劇の稽古はとても不思議だ。

俳優(今回はわざおぎと呼ぶ)たちの曲ごとの稽古は、ダンスのそれのようであり、演劇のそれのようでもある。しかしそれらが入り混じる。

神保さんの印象的な演出の言葉があった。
「振り向くまではダンスで。振り向く時は芝居で。」

ダンスを習ったことがない身としては、なんとも不思議な演出の言葉だ。

ダンスのように、や、芝居のように、ならまだ使ったことがあるかもしれない。
しかし、そこは神保さん。踊りにも演劇にも音楽にも精通している彼だからこそ、迷うことなく例えではなくそのものとしての表現を使える。

それに応える俳優も流石だ。
ダンスも演劇も経験している人たち。
ほんとはそうあるべきなのかもなと思いつつある。

ダンサーが持ってる身体の文法は豊富だ。
芝居にもその豊かさはアドバンテージとなる。
俳優たちはそれを宝の持ち腐れには決してしていない。見事と言える。
そして社会人としての経験を持つ俳優もいる。
地方の神楽などは普段働いている人たちが伝統としてその役割を継承している。だから近代日本において、労働と踊りというのは分けられているものではなく、むしろ接続しているものではないだろうか。あくまでも一つの側面ではあるが、それがないとは言えないだろう。
その労働で得た身体性や感性が舞台の上に乗る時、職業俳優との色の違い、舞台のバリエーションが増えてくるように感じる。

バンドメンバー

バンドメンバーが稽古場に来ると空気はガラッと変わる。
音楽についての談義を聞きながら、私たちは彼らの談義ですら表現に影響を与えてくれると理解している。
談義前後の音は違う。
それに影響を受け、変化する俳優たち。

芝居のクオリティもダンスのクオリティも音楽のクオリティも、掛け算のように上がっていく。

なんとなく自然界の様相を呈している。
自然の中をかけめぐる動物たちの饗宴。
もしかしたら食べられてしまうかもしれない。
そんな緊張感も時にある。

しかし緩やかさもある。
キャンプファイヤーの残火、焚き火の中盤、海水浴の休憩、山登りの途中にある山小屋。

緊張と緩和。作品全体を通してそれがあるように思える。

旅人の自分は

旅人というのは、いつだって外側の人間だろう。うまく現地と馴染み、瞬間的に内側に入ることもある。だから時には踊るし、時には歌うこともあるかもしれない。楽器を演奏することだってあるかもしれない。
しかし、別れの時はやってくる。
いつだって1人。
最後は、1人なんだ。

僕はまだこの地で起こることを見続けていたい。
そして劇場で起こることを来場してくれる全ての人と味わいたい。

誰もがハレを味わえる時間が、劇場には流れているのだから。

だから、一緒に祝いましょう。

公演情報
音楽演劇「冠婚葬祭」


作・演出:神保治暉
音楽・演奏:エリア51

俳優:
星善之(ほしぷろ/旅するたたき場)、熊野美幸(ぺぺぺの会)、中嶋千歩、高田 歩、荻野 未友治

ゲストパフォーマンス:
7/25 19:00の回......リリセ with 仲間たち
7/26 19:00の回......上本竜平
7/27 17:30の回......さかさ舟
詳しくは特設サイトへ!
 
公演スケジュール:
7 ⽉ 25 日 (木) ☽19:00
7 ⽉ 26 日 (金) ☀︎13:00 / ☽19:00
7 ⽉ 27 日 (⼟) ☀︎13:00 / ☽17:30
7 ⽉ 28 日 (⽇) ☀︎13:00
☀︎...終演後も、客席内でゆっくりお過ごしいただけます
☽...終演後、ゲストパフォーマンス(30分ほどの予定)があります
※受付開始・開場は、開演の60分前を予定しております
※本編の上演時間は100分~120分を予定しております

チケット料金:
一般 3,500 円 (税込/自由席)
U35 3,000 円 (税込/自由席)
U22 2,500 円 (税込/自由席)
すみだ割 500 円 (税込/自由席)
※すみだ割の対象者:墨田区に在住・在勤・在学中の方
※当日券は全券種500円プラスの料金になります

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