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アジア現地採用インタビュー! 【フィリピン編】
はじめての海外就職にオススメしたいアジア現地採用という選択。
実際のところどうなの? という疑問にインタビュー形式で答えちゃう週刊noteがこちらです。
第3回目のインタビューはフィリピン在住8年目になるまーさん。
英語とタガログ語を使いこなし、陽気なフィリピン人と一緒にゆるく暮らすの楽しそうでいいな、と思いきや日本では別人のようだったって??
フィリピンとフィリピン人に救われて今がある。今度は自分がフィリピンに恩返しがしたい。
というまーさんの体験談。一言で言うと今回はエモいよ!!!
それでは本編へどうぞ!
(※本記事では1ペソ=2円として表記しています。)
みんなからの匿名質問を募集中!
— まーさん@フィリピン現地採用 (@hat0129) April 4, 2020
こんな質問に答えてるよ
● フィリピンに行ったらこれだけは…
● ペットの食費にはどれくらいお金…
● 獣医さんのお仕事もしてらっしゃ…
● 給料いくらですか?…#質問箱 #匿名質問募集中https://t.co/i8IX7KcsXs
自己紹介からお願いします
Twitterのアカウント名はまーさんです。よろしくお願いします。
フィリピン在住8年目で、フィリピン大学に編入生として入学して6年、卒業後現地採用として就職してもう直ぐ1年が経ちます。
センター試験で2年連続滑ったため(笑)獣医学部への大学入試が敵わず、動物薬理系の学科がある小さな私立大学に入りました。その大学の新しいプログラムとしてフィリピン大学への留学というコースがあったんです。
子供の頃からの夢だった獣医になることと、海外で働いてみたい興味もあって、留学を希望して必要な条件を満たして合格。
日本での2年間の大学生活を終えた後、そのプログラムの一期生としてフィリピン大学に編入学しました。フィリピン大学の学費は1年間で30万円ほどで格安でした。(日本の大学の休学費や外国人料金も別途かかりましたが..)
大学での授業のために英語を猛勉強して行ったのに、初日からまさかのタガログ語。
留学1年目はタガログ語が全然わからないし、専門の授業は気を抜くと単位を落とすのでとにかく必死でした。
2年目からはだんだんタガログ語がわかるようになって、生活にも慣れてちょっと楽になりました。
フィリピン大学を卒業して獣医師免許を取って、フィリピンで獣医として働くつもりでした。そしたらなんと、フィリピンでは日本人は獣医師免許を取れないと留学生活が2年も過ぎた頃に知らされて。
ショックでしたけど、ムリなものは仕方ないと気を取り直して、卒業後に一度日本に戻って国家試験に合格、獣医師免許を取得しました。
日本で、うちで働かないかと動物病院からのオファーはいくつかあったんですが、すべて辞退しました。
やっぱりフィリピンで働きたいと思って、もう一度フィリピンに戻って現地で就職活動をしました。
フィリピンでの獣医師免許を持っていないので、獣医にはなれません。
そこで募集の多い一般企業の営業職や駐在員のサポート役の秘書みたいなポジションを探しました。
面接はけっこうたくさん落ちました。
理由は獣医師免許を持っていると書いていたから。「なんで? 日本に帰って獣医になればいいのに?」と何度も言われました。
それから営業職のポジションを男性と同時に受けると、「やっぱり男の子の方が長く続けてくれると思うから、ごめんね」と不採用となったり。辛かったです。
それでもあきらめずに面接を受け続けて、やっと内定をもらえたのはIT企業の営業職。獣医とは全然関係ない仕事ですが、フィリピンで働くという目標は達成しました。
フィリピン現地採用の特徴
フィリピンの現地採用の特徴は、企業から内定さえもらえたら、就労ビザの取得には学歴も実務経験も問われないことです。
なので短大卒や専門学校卒の新卒でも挑戦できます。私も実際に大学を出たばかりで今の仕事につきました。
現地採用の給与水準はおよそ80,000ペソ(約16万円)です。雇用契約にもよりますが、ボーナスもあります。
ローカルスタッフの給料はおよそ20,000ペソ(約4万円)なので、生活には全く困りません。
日本人向けの職種は、営業職、日本人駐在員のサポート役としての秘書、エンジニアやプログラマー、日本語教師などニーズがあります。
それから、これがいちばんフィリピンらしいんですけど、現地採用で内定を争うライバルにハーフが多いんです。
歌手やダンサー、介護士などとして日本に出稼ぎに来ていたフィリピン人のお母さんと、日本人のお父さんの間に生まれた子供が、ちょうど就職の時期になっているきている世代みたいで。(お父さんがフィリピン人のパターンもたまにお見かけします。)
彼らはとにかく優秀です。日本語と英語はもちろん、さらにタガログ語も流暢に話せるので、つたない英語で話す自信のない日本人はすぐに負けてしまいます。
もちろん個人差はありますが、この強力なライバルたちには何度も負けました。
フィリピンでの生活
フィリピン人はとにかく陽気でのんびりしていて、それがだんだん自分にもなじんで心地いいです。
会社も政府も基本的にゆるいので、ルールや仕組みが変わることもしょっちゅうあるけど、まあいっか、ってなります。というか、まあいっかって思わないとやってられない(笑)
あとは、なんでも安くて高品質なモノがすぐに買える日本に比べると、フィリピンではないものだらけ。
「ない」が当たり前の生活だから、たまに「ある」とラッキーって感覚です。
日本ではモノやサービスがなんでも「ある」ことが前提だから、ちょっとでも「ない」とストレスを感じるのかもなと思います。
新卒未経験から専門職へ
フィリピンで働きたいと言う理由で選んだ今の仕事ですが、もうすぐ退職予定です。
実は転職オファーをもらったんです。
海外展開を視野に入れた日本の動物情報系企業から連絡をいただき、将来的にはフィリピンを含むアジアでサテライトオフィスを立ち上げられたら、という話もでています。
フィリピンからのリモートで、獣医の資格とフィリピンでの経験、言語能力などをフルに活用できる、まさに自分がやりたかった仕事です。
このオファーは、日本で獣医師免許取得直後に研修させていただいた病院の先生からもらいました。普段からいろんなところに顔を出したり飲みに行ったりして、つながりをつくっておくのは大事だなと思いました。
フィリピン人はペットフレンドリーな国民性なのに、動物医療の水準はまだまだ低いのが現状です。日本の高い技術の動物医療を、フィリピンでの指導・支援が実現することを考えると今からワクワクします。
自分を変えてくれたフィリピンに感謝
小さい頃からの夢だった獣医になること、そして海外で働いてみたいという好奇心から、初めて来た海外が留学先のフィリピンです。
小さい頃の私は友達がいなくて、動物しかいなくて、暗くてうっとうしいやつだったなと思います。あらゆることに文句を言ったり、イライラしていたと思います。
あと日本にいた頃は、こだわりとか、こうあるべき、みたいなものが強かった。それがフィリピン人たちになじんで「まあいっか」とカラッと考えられるようになりました。
それから日本では周りの目を気にしてばかりだったけど、フィリピンでは誰も私のことなんて気にしなかった。すごくラクになれました。
フィリピン人の陽気さに救われて、今の私がいます。
自分を大きく変えてくれたフィリピンに感謝しているので、今度は動物医療という専門分野で、フィリピンに恩返しがしたいです。