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中国現地採用に必要なスキルは経験値と即戦力

中国のビザ申請に必須の実務経験とは

質問を募集します! とフォロワーさんからの質問を受け付けていて、いちばんよくいただくのは中国での仕事探しについて。

中国の就労ビザはアジア諸国のなかでは珍しく、関連の実務経験2年以上の在職証明の提出が必要とされている。

このため、新卒で中国現地採用はできないことになり、経験と実績がある人材を求めていることが顕著だ。2年の経験は必須なので、1社でも、数社合わせて合計でも2年以上の経験を証明する。

しかも関連業務とあるので、異業種転職も難しいときたもんだ。
でもこれは表現次第でなんとかなる。

というか、私はなんとかした。

どういうことかと言うと、私の前職は日本語教師ではなかったけど、在職証明で関連業務だと認められて、就労ビザが発給された。

私の前職は高校の職員で、海外事業を担当だった。
高校生向けの海外プログラムを企画立案したり、海外からの高校生の受け入れを調整したり。
そのなかのひとつに留学生サポートがあって、日本の高校生活を送る留学生に日本語をときどきおしえていた。

こんな風に、総合職と言われる日本式のざっくりまとめて仕事を任される特性を活かして、在職証明を作成すればいい。

ただし、嘘はよくない。バレるから。
でも一度でも経験があれば、あるなしでいえばあるになる。
材料が揃っていれば、調理方法や盛り付け方は自由自在だ。

自分の経験があるもの
いきなり仕事を任されても一人で遂行できるもの
在職証明書に記載できるもの

実務経験が必須の中国での転職活動は、このあたりのポイントを重視して仕事探しをするのがいい。

さらにもうひとつ、日本人であることのメリットは日本のビジネスを理解していることも重要なスキルだ。

電話やメール、接待のマナーをはじめとする対応やふるまいとか。
商談の流れを理解しているとか。
日本で働いていれば当たり前のことが、世界では最高水準のビジネススキルに超進化する。

ほかにも日本人というカードは強力な切り札になる。

嘘をつかない、遅刻しない、約束を守る、会社のお金にちょろまかしたりしない、マニュアルと顧客をごっそり持ち出して技術をパクって独立したりしない、などなど。

成功すればなんでもアリの中国社会において、想像できないくらいありとあらゆる手をつかう商魂たくましい中国人。
誠実で真面目な日本人はそれだけで高ポイントだ。


採用される人材になるためのアピールポイント

実体験をもとに考えてみると、20代後半の人材はとにかく即戦力であるかどうかをチェックされている。これは中国での転職活動に限らず、日本をはじめどこでも共通したものだろう。

これできますか? と面接で聞かれたら、はいできます、と答える。

できるかどうかはやってみないとわからない。

これはどうですか? はい問題ないです、とまた答える。

このときに頭の中ですばやく考えることは「確か1回くらいやったことあるはずだから、採用されたらキーワード検索して最新情報をおさえて関連書籍を何冊か読めば問題ないだろう」だ。

ここでも嘘は良くない。仕事を始めたら絶対にバレるから。
でも少しでもピンとくるものがあれば、できますやりますと言っていいと思っている。

新卒当時の就活セミナーでどこかに誰か聞いたことを今でも思い出す。

面接でアピールするのは、学生時代にがんばったことでも入社後の夢や理想でもなく

この人と一緒に仕事がしたい
この人のことを育ててあげたい

この2つの印象を面接官に持たせたら勝ち。話す内容そのものよりも表情で、態度で、話し方で、表現の全てを使ってアピールする。

ここが重要なのが新卒の就活であり、20代前半のはじめての転職。

それに対して、経験者としての転職活動はどうだろうと考えてみた。同じようにアピールすることは大事だが、視点をちょっとずらしてみる必要がある。

この人と一緒に仕事がしたい

この人になら任せても大丈夫そう

と思わせたら勝ち! という視点が、20代後半で実務経験3年以上からの転職では大事だと感じる。

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日本と日本以外で違うのは業務における専門性

仕事における専門性のある・なしとはどういうことなのか。
できるだけ分かりやすく説明するために、教師の仕事を具体例に挙げてみた。


日本の教師はとにかく忙しい。
授業をはじめクラス担任、放課後や週末の部活顧問、委員会から朝の挨拶当番まで。
はたまた保護者が払わない給食費を催促しに家までいかないといけない先生もいるらしい。
マルチタスクといえばかっこいいかもしれないけど、なんでも引き受けるよろず屋すぎて辛い。

それに対して、海外の教師の仕事は授業!

以上!

授業以外は自由で、職員室は教材の一時保管所で、いつも空席で埋まっている。
授業の準備や課題の添削なんかはカフェや自宅でマイペースにやってるようだ。

専門性ってホントこういうことなんだ、と海外で教育に携わる機会に恵まれて、その格差にじんわり驚愕した。

専門性あるスペシャリストを求めていて、例えば日本語の会話や作文といった特定の科目の授業ができたらよし。
勤務初日から、じゃあ授業よろしくね、とポンと任される。

きめ細やかな研修でしっかりサポート! なんてない。その代わりに、仕事の進め方を自由度高く自分で設計できる。
前例や周りを気にしなくていい、自分の専門性や能力を最大限に活用して働くのみ。

具体例として教育産業をあげてみた。だけど製造でも商社でもITでも、根っこのところは変わらないはずだ。

海外で転職するための下準備としての日本での仕事は、なんでもいいから専門性を身につけるのがいい。日本人はなんであんなによろず屋稼業が好きなんだろう。

これから海外転職を考える人は、総合職というサラダボウルのなかであれもこれもと手をつけるよりも、専門性を身につけることを意識してほしい。面接でできますやりますって不思議と言えるようになるから。

海外でも日本でもどこでも、転職で大事なのって採用される前よりその後だと思う。

自分も周りもだましてもしも採用されたとしても、実際に仕事を始めたらバレる。それじゃ続かない。

せっかく念願の転職を果たしたとして、本人がなにかを達成するまで続かなければ意味がないし、不本意な途中退場はシンプルにくやしい。

短期目標で面接を突破して採用されるためにも、中長期目標で理想の働き方を実現するためにも、まずやるべきなのは実務経験を積み上げて専門性を尖らせること。


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