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シナプスの刈りこみと自閉症感覚

いっくんの言語発達の記録


いっくんの言語発達に関しては本当に不思議としか言いようがありません。

言語能力の部分については「生後2か月の時がピークだった…?」というのがわたしたち夫婦の認識。

大きな特徴としては、言葉が消えることです。
これはASDの親がよく言いますが、本当にあります。不思議と言葉が定着しないのと、本人の中でどうしても伝えたい!というのがない限り、言葉を発しません。(喃語は別です)

例えば、「ママ」は生後2か月から話せました。でも、すごく甘えたいとき、数日に1度言葉が聞けるかどうかです。
こども園にお迎えに行って、嬉しくて抱き着いてくれるときに「ママ~●▼×※」みたいなことを言ったりとかですね。

だから、コミュニケーションとしては言葉のやり取りはほとんどありません。

今までに言えていたけど…?な言葉は

・わんわん
・にゃー
・ママ
・パパ
・だいすき
・うまー(「おいしい」も言ってくれたことがある)
・ねんね
・しーしー(おしっこが出る時)
・でんちゃ
・かっこいい
・ジュース
・みず
・ください
・やだ
・よーいどん
・ゴーゴー!

いっくんが話したことがある記録

こう見ると、もうすぐ3歳にしてはめちゃめちゃ少ないですね(´;ω;`)

指差しは基本的に自分からはしないのですが、一度だけ車から電車が見えた時に、指をさしながら「あっ!でんちゃ」と言いました。

まだ歩けない赤ちゃんが指差しをしているのを見たりすると、なんだかしょぼーんとしてしまいます(´・ω・`)

また、「ジュースください」「みずください」は言えたことがあります。

その時は、え?? 2文語出た!と思いましたが、ほんと、その時だけだったなぁ。

いっくんの中ではある程度単語は溜めているし、言葉も聞いているのだろうとは思うのですが、うまく定着させられません。

また、言葉の指示が通ったと思うのもごくたまにです。

普段は視覚的に理解して行動してくれている感じで、言葉で言って通じることはほとんどありません。
「いっくん、ごはんだよ!」と何度言ってもこっちに来ることはありませんが、お皿に盛った食事を見せると「あ、ごはんだ」と気が付いてくれます。

こだわりはそんなに強くないので、遊んでいる途中で食事の時間になっても、保育園に連れていかれてもほとんどぐずることなく切り替えてくれます。

また、「ダメ!」はわかるようで、やらないで止まったりしてくれます。
こども園でも、ダメと言われたらやらないでくれる、と言われました。

一度、いっくんがスイッチを切ったりつけたりが好きだったときに、「電気つけてね」と言ったらパチリとつけてくれたことも。

こんな風に、言葉で通じたな、ということもごくたまにあります。やはりしっかりと目線を合わせて話しかけることが大切そう。
あとは寝るときに、ゆったりと話しかけるようにしています。

それでも日頃、通じている感じがほとんどないのはなかなかにキツイです。

真似をする力

いっくんは踊ったり真似をしたりはわりとできます。

Eテレでも踊るし(最近はテレビ自体をあまり見せていませんが)、「幸せなら手を叩こう♪」を歌うと一緒にパンパン、と手を叩いてくれたり、園のお集まりでも一緒に行って身体を動かすようです。

なので、言葉を発する下地は無いこともないんだろうとは思うんだけどなぁ…

ただ、一般的な2歳児(3歳直前)よりは少ないと思います。
出来たりもするよ…という程度かなぁ。

ASD児はシナプスの刈りこみが遅い?

ある本で、定型発達児は脳のシナプスの刈りこみが通常1歳ごろから活発に行われるのに対し、ASDの子どもたちはそれがとても遅い。という記載がありました。

言葉を話すというのは、目や耳で入力した情報を脳がその意味を認識し、それに対しての自分の考えや感覚を整理して、こういう言葉をいったら相手に伝わるのだ、と処理をする…という、とても高度な作業です。そのためには脳の端から端へとシナプスが繋がっていることが必要なのだそうです。
(知識があやふやですが。ミラニューロンの形成に問題があるともされます。シナプスの刈りこみと何か違うのだろうか…)

ASDの子どもは、シナプスの刈りこみが遅い分、こまかなつながりが多くあり、そのために視覚、聴覚などの処理がうまくいかなかったり記憶力が良すぎたり、感覚過敏や睡眠障害などを発症するそうです。
細かなシナプスのつながりが多いために、共感覚を持つ人もいますし、聴覚が過敏である反面絶対音感を持っていたり、サヴァンと呼ばれる何かで特別に秀でた能力を持つこともあります。

ものの捉え方も、細かい部分に目が行き、全体像を把握したり、概念化、抽象化が苦手というのもそういう理由があるのかなと思います。

また、いっくんのように言葉が消えたり、できたことができなくなる、というのもこのシナプスの刈りこみが遅いことに由来しそうです。

また、視覚処理においても、周辺視野があまりよく見えない人が多いようです。いっくんも、やけにものに目を近づけたり、真横から見たりするので、可能性はあるかもしれません。

また、恐怖を司る脳の部位が肥大するなどして人よりも恐怖感が強い人もいるようで、パニックをよく起こす子はそういう特性もあるのかもしれません。
幸い、いっくんはパニックはほとんどありません。

シナプス…いったいいつ刈りこみが進んでいくんでしょう…。不思議だなぁ。

みにくいアヒルの子ではなく白鳥なんだと知る

ASD児の発達に関しては、そもそも定型の子どもとは違うものだと思ったほうがいい、ということを、発達障害や自閉症の本を多く出されている本田秀夫先生がおっしゃっています。

ASDはそもそも「人種」が違う。
醜いアヒルの子と思わず、白鳥の子どもであると理解し、そのように育てるべきである。と。

個人的には、シナプスの刈りこみが遅い分神経系が独特に繋がっていくからこそ、天才的な能力にもつながる(場合がある)わけだし、脳の発達のされ方が違うのだと思って、親はそれを理解し、違う人種だから、と割り切るしかないのかなと思います。

とにかく2次障害を起こさないようにだけ注意してあげること。子どもの成長のタイミングを待ってあげることかなぁ。


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