贅沢な病気 1
子宮筋腫は贅沢な病気だ。
だけど、ある意味がんより不幸。
がんで子宮をとれば早期発見
わかって良かったねと言われるのに
子宮筋腫だと可哀想って言われる。
それを患者側に選ばせるのは
ある意味、がんより不幸だ。
これは診ていただいた女性医師の言葉です。
私は42才のとき当時未婚で子どももなく
子宮筋腫のため子宮をとりました。
決めるまで何ヶ月も悩みましたが
この先生の言葉は、私が感じていた
自分では言葉にできなかった悔しさや
思いを言い表してくれた気がして
この人ひとりがわかってくれたらそれでいい
そう思い、子宮全摘を選ぶことができました。
子宮筋腫は割合として
30代女性の3人にひとりとか
生理のある女性の3割から4割に
発症すると言われているようで
とても身近な病気です。
治療方法についても様々あり
がんと違い悪性ではないため
ある程度ライフプランにあわせ選択が可能で
それゆえ女性医師は「贅沢な病気」と
表現されたのかと思います。
医師から治療方法の提示はありますが
最終選択は患者側に委ねられています。
がんと子宮筋腫どちらも
治療として子宮をとる選択がありますが
悪性腫瘍のがんは生きるために取るという
共通の理解が根づいているように思います。
一方、子宮筋腫は良性腫瘍で
すぐ生死に直結しないからか
よりよく生きるための治療という
がんと同様の目的であるにも関わらず
子どもを産まない選択をした事に目が向きがちで
《かわいそうに》という反応が多い気がします。
子どもがいる人よりもいない人の方が
さらに《かわいそうに》が増え
未婚だともっとかもしれません。
また一部では
子供を産まないから子宮筋腫になるんだとか
性交渉のしすぎで子宮筋腫になったんだとか
蔑んだ見方をする人がいてびっくりしました。
昔と比べ現代女性は、初潮を迎える年齢が早く
出産回数が減り、生理の回数が約5倍とも言われ
そのため卵巣や子宮といった婦人科系の病気が
増えているのは事実のようです。
子宮筋腫の治療として
子宮全摘手術を選んで
あれから何年も経ちますが
今も後悔は全くありませんし
良い選択ができたと感じています。
もともと子どもは産まないぞと
決めていたわけではないですが
子宮筋腫は考えるきっかけとなり
人の優しさや思いやりにふれたり
いろいろな気持ちを感じさせてくれて
私の人生を豊かにしました。
子宮筋腫に限らず
病気は本人が望む望まないに関係なく
新しい流れを生み人生を動かします。
病気というトリガーが
人生の方向を大きく変えたり
そこで終了する場合もあります。
終了する生死のリスクはほぼなく
病気トリガーを果たす子宮筋腫は
最初の女性医師の言葉の通り
やはり「贅沢な病気」なのかもしれません。
最後までお読みくださりありがとうございます。また見ていただけるよう精進いたします!