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贅沢な病気 4 感謝

ある日、友人と電話で子宮筋腫の話になった。
彼女が昔、子宮がんで血が止まらなくなり
倒れて救急車を呼んだとの話から

「マジで救急車騒ぎになるよ。
私もまだ大丈夫って思ってたら急に来た。
いざという時すぐかけこめる病院を作って。
先手先手が大事!
今すぐMRIを撮った病院に予約を入れて!」

彼女との電話を切り
病院に予約を入れた。
具合は悪くないけど
まあ、じゃ行っとくか…そんな感じだった。

MRIから数ヶ月がたち
前回お会いした男性医師だった。
具合悪い?と聞かれて
特に悪くないけど
友人に言われて来たと正直に話した。
顔が白い、壁の色と同じくらい白いと言われ
ファンデーション塗ってるからかな?と答え
すぐに血液検査にまわされた。

採血後また診察室の前に戻り
呼ばれるのを待っていたら看護師さんが来て
こちらで横になって休みましょうと言うから
ここに座っているから大丈夫ですと答えた。

順番が来て診察室に入ると先生が
「貧血だよ!血が半分しかない!
ベッド空いてるから入院するか?」と聞くから
貧血で入院って冗談かと思っていたら
「自分の女房なら入院させる」と言うから
貧血で入院することもあるのかと驚いた。

入院したくないと話したら
お風呂は禁止
シャワーだけにしてと言われ
この数ヶ月、湯船につかると
フワァーっとなっていたのは
貧血だったからかと妙に納得した。

あとは、ゆっくり動け
急に立ち上がったりしないよう
何かで支えてゆっくり立つようにと指示され
貧血の薬をもらい次の予約を入れ帰宅した。

当時その男性医師が
その友達に焼肉をおごった方がいい。
マジで救急車騒ぎになると言っていた。
表現が面白い先生だなと聞いていたが

確かに彼女から強く言われなかったら
私は病院に行かなかっただろう。
貧血だとは考えもしなかったからだ。

いきなりガグンと変われば気づくかもしれないが
ゆっくり変化していくからか
その体の方が日常になり慣れていく。

湯船に入って気持ち悪くなっても
車酔いしやすいタイプのように
自分は気持ち悪くなりやすいタイプなんだなと
あとはせいぜい更年期症状かな?と片付けていた。

だからこんなんで大袈裟かなと思っても
病院に行ってみることは重要だ。
また友人や家族との普段の交流も重要で
何気ない会話から助けられることも多い。

さきほどの友人とは
よく電話していたわけでもなく
一年に一回電話するかどうかで
子宮がん体験者だとも知らなかった。

その時はじめてそんな話になり
人生って不思議だなと
そして、あらためて感謝。





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hoshi.nobo
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