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台湾で山登り~奇萊南峰①~
今日の中国語◆爬山
発音 パー サン
意味 山登り
富士山より高い台湾100岳
日本で一番高い山富士山の標高は3,776m。では台湾で一番高い山は?
答えは玉山3,952m。そして、台湾100岳の中には富士山よりも高い山(峰)がなんと7か所も。そして、星のやグーグァンを囲む山々も3,700m台というのがざらにあるのです。
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台湾一高い玉山は熱帯の国台湾にあって、数少ない雪が降る山でもあります。スキーをこよなく愛する弊社の代表星野からも、滑れないのか下調べをするようにと台湾赴任時に言いつかっております。
富士山にすら登ったことがないのですが、せっかく台湾に住んでいるんだから、台湾で一番高い山に登ってみたい!と野望を募らせる今日この頃。しかし、登るためにはまず宿泊場所確保=登山許可の抽選を勝ちぬくという難関があるのです。
3月某日、星のやグーグァンの台湾人の同僚とともに応募してみたものの、今回は残念ながら落選。次の機会を狙っています。
奇萊南峰
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玉山は落選してしまったものの、玉山と同時応募していた奇萊山、こちらに当選をし登山に行けることとなりました。
奇萊山、一番高い北峰は3,607m、主山は3,560m、そして今回我々が登る南峰は3,358mあります。
美しい草原が特徴的な山で、instagramの写真を見て期待を募らせつつ、2000mくらいの山までしか登ったことのない私はドキドキで、緊張の当日を迎えました。
山登りの準備
入園申請
先にもちょっと触れましたが、玉山をはじめ、台湾では3,000メートルを超える高い山は、抽選に勝ち抜く必要があります。
外国人にとって一番難しいのはこの抽選と言っても過言ではないでしょう。
というのも申請のサイトが少々わかりづらいのです。抽選枠自体は、山によっては外国人優先枠があるため当選チャンスは高めとなります。
申し込みと抽選は一緒に行ってくれたため、私はその難関を軽くこえてしまったのですが、もしも日本から旅行中に登山に挑戦したいなという方は、代行で申し込みをしてくれるアクティビティ会社などを使うのが安心です。
奇萊南峰の宿泊施設公式申し込みページ(英語のみ)
玉山の登山、山小屋公式申し込みページ(日本語)
この抽選はなぜ必要かというと、高山アタックのための宿泊場所の確保のため。今回は山小屋に宿泊しましたが、テント泊サイトがある場所もあります。
どちらにしても数に限りがあるため、必ず当選が必要です。
持ち物の準備
日本からの引越しの際に、靴とリュックしか持ってきていなかったため、登山・アウトドアショップ「桃源戸外」というお店で、いろいろと購入しました。
久々のアウトドアショップにテンションが上がり、持っていく予定のないワンバーナーやクッカーまで買ってしまうという、アクシデントはありつつも、
- 登山用ステッキ
- 登山用ソックス
- 日焼け防止用にグローブ
- 酸素ボンベ(使わなかった)
など、ちゃんと山アイテムも購入。
この他、リュックに詰めていったのは、
- 山小屋泊に備えたミニタオル、歯ブラシ、化粧落とし、耳栓、モバイル充電器、休息時間(足が楽になるシート)
- 道中のお昼ごはん用おにぎり
- 水1.5リットル+スポーツ飲料700ml
- Tevaのサンダル
- おやつ!おやつ!!おやつ!!!
こんな感じで、準備を万端に出発しました。
いざ出発。台中から南投へ
朝7時ごろからの登山開始をめがけて、台中市内を朝5時に出発。
途中で早朝から開いている、朝ごはん屋さんに立ち寄り朝ごはん。
この店でランチ用のおにぎりも皆買ったところ、「これから山登りにいくの?」それならこれに詰めてあげるわよ、とわざわざクーラーバッグにいれてくれました。
しかも、これうちで作ったやつと、甘い梅干しまで袋に入れてくれました。
こういう台湾の方のやさしさに、折々に触れてどんどん台湾に魅了されていくよです。
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ゆったり朝ごはんを食べて、さらにコンビニでおやつを買い足したりして、目的の南投県にある登山口までは車で約2時間ほど。
到着した時には8時過ぎになっていました。
地図をご覧いただくとわかるように、台中は台湾の西海岸にあるのですが、今回訪れた場所は、ほぼ花蓮(ホァリェン)という東海岸側の県との境目。いつか海と温泉が楽しめる花蓮にも行きたいものです。
登山開始~1泊目山小屋まで
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登山開始
車を駐車場に停めて、入山申請書を入口のお兄さんに確認してもらったら、いざ登山開始です。
お兄さんから「1キロ先の崖は最近落石があって、3日前に掘り起こしたばかりだから気を付けてね」という情報もゲットし、登り始めます。
実は、一緒に行ったメンバーのうち3人は来月インドの高山アタックをしに行くガチ勢。
それに対して、私は普段の運動不足と高所になれていないせいか、ほんの少しの上り坂でもゼェゼェと息が苦しくなってしまいました。
そんなこんなで、10分後には旅のお供はウリボだけ、という不甲斐ないことに。
とはいえ途中には、落石の崖があったり、吊り橋があったり、ほとんどの部分は木陰でとても気持ちのよいトレイルです。
「雲海保線所」休憩所
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そして10:15AMついに、6km・標高2360m地点「雲海保線所」という休憩所に到着!登山スタートが8:45だったので、1時間半ほど。ここまでは、他のメンバーから15分程度の遅れで何とか到着できました。
おやつを食べたり、記念撮影をして、ここから先の約13kmの道のりに備えます。
休憩所~山小屋 苦難の道のり
もはや見出しから私の辛さが滲み出ていますが、残りの13kmは、途中で何度も、すれ違う下山をしている人の車をヒッチハイクしようかという欲望にかられました。(これはあくまでも、登山経験も浅く、普段から運動不足な個人的事情によるものです。)
0.5kmは何としても進む、と心に誓いながらも、登り坂を見ると絶望にかられ、何度も休憩をはさみながら歩くこと5時間。休憩所を11時に出発して山小屋についたのは、なんと16時。一番最初についたメンバーから1時間半遅れでした。
辛すぎたので熱く語ってしまいましたが、途中には見どころもたくさん。
特に崩落している巨大な岩壁に沿った細い道は、スリル満点で景色も開けており、疲れを一瞬忘れさせてくれました。
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また、非常におもしろかったのが、そうした岩壁の石質です。詳しくないため、名前などはわからないのですが、横に線がたくさん入っており、軽く力を入れれば、パリンと割れてナイフのようになる岩が重なっています。
どなたか岩の種類がわかったら、ぜひ教えてください。
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道の途中では、山小屋や橋の修理用の物資を運ぶ、バイクやミニトラクターにも出会いました。こんなに険しい道を運んでくださる姿に感謝しかありません。
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そして、最後の1km、されど1km、滝が見えるというのを言い訳に座った岩の上で、うたたねをして、通り過ぎた人に心配されて起こしていただくというハプニング引き起こしつつ、最後の橋を渡ります。
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16時ついに、山小屋に14:30他メンバーたちに出迎えれて到着しました。しばらくは声もでないくらいの疲れでしたが、荷を下ろし、ちょうど暮れていく夕陽を見ながらおやつを食べてやっと人心地が付きました。
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山小屋の食事は事前予約制で、我々は夕食をお願いしていました。私が選んだのはバターチキンカレー。甘めのお茶のサービスとともに、疲れた体にしみわたります。
コロナの渡航の自由が回復してから間もなく、ということもあり登山客はほぼ台湾の方でしたが、私を含めて4人ほど外国人登山者もいました。
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そして明日に備えて、寝袋に包まれておやすみなさい。明日は2時に起きて、日の出アタックです!
To be continued………