死期を予感する人たち
死期が近づくと親しかった故人やペットの姿が見える「お迎え現象」について、2012年、NHKクローズアップ現代が取り上げて話題を呼びました。在宅医療の専門医、社会学者、医師たちが調査をして、いかに自然な看取るか?実現していこうという取り組みです。(記事の最後にリンクを紹介しています)
当時はこのようなテーマは大変珍しく取り上げられましたが、動画やSNSが普及する現在では、死期を予感した人たちの実体験の記録が多く見られます。人間や動物は、死期が近づくとわかるみたいです。私の周りにも、死期の予感を目の当たりにした人たちがいます。
母の兄は亡くなる少し前に、裏山の自分のキノコを全部きれいに刈り取ったそうです。いつもより早い時期に刈り取っていて、そのタイミングに、もしかしたら死期をわかっていたのかなぁと思ったといいます。
動物も死期を予感すると聞きます。昔から、猫は死ぬところを見せないように姿を隠するといいますが(木曽の山中に行くと聞いたことがあります)我が家で飼っていた猫のくろたんも、亡くなる数時間前に、やたらと外に出たがってジタバタしていました。
「お母さーん!くろたんが逃げようとしてるよー!」
日向ぼっこにと、赤い子ども用ソリにタオルを敷いて、そこをくろたんのベッドにして縁側で寝かせていました。腎臓の病気でトイレも自力では難しかったので、私たちはジタバタするくろたんを一生懸命なだめていたのを覚えています。
くろたんは諦めたように、またソリの中に落ち着きました。それから半日もせずに息を引き取りました。畳の上でみんなに見守られながら、末期の水も飲んで。
他人の死期を予知することもあるようです。従姉妹のお母さんは「音速の貴公子」と呼ばれていたF1レーサーのアイルトン・セナが死ぬ前に、セナが死んだという速報をテレビで見たそうです。
急に、テレビ画面にセナの事故死を告げる速報がパッと映ったそうです。
「あっ!セナが死んだって!」
彼女は叫びました。しかし、その場に一緒にいた子どもは、
「何言っているの、お母さん。セナは死んでなんかいないよ」
と夢でも見たのかというふうに、返したのだそうです。確かにセナは死んでいませんでした。しかし彼女は、確かにセナが死んだという速報を見たのでした。
おかしいなと首を傾げてから数日後のこと。セナの事故死を告げる「本当の」ニュースが流れたそうです。
死期を予感することは山のようにあるんですよね。その体験は親から子へ、子から孫へ、私からnoteへと、密かに脈々と語り継がれていく。
最後にもう一つ。私の夫のおじいさんは事故で亡くなりましたが、テレビのニュースでおじいさんの名前を見つけた瞬間、おじいさんの茶碗が真っ二つに割れたそうです。しかも茶碗ばかりでなく、玄関の表札も綺麗に真っ二つに割れたそうです。
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