新月図リーディング|2024.11.01蠍座新月
シトシト雨の降る11月のお朔日。
今夜、蠍座で新月ですね。
2週間前は十五夜お月さま、牡羊座満月のチャートを読みました。
天体は刻々と運行を進め、天球のうえに象徴的な図形を描いては崩したり、維持したりしています。
同じようでいて、それでもいっこずつ紐解いてみると、ガラリと違う雰囲気とメッセージを受け取ることができるので、やはり星図は開かずにはおれないなーとおもいます。
ということで、今回の新月図のメッセージを拾ってまいりましょう。
『いろいろ乗り越えて結びなおす絆』
座を温める、というか、「これは温めなくては…!」という座に出会う、というか。そっち方面にエネルギーを傾けていくといいよ、と語りかけられるような星図です。
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あと一滴でも垂らしたら溢れ出す、表面張力でギリギリ現状は保たれているんだろうな、という、ある種の緊張感、臨界状態を感じます。
アセンダントは蟹座27度、『渓谷の嵐』。
この渓谷は、大自然に広がるキャニオンではなく、今で言ったらタワマンが林立する一帯のように、文化的に発展した都市のことを表し、その平和が脅かされる、と解説されています(松村潔先生の『サビアン占星術』より)。
安泰な瞬間を満喫したあとの、変化を知らせる風雨。やっと築いた砂の城も、潮が満ちれば脆くも波にさらわれる。自然の理はあまねく平等にはたらいています。
「みんな、、、いろいろあるよね。うん、、、いろいろある。」
嵐が洗っていったあとには、あらたななにかが芽生えてくる。
もう一度、設計図を引こう。やっぱり、あの材料を手に入れることにしよう、あの人にチカラを借りれるなら、ここは折れよう、などなど。どんなことも受けて立つぞ、という姿勢。ピンチはもしかしたら脱出のチャンスかもしれません。
9月のはじめに冥王星が山羊座に逆行して、今は水瓶座へ折り返しのラストラン。矯め(溜め)のチカラが極まってはいないだろうか? 同時に、今回の新月図では10天体のうち5天体が水・土サインの最終度数まぎわを抑えながらおうちのカタチのアスペクト(ホームベース)を結んでいることからも、なんらか完成やアガリにリーチがかかっている様子。9月20日前後生まれのかた、あるいは乙女座の最後のほうに、ご自身に関連する天体や感受点があるかたは、トリガーを引く、アンカーを走る、といった流れにあるかもしれません。
太陽と月の度数は蠍座10度、サビアンシンボルは
『昔の仲間を結びつける夕食会』。
「や、、、それはちょっと、、、」という飲み下しにくいものを、みんながちょっとずつ受け容れ、包みこんで超えてゆく。行く先は輝いています。たどりつくための地道さもあります。それは、パッとつかめるものではなかっただろうな、と、あとから見たひとにはわかるようなものです。
まわりとの理想的な関係をあらためて求め、その場にふさわしい状態へと自らを磨いてゆく。
知性をあらわす水星は蠍座29度。
火星と冥王星から何万ボルト???ってくらいのエネルギーを充填されています。「雷に油を差したような(☆註)」キレッキレの状態とはこのことかと。
なにに幕引きするのか、いかにして情に折り合いをつけるのか…などなど。難局にあっても、明晰な見極めと折衷案をはじき出してくれそうな水星。じきに射手座に移りますし、中和しつつ迷いは断ってゆくのでしょう。
(☆註)ロバート・A・ウェストール『ブラッカムの爆撃機』にて、主人公が、ある仲間の利発さをこのように評した。金原瑞人さんの訳。
図解きはこんな感じです。
冒頭にも書きましたように、全体的に「一山超えて、その先で」という“はるばる感”があるので、正念場にあたってゆくシーンが増えるのかも、と自分に言い聞かせています。けれども、なんかワカリマセンが、少なくとも悲壮一辺倒には見えないんですよね。耳を澄ませて、しかるべき連携を意識してゆけたら、とおもっています。
行楽&文化祭シーズンです、そちらも楽しんでまいりましょうね。
オマケのカードリーディングはつぎの投稿で。よろしければ合わせてお楽しみください。
タイトルにした写真は、先月宿泊した富山市内のお宿『山キ』さんの玄関天井に吊られた提灯。
こちらの古民家は、元々は薬売りの成田ファミリーのお住まい。提灯にプリントされているのは成田家の家紋『星と錨(いかり)』。ご先祖は北前船で北海道と交易していたというエピソードとともに、目に焼き付いて離れません。
この紋を見ていると、かれこれ一年以上、魚座に在泊している土星と海王星が思われて、ロマンは果てしなく広がります(モノゴトを定めようとする土星、海王星は海や薬、広がり、という意味があります)。
土星が順行するころには、富山旅の記録としての文章を書くのを目標に。
星の一葉 ⁂ ほしのひとは