東京オリンピックは新型コロナとともに
2021年7月。
(この熱っぽさとだるさは…イヤな予感しかしない。)
息子は39℃の高熱で、前日の検査結果は陽性と知らされた。
その後濃厚接触者として検査を受けたあたりでは、私も38℃の発熱。そして翌日陽性と判明。わたしも息子もワクチン未接種での感染・発症です。
このとき、ワクチンは高齢者から順に接種が行われ、60代の夫が一回目を接種していました。夫の濃厚接触者としてのPCR検査結果は陰性でした。
幸い、咳はそれほどではなかったけれど、頭痛や不眠、だるさでふらふらする中…
わたしは洗濯と炊事をしていました。
わたしは洗濯と炊事をしていました。
今だったらやってない。具合悪くて寝てたいんだったら寝ます。
元気な家族がいるのに病人が寝てられないって、どう考えてもおかしい。
なのに当時の私は理不尽さを強く感じながらも、行動を変えられなかった。
三日ほどして宿泊療養先のホテルに入ったとき、「ようやく療養できる」とホッとしたことを覚えています。暑い中、防護服に身を包んで対応してくださったスタッフの皆さんには今でも感謝しています。
折しも東京オリンピックが開幕、開会式はホテルのテレビでちらっと見ただけ。この頃には熱は無いものの、目も鼻もヒリヒリして下痢もあって、身体の粘膜全部やられた感じになっていました。座っているのがしんどいし、元々苦手だったテレビや動画はさらに苦手に。
療養が始まって、期間満了すればすぐに帰れるかと思ったけれど一向に良くなりません。だるくて起き上がる気になれず、お腹の具合も悪くて、どんどん痩せていきました。
病院ではないので、食事は無症状者と同じお弁当です。食べないと元気にならないと思って食べても、調子は戻りません。整腸剤が出ましたが、飲まないよりはマシといった程度でした。
法定隔離期間より滞在を少し延ばしてもらいました。しかし持ってきた衣類もなくなってきて、食事もきつかったので結局一週間ほどで退所。
帰るなり夫に言われた言葉は
「風呂の残り湯あるから洗濯すれば?」
行動を変えられないわたしはふらふらの中、洗濯しました。
だって明日着るものがないから。
家族が見ているテレビのオリンピック中継は、どこか遠い国の話のようでした。
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