新ブラホワの結果についての一考察
ネタバレに考慮したタイトルにしようと思ったら固くなってしまった。
この記事は「アイドリッシュセブン」メインストーリー6章の展開に大きく言及する「ネタバレ」記事です。
ストーリー既読の方、あるいはネタバレを一切気にしない方向けです。自己責任にてお願いします。
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さて。
まあ、アイナナが勝ちましたね。
そりゃそうだ。
「アイドリッシュセブン」という名前のゲームの最終話(ストーリーは続きますが、一区切りと言われていますのでこの表現をとっています)でアイドリッシュセブンが負けて終わるわけがない。読めていた展開です。
でも、新ブラホワさあ……!
全員良かったじゃん……!
リヴァーレの曲めっちゃ好きだし!
ズールの舞台演出凝ってて良かったし!
トリガーのパフォーマンスにみとれたし!
なにより、ステージにかける各々の想い、すごかったじゃん……!
気持ちの強さは関係ないって太刀川さんも言ってたけども!もう全員勝ちでよくない!?と思わされるライブだった。
いや、本当に全員勝ちでよくない!?
なんでアイナナが優勝なの!?
主人公だから!?
これは不満でもなんでもなく、純粋な疑問でした。
なにが、彼らのパフォーマンスに甲乙をつけたのか。
それについて、ちょっとした「気付き」があったので、ここにしたためておこうと思います。
いや、私の回りにアイナナ話せる人がそんなにいないだけで、もしかしたら巷では70000000回言われてることなのかもしれない。そしたらサッと流してください。
今回の新ブラホワについて、彼らの純粋なパフォーマンスクオリティの差は、読者の我々からは推し量ることができません。だって、MVという映像作品を見たところで、どれも製作班渾身の出来だし。
そこで、物語作品で勝敗を描写するとき、どこで差異(勝敗の根拠)をつけるものなのかを考えてみました。
たとえば、想いのかけ方です。
さっき気持ちの強さは関係ないと書きましたが、フィクション描写においてはそうではないこともあります。最後のひとおしとして、想いの強い方が踏ん張りがきいたり、ゾーンにはいったりして、競り勝つやつ。バトルものでよく見ます。
でも、これではない。先述のように、アイナナだけが何かを背負っているわけではなく、七瀬陸のモンスターの表現のような特別に覚醒する描写もありませんでした。
ならば、周囲の反応はどうか。アイドル含め、芸術バトルだとこれが多い気がします。つまり、観客のリアクションに差異をつけることで、「見た目じゃわからないかもしれなけど、こっちのパフォーマンスの訴求力はすごいんだぞ」アピールをするやつです。でも、今回の4ユニット、どこのファンも熱くて盛り上がりまくってました。差異なんて……
……
いや待てよ。
ありました。
明確に、アイナナだけ、描写が違うところが。
どちらも一曲目と二曲目の曲間の観客の反応です。
トリガー含め負けた3ユニットの曲間、観客はファンとしての感想を話しているだけです。曲の思い出とか、アイドルへの想いとか。熱狂の描写です。
けれどアイナナだけは違います。
「ステージのプラネタリウムが青空から夜空に変わってく……!」
これは、ステージ演出の描写台詞です。
アイナナだけ、パフォーマンス開始時と各楽曲 の曲間すべてに、空の演出について観客のコメントが入っています。
他3ユニットは最後の新曲披露の時だけ、衣装やステージについて観客がコメントしていますが、それ以外は皆無です。
これです。
この描写の差異が勝敗の差異の説明(根拠)である可能性が高い。だって他に差なんてなかったもん!
つまり、世界観を意識した全曲通しての舞台演出ーーアイナナしかやっていなかったことがパフォーマンスを後押しし、彼らを優勝させたのではないか、と思うわけです。
そして、これを考えたのは誰か。
話し合いの描写の時点で、メンバーから近いアイデアは出ていましたが、それをまとめあげ昇華したのは言うまでもありません。
小鳥遊紡です。
彼女のプロデュースした舞台演出が、観客の心に残り、アイナナのパフォーマンスを他と差別化し、接戦の戦いから優勝に導いたーーそう考えると物語として妥当性がめちゃめちゃ高いです。
アイナナが新ブラホワで勝てたのは小鳥遊紡がいたから。
構図が美しすぎ。これがいい(願望)
細かい話をすると、日頃からこういう凝った演出を心がけていたから、アイドル同士の話し合いの時点で良いアイデアが出てきていたのかもしれません。
ちなみに、本当はもう一個差異があって、それはセトリです。3ユニットが新曲をラストにしていたのに対し、アイナナはラストをモンジェネにしています。これも、構成演出能力の差異の描写ーーなのかもしれませんが、正直それが妙手なのかは一概には言えないのでわかりません。よって判断保留。
ということで。
アイナナの新ブラホワ優勝は、マネージャー・小鳥遊紡が一緒に作り上げた舞台演出の力を受けてのものであり、4ユニットの力が拮抗してるからこそ、この演出の違いがアイナナを頭ひとつ抜けさせたのではないか。そして、それを意図してテキストに差異をつけたのではなかろうか、という、オタクの考察でした。
改めて、アイドリッシュセブンさん、第6章完結お疲れさまでした。これからも楽しませていただきます。とりあえず、ズール単独当たりますように!
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