謙遜しない絵本作家。
ぼくは基本的に「講演会」のおご依頼は断らせて頂いています。
まぁ自分で言うのもなんですが、結構おもしろい人生を送っているので(笑) ちょくちょくお話は頂きます。
絵本作家でぼく以上におもしろい活動や生き方をしているひとがいないので(少なからずぼく自身はそう思っています)、絵本作家としての生き方みたいな話をして欲しいなんて依頼も頂いたりします。
基本的にはお断りをしているのですが、お断りしない場合もあります。それにはいくつか自分の中でのルールがあるのですが…それは教えません。
それに、講演会なんかしなくても人前でおしゃべりをする機会は自分で多くつくってきているので
「ぼくの話を聞きたいならぼくのイベントへ来てよ!」
というのが本音です。
まぁどんなことをしゃべっているのかというと、いつも好き勝手なことをおしゃべりしています。ときに生意気に。ときに偉そうに。そして常に自信過剰に。本当に好き勝手なことをしゃべっています。
生意気で、偉そうで、自信過剰に思われてもすべて嘘はありません。すべて自分の本当の気持ち。
ぼくは絵本に「嘘」をつくことと、「謙遜」することをやめました。
そりゃそもそも嘘をつくことはいけないことですが、ぼくからすれば謙遜も嘘をつくくらい失礼な事だと考えています。
謙遜ていうのは自分の能力や価値を低く評価すること。これってほとんど嘘をついていることと同じだと思いませんか?
ぼくの中では嘘と謙遜はイコールに近い。
あるテレビ番組での女優さんと司会者の会話。
「〇〇さんはいつ見てもおキレイですよね」
「そんなことないですよ」
「美容に気をつけていることはあるんですか?」
「いえいえ、特になんにもしていませんよ」
…これ、めちゃめちゃ無意味な会話ですよね。
だったら
「〇〇さんいつ見てもおキレイですよね」
「ありがとうございます!」
「美容に気を付けていることはあるんですか?」
「毎日いろいろ一生懸命頑張っているんですよ!」
この方が良くなぃ?
だって毎日一生懸命頑張ってるんだもん。だから自分でも綺麗だって思ってるんだもん。そういう人の方がぼくは魅力的に感じる。
謙遜は相手にも、そしてなにより自分自身に嘘をつく行為。
だからぼくは絵本作家として「嘘」と「謙遜」をするこををやめました。
そう強く思わせてくれるのは、いつも子ども達の存在です。
ぼくには可愛い娘がいます。子育て施設やいろんな会場で毎日のように出会うたくさんの子ども達がいます。
子どもは常に「正直」で、子どもは常に「正しい」。嘘や謙遜なんて知らなぃ。存在すら知らなぃ。
そんな子ども達にくらべれば大人は「嘘の塊」。ぼくも偉そうなことを言っていても嘘をつくことはある。謙遜してしまうこともやっぱりある。それは大人だから。言い訳したくはないけれど、やっぱり大人だから。
そういう時に物凄く恥ずかしくなる。子ども達に対して物凄く恥ずかしくなる。
子ども達と長い時間かかわっているのだから、絵本作家としては嘘をつくのをやめよう。自分の書く絵本には謙遜するのをやめよう。そう、決めました。
「この絵本すごくおもしろいですね」
「そうでしょ!おもしろいんですよ!」
「どんな絵本作家になりたいんですか?」
「絶対に日本一の絵本作家になります!ぼくがならないで誰がなるんだと思っています!」
ぼくは絵本作家としてこれからも生きていきます。嘘をつかない、謙遜もしない絵本作家として。