筆で絵を書く絵本作家。
以前もおしゃべりしましたが、ぼくは絵本作家としてだけではなく落語家 絵書家筆之輔としても活動しています。
絵書家筆之輔と書いて「えかきやふでのすけ」と申します。
落語を演っているときは本名ではなく芸名を使っています。
どうして芸名を絵書家筆之輔としたか?
それはごくごく簡単です。
ぼくは絵本作家です 。
筆で絵を書いている。
だから絵書家筆之輔。
そのまんまです。
なんの捻りもありません。
でも気に入っています。
ぼくは絵を「かく」事を「書く」と表現します。
「描く」ではなく「書く」です。
日本語の使い方としては間違っているのでしょう。
しかし、ぼくは絵を書くと表現したいのです。
どうしてか?
それはぼくが絵を書くうえで「墨」の存在を大切にしているから。
ぼくの絵はよく「ハッキリした色使いですね」とか、「カラフルな色使いですね」とか言われます。
これは意識している部分でもあります。毎回、出来る限りの色を使うようにしています。その方が楽しいし、面白いから。
そして最後に筆で黒い「墨」を入れをします。そうする事で「絵本作家 保科琢音の絵」が完成します。
ぼくは絵の具の「黒」を使いませんん。
ぼくの中での黒は「墨の黒」なんです。
どうして墨を使うようになったのか?あまりハッキリとした理由は覚えてません。
でも昔から絵の具の黒よりも、墨の黒の方がなんか落ち着くんですね。
絵を書いた事がある人は解るかもしれませんが、墨を最後のシメに使うのはかなり勇気のいる方法です。
だって、失敗すればせっかくのカラフルな色が全て墨で消されてしまいますから。
でも、ぼくはあえてその方法を使っています。だって落ち着くんだもん。
という事で、ぼくは絵をかく事を「書く」と表現するのです。「描く」ではなく、「書く」と。
と、まぁいろいろとしゃべりましたが…
そもそも「描く」って字面があんまり好きじゃないんですねー。個人的にカッコよくないんですよねー。だってなんか「猫」みたいなカタチでしょ描くって。だったら「筆」に似た字面の書くの方が断然カッコいい!
といった感じで、絵本作家なので字をカタチとしてとらえる癖があるんです。
作家なので文章としての正しさも勿論、意識はします。けれど、それ以上に文字のカタチ、絵の中における「字面」を大切にしているんですね。
ぼくは、作家である以上に「絵本作家」なので。
そんな訳でこれからも絵本作家 保科琢音は絵を、絵本を、紙芝居を、たくさん書いていきます!