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今日の大好きが明日も必ず側にあるとは限らない

大好きだったブランドが一つ、なくなってしまいました。

一つといっても。
わたしにとっては幾多あるうちの一つではなく、唯一と言っても過言じゃない。
何年も何年もわたしの大量のワードローブのほとんどを支え続けてくれた。
大好きだったというより最早愛憎入り乱れるくらいの、単なる衣服の意味を通り越して、そのブランドの服を見に纏うことは自分にとって信念や哲学に近かった。

こんにちわ、わたしです。
格好が頭おかしそうですか?
そうですか。
でも、これがわたしなので。

今は外してしまったけれど、ずっとインスタの紹介文にも着道楽と入れていた。
道楽って字面可愛いけど文字通り身代を持ち崩しかねない道だからね、それを着るものに於いてる人間が注ぎ込んでいたブランドなわけだから、そりゃ愛も憎も入るよ。

身に付ける名刺、鎧、アイデンティティ。
なんでもいいけど。

でも、それはなくなってしまった。

いっときは働いてさえいた、というより辞めてからも通い続けてしまったが正解、普通以上に公も私もそれ全部で、そこでできた友達は今でも大好きだし定期的に会いたいし、大変なこともたくさんあったけど楽しいこともいっぱいで、今でこそポトレ雑誌載せてもらってるけど多分一番最初に全国紙載ったのはそのブランドスタッフとしてだった。

正直、空虚の横にはほっとした、もある。
語弊感満載だけど。
ずっと「時限爆弾と恋人をいっぺんに手に入れた気分」で過ごしていたから。例のやつだ。

全部欲しい、全部可愛い。
でも全部は手に入らない。

可愛いは麻薬。
可愛いを手に入れ続けるには無理をしなきゃならない。

だから(多分この御時世の煽りをくらってしまったんじゃないかと邪推して)、と知った時。

あぁこれでずっと片思いのような苦しい気持ちはなくなるんだ、と少しだけ思ってしまった。

でもそれは失恋だから、だから

もうすぐ近いうち、あのファンシーなうさぎが飛び回ってたりライオンが滝吐いてたりするイラストや、頭おかしい量のビーズでできた繊細な刺繍や、猫の形をしたレースでできたお洋服が、永遠に新しく手に入らなくなる日がやってくる。

今までありがとう、フランシュリッペ。

恋い焦がれる苦しみも、手に入れて袖を通すときの高揚感も忘れません。
自分の人生で恐らく一番似合ったであろう時期に、可愛いを具現化した服を着まくれてよかった。
頭おかしかった時期のわたし、今となってはグッジョブだよ。

たかが服、されど服。

棺桶に入りきれないくらいの量だから、これからも大切に着ていくね。

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