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明治時代の建物を手に入れた。その珍事件。
築200年とおじいちゃんは言っていたらしく、伯母は築150年ぐらいと言っている、いわゆる古民家を「本日」引き受けた。正式には私の名義ではなく息子名義になりました。
大学生の彼にとって、公的手続きのためにハンコを押す機会は希である。私は何日も前から「ハンコ忘れないでよ!」をしつこいくらいにリマインドをしておいた。
いよいよハンコを押す際に、彼は、ゴゾゴゾとカバンを探りペンケースから取り出したのはシャチハタ!!それも訂正印サイズ!
おーーーーーい!!
司法書士さん、現名義人、司法書士さんのアシスタント含め、戸惑いを隠しきれないやさしーい微笑みを彼に向けた。
司法書士さんの冷静な
「それじゃだめだな。。。」
そりゃそうだ。
そんなに一般常識がない息子を育ててしまったのか私は?!と自分を瞬間的に責めました。しかし、そんな息子の母を伊達に20年以上やっている私ではない。そんな事もあろうかとちゃんと別のハンコを準備しておりましたよ。最悪の事を想定して準備を怠らないビジネスウーマンの底力を見よ!
「だからぁーあれほどハンコを用意するように、な ん ど も言ったでしょう!なんで確認して来ないかなぁ?!ちゃんとしたハンコは高校卒業のときにもらったでしょう?!それはどうした?なんでシャチハタ?」息子のプライドを地の底におとしめるコトバを人がいようがいまいが、浴びせかけながらハンコを取り出しました。
場は凍らず和みました。よかったです。手続きは無事終わりました。築200年とも150年とも言われる建物は20年そこそこしか生きていない彼に、無事?に引き継がれました。
母は、この先がとても とても とても とても 心配です。
息子の名誉のためにちょっとだけフォローすると、シャチハタではダメである事はちゃんと認識はしていたようです。指差し確認せよ!です。
建物のまわりには6000㎡ほどの農地がありプラム畑が広がっています。まだ硬い蕾ですが、春が近づいている事がわかります。家の入り口にある大きな白モクレンがほころび始めていました。水道管が凍らなくなってきました。春がやってきています。いい季節になってきます。これからしばらくは片付けが大仕事となります。
この後の経過はこのnoteで記録しつつ、いろんな方の知恵を取り入れて「古き家」が「新しい場」になればよいなぁと思っています。