命日の朝焼け
おかあさん。
呼んでも返事が返ってこなくなって
11年経ちました。
まさかあの日がお別れになるとは
思わなかったものだから、
大丈夫だよ。すぐ良くなるから…
なんて空虚な励ましを呟いたわたし。
運命には逆らえない。
そうおかあさんは言っていた。
なんで?逆らっていこうよ!
見えない誰かに、
おかあさんを持っていかれるなんて
耐えられない。
でも、恐れていたことが起こった。
おかあさんがいなくなってから、
頭がおかしくなるくらい忙しくて、
あらゆることが上手にできず、
家の中は戦場みたいだった。
その時期も越えて、今は穏やかに過ごす。
おかあさん、わたしは元気です。
まだそっちには行けないよ。
やらなくてはいけないことが
山積みされているから。
命日の朝焼けが目に沁みる。
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