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リリースって大切だよね(修正ver.)
※本作は4月18日に投稿したあまりにもひどい内容を再編集したものです。
noteにやり直しがきくけど、人生にはやり直しがきかないんだぞとマーモットです。
リリース時に指がどのような形であればボールに強い力を加えられるのか。そこを焦点にしてお話したいと思います。「指先で波を作り出す」とか意味分からんことは言い出さないのでご安心ください。
冒頭にありましたように、過去に投稿したものを編集・追加しております。ご了承ください。
では、今回もよろしくお願いします。
1.時代とともに変わるリリース
まずは以下の二枚の画像①②をご覧ください。
見ていただきたいポイントは指の使い方なのですが、どちらの方がボールに力は加わるでしょうか。
①
![](https://assets.st-note.com/img/1713417619693-yOWqAvhBqK.png)
②
![](https://assets.st-note.com/img/1713417625607-7gbuj0WeBg.png)
↓答えは下
正解は①です。
①はリリース時に指が屈曲しているため、ボールにより強いトルクを加えることができるとされています。
従来、②は綺麗なバックスピンがかかる正しいリリースとされていました。しかし、昨今では「撫でるようなリリース」として②はボールに力が加わらないとされています。
さらに、②のようなリリースをしようとすると、いわゆる「肘抜き」のような投げ方になってしまう傾向も見られます(下図参照)。
![](https://assets.st-note.com/img/1734732580-AJkizHYQWdL7KPSVvEs8UOx0.png?width=1200)
雑記:肘抜きだから②のようなリリースになるのか、②のようなリリースだから肘抜きになるのかは分かりません。卵が先か鶏が先かみたいな感じですね。
お前がそう思っとるんだけやろと言われそうなので、一応プロの写真を持ってきてみました。プロ野球選手もリリース時は指が屈曲している選手が多いようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1713417670072-cWJMr4I1rP.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1734738833-1oG0Agi673TQbdOXq9Ya2RWe.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1734738869-sS80PN1rGfpRgWjAUC7HOvlZ.png?width=1200)
2.たまには筋肉の話をしよう
(そういやトレーナーの資格持ってたわ)
なぜリリース時に指が屈曲していると良いのでしょうか?その理由として重要になるのが、深指屈筋という筋肉です。この筋肉は前腕から指先にかけて繋がっており、ボールに力を加える際に大きな役割を果たします。
![](https://assets.st-note.com/img/1713417705069-ZtyKcKs9zV.png)
深指屈筋は指を屈曲させる(=曲げる)筋肉なのですが、これは手指の第一関節(=遠位指節間、分かりにくいので以降「第一関節」)を屈曲させる働きを持っています。そのため深指屈筋が働くことで、ボールが手から離れる最後の瞬間まで力を加えることができるということになります。
例えば以下の研究では、深指屈筋はリリースにおいて最も重要な筋肉であるとしています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe/52/1/52_1/_pdf
![](https://assets.st-note.com/img/1713417729185-AXdNMOxVrJ.png?width=1200)
冒頭にあった②のようなリリースになってしまうと、深指屈筋だけでなく、浅指屈筋(PIP関節・第二関節に働く筋肉)も十分に使えなくなり、最後までボールに力を加えることができなくなってしまいます。
深指屈筋と浅指屈筋についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ。画像もここから引用しました。
3.じゃあどうすればいいのさ
で、この深指屈筋を効果的に使えるようになるためには、まずは適切なリリースの形を覚えましょうということになります。
最初は投げにくいと思いますが、根気強くリリース練習をしてください。その時にイメージしてほしいのはフック船長です。
![](https://assets.st-note.com/img/1713417792164-7z0P6SAXVj.png)
余談:
ピーターパン「フック船長の左手を切り落としてワニに食わせるで。」
こっちのほうが危険だろ。
なぜフック船長なのか。
前章で深指屈筋の話をしましたが、深指屈筋を効かせるためには第一関節を屈曲させた状態であることが必要です。ですので、フック船長のように、常に指を曲げたイメージを持っておきましょう(こいつ指ないけど)。
子どもはフック船長の方がイメージしやすいようです。
ただ、大人相手に「フック船長!」はダサいので「第一関節を曲げておく」とか「第一関節を常にボールに触れさせておく」とか別の表現がいいかも。
指の形がイメージできたら、次は「ボールの中身(コルク)に強い力を加える」というイメージを持ちましょう。以下の画像の赤丸の中です。
![](https://assets.st-note.com/img/1713423404956-OnxjtlvL4L.png)
実際にボールに触れているのは表面(皮革)のところですが、ここに力を加えようとすると、表面を撫でるようなリリースになってしまいます。ですので、ボールの表面ではなく中身(コルク)に力を加えるようにしましょう。
例えば、下のような道具を使って見てもいいと思います。
これを使うときは、先ほどお話ししたように、表面を撫でてボールを回転させるのではなく、第一関節を曲げた状態でボールの中心に力を入れるようにしましょう。
イメージが付いて、キャッチボールも少しできるようになってきたら、次はトレーニングをしてみましょう。
大切なのはピンチという動作のトレーニングです。握力は、ピンチ・クラッシュ・ホールドの3つで構成されています。それぞれ簡潔に説明を。
ピンチ…指先でつまむ力
クラッシュ…手全体で握る力(握力テストはこれ)
ホールド…掴んだ状態を維持する力
前腕(深指屈筋&浅指屈筋)のトレーニングをして、より強いピンチを手に入れましょう。ピンチが大きければ大きいほど、ボールに加えられる力が大きくなるので、ぜひともトレーニングをして鍛えてください。
鍛え方はネットで探せばいくらでも出てきます。というか、前腕の筋力なんてたかが知れているので、水の入ったペットボトルのような1㎏程度のもので十分です。僕が幼い頃は湯船の中でバシャバシャやっていましたよ。
時間がある人はボルダリングとか一回トライされてはいかがでしょうか。僕なんか次の日に手首が筋肉痛でボロボロになりましたからね。野球以外のスポーツで鍛えるのって大事。
4.注意とか雑談とかまとめとか
ここまで読んでいただいてアレですが、ピンチや深指屈筋が最強になれば最高のリリースが手に入るわけではありません。
リリースとは、身体が作った力を損なわずに、より強くボールに伝えるためのフェーズ・技術です。そのため、身体全体の筋力や柔軟性、瞬発力などの方が優先度は高くなります。しかし、それらが生み出した力を最後にロスなく伝達する技術はやはり重要です。リリース、ちゃんと練習しましょう。
というわけで、今回はリリースについてのお話でした。投手に限らず、野手でも必須のスキルとなりますので、ぜひ練習してみてください。
雑談:DriveLineが注視しているリリースの回内(Pronation)・回外(Supination)・中間(Middle)タイプというものがあります。
As a refresher, I bin pitchers based on whether they are naturally a:
— Chris Langin (@LanginTots13) February 25, 2022
• Pronator (greater than or = 95% spin eff. on FF)
• Supinator (less than or = 85% spin eff. on FF)
• Middle (85-94% spin eff. on FF)
A look at what these fastballs would look like out of the hand👇 pic.twitter.com/iC2dt2YAYF
一般的に、回内タイプは回転効率が95%に迫ることが多く、縦変化の球種を投げやすいとされるています。一方、回外タイプは回転効率が90%を下回ることが多く、横変化の球種を投げやすいとされています。近年流行りの「スイーパー」は回外タイプの方が投げやすいとも言われていますね。
「回転効率なんて測る機会がないよ…」という方は、自分が投げる変化球が縦変化か横変化か、どちらに曲げやすいかを試してみれば、何となく見えてくるのではないでしょうか。
このタイプは良し悪しの話ではなく、自分が投げやすいリリースの形を知るためのものなので、自分のタイプを理解したうえでどのようにリリース局面を迎えるかを決めてください。その中で、本記事の情報が参考の一助になればと思います。
※ただ回転効率が悪すぎるのは問題な模様。詳しくはこちらの記事を見てね。
では、今回もありがとうございました。