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そもそも加速度ってなんじゃ(ブラストモーション)

就活に気持ちが加速しないマーモットです。


今回はBlastMotionの測定項目である「身体の回転によるバットの加速度(初動)」って何だろうという話と、それを爆上げする練習を探そうという試みです。
「身体の回転によるバットの加速度(初動)」だと長いんで、これからは「加速度」と略します。この名前のダルさは普及させる気ないやろ。英語だと「Rotational Acceleration」です。カッコいいね。


では、今回もよろしくお願いします。



1.加速度って何ぞや

上記の記事がすごく分かりやすいですが、その中でも特に大切なところを抜粋しました。DeepL君、いつもありがとう。

【Blastの記事より】

スイング開始時にどれだけ素早くバットを加速できたかを計測します。これは手打ちになっているか、あるいは上半身と下半身の適切な連動によってスイングできているかを評価する指標です。素早い回転ほど大きなパワーを生み出し、最後まで球を見極めることができる可能性があります

DeepLで和訳

【Drivelineの記事】

>ブラストモーションは以前から、「回転加速度の高い打者は、スイング中に高度な運動パターンと適切なセグメントのシーケンスを示す」という理論を立ててきました。理論上、これは理にかなっています。適切なシーケンスにより、より多くのエネルギーが運動連鎖を通じてバットに伝達され、スイングの早い段階で速度が速まるからです。体の大きな部分を効率的に使用することで、手でバットを回転させるのではなく、バットを回転/スイングプレーンにスリングショットすることができます。

DeepLで和訳

>Driveline では、10g 未満を低回転加速度、10.01g から 14.99g を中回転加速度、15g 以上を高回転加速度とみなしています。ここでは、プレーレベル別の回転加速度やその他の指標の平均値を確認できます。
Blast によると、MLB の平均は 17g です。

DeepLで(略)

うん、分からん。


そんな方のために、分かりやすい例を見つけました。


そうです、マリオカートです。厳密に言うとゲーム内にあるカスタムの「かそく」という項目です。

マリオカートの「かそく」とは、「(カートの)最高速度に達するまでの早さ(距離)」というものです。
例えば、そのカートの持ちスピードが100km/hだった場合、50m走れば100km/hに乗れるのか、それとも100m走らないと100km/hに乗れないのかという違いがあげられます。
ここまで来れば皆様お分かりの通り、「かそく」とは「持ちスピードに乗れるまでの距離(効率性)」ということになります。

この際に気を付けたいのが「スピード≠加速(度)」ということです。
スピード=速度
加速(度)=効率性
ここには明確な違いがありますのでご注意ください。

このマリオカートの「かそく」と、BlastMotionの加速度とが全く同じという訳ではありませんが、車をバットに置き換えたら「加速度」というものが何となくイメージしやすいのではないでしょうか?

雑記:僕が加速度の概念を説明されて一番しっくり来たのはこのネタでした。ですが、今の中高生にこれを話すと「???」みたいな顔されるときがあります。これがジェネレーションギャップというやつですね。だから小学生に教えるときは絶対使わない、おっさんって言われちゃう。



2.どうやって生み出されてるの??

加速度というものは(何となく)分かった、じゃあ加速度はどういうメカニズムで生み出されているんだ?というのが次です。

先ほどのDrivelineの記事から引用しましょう。

>ブラストモーションは以前から、「回転加速度の高い打者は、スイング中に高度な運動パターンと適切なセグメントのシーケンスを示す」という理論を立ててきました。理論上、これは理にかなっています。適切なシーケンスにより、より多くのエネルギーが運動連鎖を通じてバットに伝達され、スイングの早い段階で速度が速まるからです。体の大きな部分を効率的に使用することで、手でバットを回転させるのではなく、バットを回転/スイングプレーンにスリングショットすることができます。

DeepLで和訳

なるほど加速度を上げるには、全身を効率的に使って、バットに大きな力を加えることが大切なんだそうです。

>シーケンス パーセンテージとは、打者が正しい 1、2、3、4 のシーケンス (骨盤、体幹、リード アーム、手) を維持しているスイングのパーセンテージを指します。

(もう言わんでええやろ)

そして、「身体を効率的に使う」ためには出力をする順序が大きく関わっていると言えそうです。
出力の正しい順序は「骨盤→体幹→リードアーム(腕)→手」らしいので、世間一般的に良くないと言われる「金属打ち/手打ち」と呼ばれるものは、この順序が不適切に行われていると考えてよさそうです。


うーん文章だけだと何となく分かりにくいなあ。
ですが、さすがは天下のDriveline。分かりやすく図表まで入れてくれています。
早速見てみましょう。

お客様の中にバイメカの関係者はいませんか??


うん、分からん。(n回目)

いやでもこれ分からんでもいいと思う、マジで。
むしろ簡単に「正しい順序(骨盤→体幹→腕→手)でスイング動作をすることが大事なんだ!」って考えたほうが分かりやすいと思います。


雑記:「バットの加速度を生み出すためには重力(加速度)をうまく使うことが重要」という内容を見かけるときがありますが、あれ「バットが下に落ちているから(重力が優位に働いているように)見える」だけで、バットの加速にはさほど貢献していないと思います。
もちろん0ではないと思いますが、それより全身の連動と出力する順序の方が加速度を生むには大切なんじゃないかな。

追記


余談:それじゃ納得いかんという人へ

※興味ない人は第3章まで飛ばしてください。
先ほどの図表を理解するには2つの内容をとらえる必要があるようです。

①Both players create good bat speed, as Player One’s average was 72.3 mph, and Player Two’s average was 71 mph. You can see that Player Two’s torso reaches peak speed third, instead of second. If we take a closer look, we see more than just the lead arm going early/before the torso.
>選手1の平均は72.3マイル、選手2の平均は71マイルで、両選手とも良いバットスピードを生み出している。選手2の体幹がピークスピードに達するのが2番目ではなく3番目であることがわかる。さらに詳しく見てみると、リードアームが胴体よりも早く、あるいは前に出ているだけではありません。

選手1(加速度が良い方)
選手2(加速度が悪い方)

ここで先ほどのを再引用します。
>選手2の体幹がピークスピードに達するのが2番目ではなく3番目
なるほど、確かに最大速度(山が一番高いところ)を見ると、選手1は体幹(緑線)が2番目なのに対して、選手2は体幹より先に腕(青線)の方が少し早いために3番目になっていることが分かりますね。

そしてもう1つ。

②The red line is the pelvis, green is the torso, blue is the lead arm, and brown is the hand/bat. Ideally, they accelerate in that order from left to right along the timeline. We can see here that the hand, pelvis, and lead arm accelerate before the torso, causing the push.
>赤い線が骨盤、緑が体幹、青がリードする腕、茶色が手・バット。時間軸に沿って左から右の順に加速していくのが理想的だ。ここでは、手、骨盤、リードアームが胴体よりも先に加速し、プッシュを引き起こしていることがわかる。

選手1(加速度が良い方)
選手2(加速度が悪い方)

今度はそれぞれの線が上昇し始めたタイミングを見ればいいわけですね。
選手1は骨盤(赤線)→体幹(緑線)→腕(青線)&手(茶線)で上昇が始まっていますが、選手2は骨盤→手→腕→体幹の順番で上昇しています。骨盤の次に始動するのは体幹であるはずなのに、選手2は体幹より腕や手の方が先に始動してしまっているのですね。
このパターンだと順番が逆転してしまうため、力が充分に伝わっていない(=加速度が悪い)ということになってしまうのです。


実はこれに似たような研究がゴルフであります。

https://www.researchgate.net/publication/252236426_Comparison_of_Kinematic_Sequence_Parameters_between_Amateur_and_Professional_Golfers

> It was also found that the peaking order of the body segment speeds, determined from the mean timing variables, was pelvis, thorax, then arm; whereas for the amateurs it was pelvis, arm, then thorax.
→また、体節速度のピーク順序は、平均タイミング変数は骨盤、胸部、次に腕。一方、アマチュアの場合は骨盤、腕、胸部の順でした。
※体節速度…体の各部分(体節)が移動または回転する速さのこと

ゴルフと野球、まんま一緒やんけ!もちろん多少の変数はあると思いますが、何かをスイングするときのキネマティックシーケンスは両者ほぼ共通するということと、「下半身から上半身へ」という紀元前から使い古された格言は間違っていなかったということが、この研究から分かります。

もっと専門的で分かりやすい説明が欲しいならバイメカの人に聞いてください。齧歯類にはこれが限界。



3.加速度が高いと良いことがあるの?

これは最初に上げた記事たちを読めば理解できると思います。
でも、それじゃあサイトをあっちこっち見ないと分かりにくいですからね、ここで簡単にまとめたいと思います。


というわけで、教えてChatGPT先生!(丸投げ)

プロンプト:BlastMotionの加速度が高いとどんないいことがある?

ChatGPT:
BlastMotionの加速度(Rotational Acceleration)が高いことは、スイングの効率性やパフォーマンスにおいて多くの利点をもたらします。この指標が高いということは、スイングの初期段階でバットを素早く動かし始められることを意味します。

BlastMotionの加速度が高いことの利点

1. スイングの効率性が向上

  • バットが短時間で最大速度に達するため、スイング全体がスムーズになります。

  • 力のロスが少なく、体全体から伝えられるパワーをバットに効率的に伝えられるようになります。


2. タイミングの調整がしやすい

  • スイングの準備が速いほど、投球を見る時間を長く確保できます。

  • 相手ピッチャーの速球や変化球に対して柔軟に対応できるようになり、ミート率の向上が期待できます。


3. スイングのパワーが向上

  • 初期加速が速いと、バットスピードも全体的に高くなる傾向があります。

  • バットスピードの向上は、打球速度(Exit Velocity)を高め、より遠くまで打球を飛ばせる可能性を高めます。


4. 遅れの補正が可能

  • ボールへの反応が遅れても、加速が高い選手はスイングを間に合わせやすいです。

  • スイングの開始からインパクトまでの時間が短くなるため、ピッチャーのタイミングを崩しやすくなります。


5. フォームの安定性を示す指標

  • 高い加速度は、体の各部位が適切なシーケンスで連動して動いている証拠です。

  • 骨盤、胴体、腕、バットが理想的な順序で力を伝えられるフォームが形成されている可能性が高いと考えられます。

だって。
これを1から10まで鵜呑みにすることも無いと思いますが、「加速度が高いと良い打球が飛ばせるようになるんだあ!」みたいな認識でいいと思います。

雑記:「投球を見る時間を長く確保できます。」とありますが、これコンマ何秒長く見れるようになるんだって感じですよ。「加速度を上げたら劇的に長くボールを見れるようになったぞ!」とはならんと思っています。人間が知覚できるほどの時間の違いが生まれるのかって言われたらそりゃ無理じゃないかスかね。

ただ、現状の加速度に対する期待値というのは、「加速度高いやつって潜在能力高いんじゃね?だってほら身体の使い方めっちゃ良いし」ぐらいの認識じゃないかなと思っています。僕の勘違いで、既に加速度と打球結果との因果関係が証明されていたら申し訳ないんですけど。



4.まとめ

もちろん、僕も加速度について完全に理解した状態ではありません。

ほぼこれ

困ったらBlastのTwitterアカウントに質問をぶん投げるときもありますし、指導生の加速度が上がらなくてタブレットと頭を抱えている時もしばしばです。
まあまだ勉強中だしね。これからも精進する所存です。

でもこの人ぐらい加速度について理解できるようになって、めっちゃいいnote書きたいなあ。

次回は加速度を上げるためにはどうすればいいんだ&どんな練習をすればいいんだみたいなことに突っ込んでいきたいと思います。


今回のnoteで加速度に対する理解の助けになれば幸いです。
では今回はここまで。ありがとうございました。







































ネタバレ:加速度上げたいならスイングスピード上げるといいらしいよ。
トレーニングしろ!!

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