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加速度を上げたくて夜も寝られない!

毎晩の晩酌で気持ち良く布団に入っているマーモットです。


今回のnoteは前回の続きになります。

前回は加速度ってなに?のお話で、今回は加速度ってどうなったら上がるの?です。
ちょっと今回は体感ベースの話が多いかも。

では今回もよろしくお願いします。




1.加速度を爆上げするのに必要な要素

結論、加速度を上げたいならバットスピードが重要です。

バットスピードと加速度には、概ね比例関係があると考えられます。
体感的には、Drivelineが設定している中加速度(10G以上)を出すには、バットスピードが100km/h程度は必要だと感じています。もちろん、100km/hに満たなくても高い加速度を出せる選手もいますが、それは例外的なケースです。
私が関わる選手たち(中学生から社会人まで幅広いカテゴリ)を見ても、「バットスピードは遅いけれど加速度は高い」という例はほとんど見られません。やはり、最大スピードが高くないと、十分に加速させることは難しいのでしょう。

ここで一つ気を付けたいのは、「バットスピードが速い=加速度が高い」とはならないことです。
簡単にまとめると以下の通りです。

〇バットスピードも速いし、加速後も高い
〇バットスピードは速いが、加速度は高くない
〇バットスピードも速くないし、加速度も高くない
△バットスピードは速くないが、加速度は高い

〇はありえる、△は可能性は低いorほぼ無い

バットスピードが速くても加速度が低いことは十分にあり得ます。実際に僕が見ている選手でも「バットスピードは速いんだけど、加速度が低くてお話にならねえ…」となる選手は結構いたりします。これもジャンル関係なくです。
フィジカルが強くて、力でバットをぶん回す選手はその傾向にありますね。そういう打ち方って巷では「金属打ち」とかって呼ばれてる印象もあります。

雑記:ですので、バットスピードと加速度って強い相関が出ないんですよね。バットスピードが速くても加速度が低いパターンが存在できてしまうので、キレイな右肩上がりの分布になれないです。

話は変わりますが、前回の記事でかなり引用したこのDrivelineの記事。

>Here are two pro players, one with high rotational acceleration and one with low.
ここに 2 人のプロ選手がいます。1 人は回転加速度が高く、もう 1 人は回転加速度が低いです。

そうなんです、加速度が低いと比較されたこの選手も実はプロ野球選手だったのです。
加速度は低くても優秀な選手となることはできるので、加速度が絶対条件であるということは言えなさそうですね。バットスピードは絶対条件だろうけども。

雑記:バットスピードと加速度の関係を研究した人とかいないかなあ。特にモーキャプとか付けて研究したようなやつ。今のところ僕の身の回りの事例や推測で結論を出すしかないから断言するにはまだ早いと思うんですよね。
もちろんDrivelineの記事でも充分なんでしょうが、もうちょっとサンプル数が欲しいなと思ったり思わなかったりラジバンタリ。
まあBlastMotionの加速度が国内で注目されたのも最近ですし、これからミズノとか研究室とかがやってくれますかね。そろそろ鯖にも追加情報ありそうだし。

言い訳せんと自分でやれ定期



2.適切なシーケンスを身に着けるために

そんなことは置いておいて、「バットスピードを速くするほかに加速度を上げる必要は無いのか」と思いますよね。

前回の記事でお話ししましたが、スイング動作における適切な出力のシーケンスは骨盤→体幹→腕→手でした。
ここで狂いがちになるのは腕の順序です。先ほどの記事の選手のように、加速度が出ない選手は体幹よりも先に腕が動き出したり、ピークスピードにしたりしてしまいます。
このことはゴルフの研究でも言及されていました。前回の記事にも乗せたけど再引用↓

https://www.researchgate.net/publication/252236426_Comparison_of_Kinematic_Sequence_Parameters_between_Amateur_and_Professional_Golfers

> It was also found that the peaking order of the body segment speeds, determined from the mean timing variables, was pelvis, thorax, then arm; whereas for the amateurs it was pelvis, arm, then thorax.
→また、体節速度のピーク順序は、平均タイミング変数は骨盤、胸部、次に腕。一方、アマチュアの場合は骨盤、腕、胸部の順でした。

つまり、体幹部が骨盤の次に動き出す&ピークスピードに達するようになれば(広義的な)バイメカとしては適切ということになります。
たぶん、これを習得するための練習方法はSNSとか探せば無限に出てくるんじゃないですかね(それらの投稿にここまでの前提があるかは別として)。
ポイントになるのは腹斜筋とか胸郭あたりかなあ。その辺りの筋肉を振り出しの初期に使おうみたいな練習があったら、加速度を上げる練習に近いものがあるのではないかとは思いますね。


ここでちょっと寄り道

これ言いたいことは分かるんですけど、この表現がそのまま指導現場で使われるべきではないと思います。
※この方と僕の考える「バットを加速させる」の意味が異なっていたらすみません。
ずっとお話しているように、バットを加速させるためには、身体全体の力を効率的に伝えることが重要な要素になるということでした。そこに「上から叩く動作が強く速いこと」の必要性は見られません。つまり、「バットを加速させるために上から叩く」という動作や意識は必要ないわけです。
しかも、「叩く」という言葉の意味は「手や棒などで打つこと」ですよね。この「叩く」という動作を意識してしまうと、腕を振って対象に力を加える動きが強調されてしまい、結果として腕が優位に働いてしまう原因になります。そうなると、キネティックシーケンスが崩れてしまいますから、加速度を生む際には「叩く」という表現は避けた方が良さそうです。
ですが、僕が心から尊敬する、人間性にあふれた素晴らしい方が、「重力加速度を使って、上からバットヘッドを落としていくのが速い」とご高説を賜っていたので、もしかするとこちらの方が正しいのかもしれません。これ全然皮肉じゃないですからね。このnote見てTwitterでお気持ち表明するとかやめてよ?


僕がシーケンスの改善に向けて推奨する練習方法の一つは、プロベロシティーバットを活用することです。
練習方法はタンパベイ・ドリルというどこぞの球団の名前をもじったドリルなのですが、実際に見てもらった方が早いでしょう。

これ買わなあかんやんけ!→そうです
まあこのバットが無くても、普通のバットで似たようなことを意識して振ればいいんじゃないですかね。
ただ、これ結構身体に負荷がかかるトレーニングなので、ストレッチや体幹部のトレーニングは欠かさずに。腰椎分離とかヘルニア持ちの人、腹斜筋の肉離れとかの症状を持っている人は、必ず専門家と相談のうえで取り組みましょう。加速度なんかより健康の方が100倍大事。



3.フィジカルから逃げるな

ここまでの総括としては、
・バットスピードが出ないことには加速度は出ない
・ただし「バットスピードが速い=加速度が高い」は成り立たない
・体幹をどう出力するかにフォーカスした練習をすると良い
ということです。

結局バットスピードなんですね。
バットスピード上げないとですよね?
バットスピードが速い人はどんな人ですか?

そうです、フィジカルが優秀な人たちです。
つまり優秀なフィジカルが無ければバットスピードは出ないということです。

嘘だと思う?
じゃあ除脂肪体重や骨格筋量や下肢パワーとバットスピードの相関を研究した論文でも探してみな?それこそ掃いて捨てるほどいっぱいあるよ?
それでもフィジカルやらないの?????

フィジカルから逃げるな!身体を鍛えろ!
バットを持つよりバーを持て!!

フィジカルisジャスティス、フィジカルこそ正義
やはりフィジカル……!!フィジカルは全てを解決する……!!




正気に戻りますが、下肢パワーは特に鍛えた方が良さそうですね。
何かこんなTweetもあったし。

このパワーというものはスクワットやデッドリフトなどの筋力系だけでなく、メディシンのバックスローや三段跳びの跳躍力などの瞬発系も入ってくるのではないでしょうか。
筋力と瞬発、両方で高みを目指しましょう。


では今回もありがとうございました。













余談:オタク草野球、3打数無安打でした。通算5打数無安打1四球とかいうゴミカスみたいな成績で泣けてくるんよ、楽しかったけど。

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