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【12/10頃発売】馳月基矢さん作「輪島屋おなつの潮の香こんだて」で監修をつとめました

告知です!

12/10頃、徳間文庫さまより発売の馳月基矢さん作「深川ふるさと料理帖一 輪島屋おなつの潮の香こんだて」におきまして、能登の方言および石川県の歴史事項の監修をつとめさせていただきました。


馳月基矢さんは、長崎県五島列島ご出身の、新進気鋭の若手時代小説家さんです。今回、監修としてタッグを組ませていただき、送り出す本書は、江戸時代を舞台として、輪島出身のおなつが江戸に出て、料理屋「輪島屋」で働きながらがんばるストーリーです!

刊行にあたりまして、編乃肌先生、紅玉いづき先生、天花寺さやか先生より、推薦文も賜りました。

おなつと同じく輪島出身の私も、本書の刊行を心待ちにしておりました。さて、ではどうしてこの物語が生まれたのか?順を追ってご紹介させてください。

ことの発端は、馳月さんから今年の1月6日に、Xでリプライをいただいたことから始まりました。

続いて、1月23日に私が加賀と能登の伝統食について、参考文献をとりそろえ、馳月さんに「書誌情報を送ります!」と伝えた段階で、このようなお話が始まりました。

馳月さん「まだ具体化していない企画ではあるんですが、時代小説で『全国の郷土料理を食べさせる江戸の料理屋の話』でシリーズ化を考えていて、それで最近、あちこちの郷土料理について詳しく調べようとしていました。能登・加賀の北前船のことなどを調べていくと、情報量的に企画実現化が叶うのではないかと思い始めて……企画書作りはもう少し先になりますが、今後もご相談いただけたら嬉しいです」

上田「あちこちの郷土料理を食べさせる江戸の料理屋、面白そうでぜひ読んでみたいです!馳月さんにご協力することで、私自身、地元の歴史について深められそうです。ぜひぜひできそうなことがあれば、お声がけください!」

と、話は進み、馳月さんが3月末に「いま、企画書を見ていただいています。そして、GW前半に、金沢まで取材旅行に行きたいです!」とおっしゃいました。そして4月頭――「企画書が徳間文庫さんで通りました!」と連絡がありました。

ここで改めまして。「輪島屋おなつの潮の香こんだて」「深川ふるさと料理帖一(いち)」となっており、この先も美味しい郷土料理のシリーズは展開されていくわけなのですね。みなさま、ご承知おきください!

そして、GW前半に馳月さんが金沢の上田宅へ遊びにきてくださいました!その晩は、私の両親にも協力してもらって、能登や加賀の郷土料理をテーブルいっぱいふるまわせてもらいました。

馳月さんは「輪島のごはんは五島育ちの舌に合う」と、Xでつぶやいてくださって、嬉しかったです!

翌日は、長町武家屋敷跡の野村家に行ったり、玉川近世資料館で調べものをしたり。GW、私は仕事の繁忙期で、滞在されたメイン3日間とも半日ずつしかおつきあいできずでしたが、馳月さん3日目は加賀市の北前船の里資料館にまでおひとりで足を延ばされ、最後に駅で石川県の郷土料理の店に入ってたくさんお話をして別れました。いろいろ面白いお話がたくさん聞けて、とてもいい時間でした。

さて、ここから馳月さんの執筆も佳境となり、初稿をいただいたのは6月初旬のこと。そこから、スケジュールのすり合わせのために、徳間書店の編集者の方と三人で会議をし、〆切などを決めていきました。

私も、近世資料館、玉川図書館の参考資料室、石川県立図書館の郷土資料コーナーへ通う日々。仕事の合間を縫って、輪島市史、金沢市史、近世資料などにあたりました。輪島市史はいちど読まねば、と思っていたので、良い機会ができて嬉しかったです。

前置きが長くなってしまいました…

輪島屋おなつのおはなしの紹介にまいりましょう!

版元ドットコムからあらすじを引きますと…

「拙者、妹がおりまして」で人気沸騰の著者、新シリーズ開幕!

弱った時にはふるさとの味が一番。
お江戸の郷土料理小説、第一弾。

日ノ本各地の郷土料理を味わうことができる「ふるさと横丁」。
地方から江戸に出てきた人々が故郷の味を懐かしんで訪れる通りだ。

輪島出身のおなつは、ふるさと横丁にある「輪島屋」で働きながら許嫁である丹十郎の帰りを待っていた。

命懸けの任務が無事に終わるよう祈りながら作るのは、潮の香りが漂う卯の花ずしや茄子と素麺の煮物。

お腹も心も満たされる、ふるさとの味をめしあがれ。

第一話 いわしの卯の花ずし
第二話 えびすと金時草
第三話 なすと素麺の煮物
第四話 押しずし


この作品は能登半島地震で被災した石川県を応援しています。

――Xでも、ちょっと触れましたが、みなさん、あらすじを読んで気づいたでしょうか。

これねえ…正直びっくりしたのですよね。というか私間抜けにも、企画書を一度目に読ませていただいたとき、気づいていなくて!二度目に目をとおしたとき「おなつ…丹十郎…??? えっ!?(絶句)」ってなりました。

馳月さん、本当にありがとうございます!!!すごく嬉しく驚かせてもらえました。でも本編を読めばわかるとおり、主要キャラ三名がそのままなわけではありませんので!ななかまどから独立している作品である「輪島屋おなつ」を、みなさまお楽しみ下さいね。

そして「この作品は能登半島地震で被災した石川県を応援しています」との文言が、あらすじ末尾にありますが、馳月さんはおなつについてご自身の印税を石川県に御寄附される予定だそうです。


本当に、心から御礼申し上げます。輪島に生まれた者にとっては、つらいことばかりが多い今年でしたが、それでも馳月さんにご協力できて、本書を今年最後に送り出すことができて感無量です。

というわけで、12/10徳間文庫より「輪島屋おなつの潮の香こんだて」は刊行されます!美味しい郷土料理あり、切ない三角関係あり、加賀と能登の文化もたくさん織り込んで、全国の本屋さんに並びます。

みなさま、ぜひお手に取っていただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします!

※徳間文庫さまのホームページに作品情報が出次第、こちらにも掲載いたします。

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上田聡子
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