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ハウス・シッターの思い出。信用は1日にしてならず。
友達の家のパーティーに呼ばれて行ったら庭にバウンシー・キャッスルがあったことがありますか?
私はあります😂
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これ↑はニュージーランドでの出来事なんですが、彼の地に暮らしていると「住宅事情が日本とは違うなあ」と感じることがたくさんあって、その中のひとつがハウス・シッターでした。
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ハウス・シッターは日本ではあまり馴染みがない習慣ですが、その存在自体は海外ドラマや映画を通じて知られているのではないかと思います。
長期の旅行などで家(日本人の感覚からすると、もれなく豪邸)を空ける時に、友人知人に、宿泊込みで留守番をしてもらうというもの。
これがNZでもよくある習慣のようで、生活範囲も交際範囲も極めて狭い私でさえ、Kiwi友人一家から頼まれて3泊4日でやったことがあるのです。
私(とオットとムスメ)がハウス・シッターを頼まれたのは、年末年始。年越しを挟んでのことでした。
当時、友人宅では高齢(20歳)の猫を飼っていたので、ハウス・シッターというよりキャット・シッターがメインだったとも言えます。
猫ちゃんは高齢で目も耳も遠く、寂しがり屋だったので、インドア派(ずっと家にいる派)の私とムスメは願ったり叶ったりのシッターだったのです。
実際、私とムスメはまる4日間、友人宅(の敷地)から一歩も外に出ませんでした。(これには理由があるのですが……後述します。)
あ、オットは友人宅から仕事に行っていたので、猫ちゃん的にポイント低し。(オットだけ膝にのって貰えませんでした。)
友人宅には裏庭にジャグジーとプールがあって、リビングには大きなテレビとNetflix、ボタン1つでリクライニングする革張りの椅子。
息子君(ムスメの親友)のゲームコンソールは選び放題。
キッチンも大きくて、冷蔵庫とパントリーの中のものは好きに食べてねと言われていました。
それはまるでリゾートのコンドミニアムのような快適ライフ。
そんな環境で、わざわざ出かける必要があるでしょうか。いや、ない。
……っていうか、私もムスメもできるだけ出かけたくなかったんですよねえ。
なぜなら友人宅には本気のセキュリティ・システムがあったから。
家の中の人が外に出たくないセキュリティ・システムってなんやねん?とお思いかもしれません。
友人宅のセキュリティ・システムは、解除したりセットしたりする切り替えにコツがある上に、時間制限があって、まごついてタイムオーバーしてしまうと警備会社からコールが来てしまうのです。
その時に淀みなく事情を説明して身の潔白を証明できるだけの英語力が私にあればいいのですが……
ない!ない!ない!ない!警備会社の人が駆けつけてくる未来しか見えない!
…というわけで、私とムスメはこのシステムをなるべく切り替えずに済むように、友人宅の敷地から一歩も外に出なかったというわけなのです。
でも、前述したように快適な環境だったのでノープロブレム。
のんびり(ダラダラ)出来ました。
あの時はハウス・シッターとキャット・シッターという(私たち一家にとって)貴重な体験が出来て楽しかったなぁ。
でも、それ以上に、Kiwi友人に「信用できる人にしか頼みたくないから」と言って貰えたことが嬉しかったものです。
ニュージーランドの人たちはフレンドリーで親切な人が多いですが、(Kiwi友人M曰く)フレンドリーはフレンドとは違うし、親切はペイフォーワード、一期一会の相手にも出来るのです。
でも、信用は、どんな国であっても、日々の関係の中でコツコツと積み重ねることでしか築けないんですよね。
優しさや誠実さは、時に損をする(というか、させられる)こともありますが、長い目で見ると、信用という得難い財産を築く唯一の道ではないかと思います。
これからも誠実であることを心がけて、努力したいものです。