見出し画像

真夏のクリスマスも良いものです


スーパーマーケットには謎の商品が潜んでいる。
……という話もいつか書きたい。


そもそもクリスマスの立ち位置が日本と違うんですよ。

Kiwi(ニュージーランド人の自称&愛称)に日本のクリスマスの過ごし方について聞かれたので「恋人たちがスペシャルなデートをする日だ」と答えたら、それはバレンタインデーでは?と不思議がられました。

(バレンタインデーの立ち位置も日本とは異なるのですが、これはまた別の機会に書きます。たぶん。)

さらに「子どもができたらママ友と子どもたちでクリスマスパーティーをやる。パパは仕事」と言うと、彼女の不思議そうな顔が困惑の表情に変わったのでした。海外のお寿司を見たときに、日本人もこんな表情をしてるんだろうなあ。

ニュージーランドの国民食?
コストコで人気らしいですねCookie Time


クリスマスは家族と親族が集まって過ごすもの。

それがニュージーランドでのクリスマスの立ち位置のようです。

ニュージーランドのクリスマスは日本人にとってのお正月に近いかも。(個人の感想です。)

親族全員に用意するプレゼントはお歳暮やお年玉みたいなものだと考えると、12月のショッピングモールの混雑も、巨大なトローリー(ショッピングカート)いっぱいのプレゼントも納得できます。買い忘れるわけにはいかない。

親族や社員へのプレゼントの定番、巨大なハムはお歳暮っぽいなあと。これをクリスマスから年末年始にかけて食べるのだけど、だんだん飽きてくるのはおせち料理に似ている。雑誌や新聞に残ったハムの消費レシピが登場するし、子ども達は「ノーモアハム!」と言い出します。

Kiwi友人R曰く「あの時期のカオスなモールにショッピングに行く時は、入り口の手前で深呼吸して『I can do it. I can do it.』と自己暗示をかけるのがコツ」らしい。

また、Kiwi友人Mによれば「12月上旬にリストを持って買い出しに来ている人は計画性がある人。そうじゃない人は23日や24日に半狂乱で買い物してるわよ」

なにしろ25日にはスーパーもショッピングモールも閉まるもんで。(ニュージーランド最大の都市の話です。)

ちなみに電車も止まります。(一応、代替バスが出ます。ニュージーランド最大の都市ですから。)

12月25日にオープンしているのはMaccas(マクドナルドの略称)とかファーストフードチェーンくらいなのでは?

そういえばKiwiにもインド出身の人にも「KFCもやってるから安心して」と言われたのでした。
うちは食べないよ。

じゃあ、ニュージーランドの人がクリスマスに食べるものの定番は何かと言うとバービー(BBQ)でしょうか。なにしろ夏なので。いや、彼ら年中バービーしてるわ。

他には、このあたり。

Kiwi友人ドナの家のクリスマスパーティーに呼ばれた時は、七面鳥のローストがメインディッシュでした。

ドナから目の前の御馳走が近所のファーマーに害鳥扱いされている野良の七面鳥だと聞かされて、郊外とはいえ国の最大都市にワイルドターキーがいるなんてニュージーランドは自然が近いなあと驚いたものでした。

クリスマスツリー屋さん。
ニュージーランドのクリスマスツリーはもみの木ではなくて、パインツリーをもみの木っぽく剪定したものらしい。

11月も後半になると、クリスマスツリー屋さんで買ったツリーを車の屋根の上にくくりつけて走っている車を見かけるようになります。同じやり方でベッドマットを運んでいる車も見かけますが、あれ、合法なの?冷蔵庫を運んでいた人が警察に捕まった話はNZヘラルド(新聞)で読みました。さすがに。

そうそう、PTAが学校のホールの前でツリーを販売することもあるんですよね。(ムスメの学校は予約制だった。)

クリスマスプレゼントの定番のひとつがチョコレートなので「この時期は致死量以上のチョコレートを貰うわよ」というKiwiジョークを聞かされます。イースターもね。

PTAが学内でツリーを売るのは諸々の資金調達のため。同じ目的で、学校のホールやジムでクリスマスディスコなどのイベントもやります。
子どものパーティー専門のDJが来てプレイする、なかなか本格的なディスコで、小学生のうちからこのリア充ぶりなら、そりゃあ高校生にもなれば映画で観たような卒業パーティーもやるよねぇと感心しながら見ていました。

クリスマスツリーは12月26日になっても1月になっても飾りっぱなしです。別にめんどくさくて放置しているわけではなくて、クリスマスシーズンが終わるのが1月6日の東方三博士の日なんで。
我が家もニュージーランドに住んでいた頃は1月6日まで飾っていましたが(片付けるのがめんどくさいから)、帰国後は仕方なく26日に片付けています。お正月のプレッシャーが大きい国だからねえ、日本。

中学生になるとクラス単位で
シークレットサンタをやる先生もいます。

ニュージーランドでは12月25日のクリスマスだけでなく26日のボクシングデーも祝日なんですが、ボクシングデーって何?って思いますよね。かつて26日がクリスマスプレゼントのBoxを開ける日だったのが由来らしい。そのせいなのか今は大セールの日となっております。

時期を同じくして、Trade Meというヤフオク的なサイトではunwanted Christmas presentsのコーナーが登場します。香水とか化粧品とか。クリスマスプレゼントに限らず贈り物は難しいという現実が、そこにはある……。

ニュージーランドらしいツリー

ムスメに「クリスマスと言えば何を連想する?」と尋ねると
夏休み
ビーチ
バーベキュー
パブロヴァ
ポフツカワ という返事が返ってきます。The夏!連想ゲームだったら絶対勝てない。南の島と聞いたら「寒い」って答えるよ、あの子。

ちなみにポフツカワというのは別名ニュージーランドクリスマスツリーと呼ばれる植物なんです。その名の通り緑の葉っぱにブラシ状の赤い花が咲きます。写真を探したのですが一枚も撮ってなかった!木登りしやすい木なのでムスメが頻繁に登っていたんですけどね。

……とまあ、ニュージーランドのクリスマスは夏なので、野外のイベントも多くて開放的。

残念なのは、夏時間ゆえに21時でもまだまだ明るくて、イルミネーションはいまひとつなこと。ドイツ人ママが「あれはやはり冬の冴えた空気の中じゃないと……」と嘆いていました。

でも、ひたすら暖かくて(日本人的には全然暑くない)、陽気なクリスマスもいいものです。今はひたすら懐かしいニュージーランドのクリスマス!

いいなと思ったら応援しよう!