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年に4日だけしか花火が買えない国

もちろん、私が話題にするからには、ニュージーランドのことである。

ニュージーランドは火薬に関するルールがとても厳しい。

たとえば、子どものスポーツ関係のイベントのスタートの合図はカチンコ。

映画の撮影で鳴らす、あれです。

そして、一般の人(個人)が花火を買えるのは、一年のうちでガイ・フォークスというイベント当日を含む4日間だけ。

しかも、18歳以上しか買えない。

花火が好きな人はこの間に一年分を購入しているらしい。

なぜ推測かと言うと、私の友人知人には花火好きがいなかったから。

むしろ花火とガイ・フォークス・デイの騒ぎに眉を顰めるタイプの方が多いエリアに住んでいた。

なので、ガイ・フォークス当日も、まあまあ……しず
……かではなかった。

なぜって、うちのすぐ近所にMt.Edenという観光スポットにもなっている休火山があって、そこで馬鹿騒ぎ花火をするためにエリアの外からも人が集まっていたからだ。

どれだけの騒ぎだったかと言うと、無茶しすぎてボヤ騒ぎに発展するくらい。

んでもって、ついにガイ・フォークスの日のMt.Edenのsummit(山頂)への立ち入りが禁止になるくらい。

……と言えばご想像いただけるだろうか。

あそこはマオリの人達の聖地だし、山火事は怖いので、禁止されなくてもやめれ。

Mt.Edenのsummit
休火山の火口
昔はこの中にも入ることが出来たので
「上から下まで転がって遊んだ」という
ご近所ママもいた。いや、聖地……。

引っ越した当時(2014年)は、ガイ・フォークスについてまったく知らなかった我が家。

イギリスの児童文学やアガサ・クリスティの作品でチラッと読んだことがある程度……。

なので、11月になった途端、街にポツポツと厳重なコンテナ・ハウスが出現して「あれはなんだ?」と驚いた。

何かの臨時販売店らしいと分かったが、まさか花火のためだけの店だとは……。

正体を知るまで何かの違法販売か?シンジゲートのアジトか?と疑ったけれど、むしろ合法。

ガイ・フォークスが近づいてくると近所の人には「耳栓、用意した?」と冗談混じりで脅かされたりもした。

「え?そんなに?」とおののいたが、確かに当日の夜は耳栓が欲しい賑やかさだった。

なにしろ家の周囲360度ぐるりから打ち上げ花火が上がる音がする。

それも何時間も。

さすがにうるさいんじゃーーー。

あの頃、おとなりさんには生後2ヶ月の赤ちゃんと気の弱い大型犬がいたので、夜の騒音は気の毒すぎた。

あの頃というのは2014年。私達はMt.Albertエリアに住んでいた。

翌年引っ越したMt.Edenエリアに比べると、週末やクリスマスや年越しも騒ぐ人が多かったので、いわんやガイ・フォークス・ナイト……というところだろうか。

Mt.Albertは当時のガイドブックやWebサイトによると、まだらに治安が悪い場所があると書かれていて、実際、私が知っているだけでも4件、殺人事件があった。

なかでも2022年に起きた事件は、ムスメの通っていた高校のすぐそばの道で、19時前に起きたので、さすがにショックだった。

まあ、まだらに物騒な地区があるのは何処も一緒かもしれない。

特にコロナ禍以降の治安の悪化は、オークランドに住む友人たちも嘆いているところなので。(最近もムスメの通った学校の卒業生が銃で撃たれた事件があった。)

ガイ・フォークスの花火についてはもろもろの問題点を真面目に受け止めて、花火の販売をやめた大手スーパーもある。

もしかしたら、これからはだんだん下火になっていくのかもしれない。

花火だけに……。









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