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ニュージーランドの学年末はゆるいbut忙しい


日本とははずいぶん違うニュージーランドの小学校。他にもムスメの通った小中一貫校では5年生と6年生は必ず複式学級だった。複式学級だと同級生の年子の兄姉や弟妹と同じクラスになることもあるのだが、兄弟がそれぞれ相手への文句を漏らすので、言い分の違いが分かって面白かったらしい。双方の意見を聞く機会があるのは、ひとりっ子のムスメにとって良い経験になったと思う。

ニュージーランドの学校は12月が学年末

あ、でも、高校(secondary school)は11月中に終わってしまう。

Year13(高校三年生)の最終登校日にいたっては、予定よりも前倒しになって突然終わることもある。

なぜそんなことになるかと言うと、卒業生が最終日にprank(悪ふざけ)をする伝統があるから……らしい。

よく聞くのは男子生徒が女子生徒の制服を着て登校するパターン。

しかし、近年prankの内容がエスカレートしてまあまあなトラブルになった事例もあるらしく、学校側が生徒の企みを阻止するために騙し討ちをするのだという。

まあ、学生側も負けじと前倒しでprankするのだが。

Theイタチごっこである。

ムスメの通ったsecondary schoolの生徒は去年、深夜のうちに、学校の前の道路に工事用のコーンをこれでもかっ!と並べたと聞いた。

なんという……無駄なエネルギーの使い方……余剰エネルギー!

さすが若いなあと感心するが、そのエネルギーを学校が警戒するのもまた理解できる。

とはいえ、学校側のやり方は、卒業生が友達や恩師ときちんとお別れすることが出来ないので、保護者からも批判的な意見が出ているらしい。

いろいろ事情もあると思うが、学校と生徒が話し合って、安全なprankのガイドラインを作るとか、折り合いをつけられるといいね、と思う。

小中学校の学年末はこんな感じ。

高校と違って小中学校はなんとか12月上旬〜中旬まで授業をやってくれる。

……いや、正確に言うと、12月になるとほぼ勉強はしていない

校外学習に行ったり、
校庭でピクニックしたり、
(パイレーツと手下のストーリーテラーが来る)
大きな公園にピクニックに行ったり。寝転んでいる左側の子がムスメ。この2人はセンターラインの役らしい。我が家が日本から持ち込んだサンリオのドラムラケットセットが大活躍。私が一連の写真を撮ることが出来たのは、保護者ボランティアで参加したから。校外学習や学校のイベントには保護者のボランティア募集がつきものなのだが、キャンプなど宿泊を伴う場合は、たとえ保護者であっても、police certificate (無犯罪証明書)の提出が求められる。

このように、学年末のニュージーランドの小中学生はひたすら遊んでいる(ようにしか見えない)のだが、紹介したものはどれもちゃんと計画と準備がされたイベント。そんなにゆるくない。

これ以外の日々は、各自が遊びたいカードゲームやボードゲームを持参して友達と楽しんだり、水鉄砲を持参してバトルしたり、適当に時間をつぶ……いや遊んで過ごしていた。

フリーダム!!!

なぜニュージーランドの小中学校の年度末はこんなにゆるいのか、元教師のKiwiママたち(ムスメの学校には多かった)に聞いてみた。

すると、
「学年末は先生が忙しいうえに子どもたちも疲れて集中力がないから」
という返事をもらった。

清々しいほどの諦めの境地。見習いたい。

一方、この時期のママたちは大忙しである。

子どもたちがいない間に、クリスマスショッピングやらホリデーの準備、そして、ママ友とのランチ会をこなさないといけないからだ。

ママ友のランチ?何を優雅なことを?と思われるかもしれない。

これにはもちろん理由がある。

ニュージーランドの年末年始は夏なので、学年末を終えた子ども達は1ヶ月半〜2ヶ月の夏休みに突入する。

秋と冬と春のスクールホリデー(それぞれ2週間)と違って、この期間はオークランド市内から多くの友達が消える。

普段play dateをしているお友達一家が、首都のウエリントンや南島に帰省したり、家族旅行に出かけてしまうのだ。

日本人の感覚だと、帰省も家族旅行も数日〜1週間くらいを想定するのではないかと思う。

しかしニュージーランドの場合はそれが数週間〜夏休みの間じゅうだったりするのだ。

日本人のお友達すら、一時帰国でガッツリ留守のご家庭多し。

次にママ友に会えるのは1月末か2月になってしまうなんてことも珍しくない。

そんなわけで。

ママ達は学期末にランチやお茶をして、互いの1年間の健闘を讃え、夏休みを無事乗り切れることを祈り合う。

他にも学年末にはclass rep(representative)のママ(PTA役員的な人)の呼びかけで、担任の先生へのお礼の準備がある。

たいていclass repのママからテキストメッセージが来て、そのママの口座に10ドル〜20ドル(任意)を振り込む。

Kiwiたちの銀行口座の使い方がカジュアル過ぎて、毎回ビビる私である。

そうやって用意したお礼(たいてい花束とプレゼント)は、最終登校日の午後、クラス単位の持ち寄りアフタヌーンティーで手渡されるのが定番だ。

class repのママがデザイナーだった年は、彼女の呼びかけでこんな手作りプレゼントが添えられたことも。希望する保護者にもプリントしてもらえた。名前は子どもたちの自筆。

つらつら書いてきた以外にも、学年末の小学校ではクリスマス・ディスコもあるし、中学生になるとシークレットサンタのイベントも加わる。

でも、そのへんの話はニュージーランドのクリスマスの話で書きたいと思う。










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