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マオリ語の響き懐かし羊雲


モアナのおばあちゃんの声は
マオリの女優さんが演じています。

マオリ語はニュージーランドの先住民族マオリの言語なのだけれど、ちょいちょい日本語と同じ音で意味が異なる単語があって、面白かったり、たまに紛らわしかったりする。

食べ物全般のことはKaiと言います。

他にもOnoが「6」だったり、Makoがサメだったり、Kumiが「だいたい2メートル」もしくは「huge fabulous monster」だったりする。

マオリ語には日本語のピカピカとかキラキラみたいに2回繰り返す言葉も多くて、日本人には親しみやすいと思う。
たとえば花はputiputi、本はpukapuka、泡はmirumiruなのだ。可愛い。

ニュージーランドの公用語は英語、マオリ語、手話の3つ。
ムスメの通った小中一貫校では、学年グループの名前にマオリ語が使われていたり、スクールレターの予定表の行事の名前がマオリ語だけで書いてあったので、慣れるまで戸惑うこともあった。「poroporoakiって何?」卒業式だった。

primaryのporooroakiの日のムスメ
卒業生は校長先生からマオリ伝統の
翡翠のペンダントを貰う。
あれは自分で買うより、誰かから贈ってもらう方が
御守りとしての効果が高いらしい。

ラグビーのワールドカップでオールブラックスがニュージーランド国歌を歌っているところを見たことがありますか?その際、必ず最初にマオリ語、続いて英語で歌っているので、気に留めて聞いてみてください。

このように今ではマオリ語やマオリの文化を尊重しているニュージーランドだけれど、かつては学校でマオリ語を使うと教師に叱られた時代があったらしい。その結果、マオリ語を喋れないマオリの若者が続出したのだそうだ。
そのへんの話はKiwi友人Mと観たこの映画↓で知った。

Poiというのはこのトレイラー↑の中でもマオリの人たちが歌いながらクルクル回転させている紐のついた白い玉のことで、幼稚園や学校や図書館のイベントで、作り方や使い方や歌を習う機会も多い。

私たち一家の恩人であり友人でもあるドナはマオリの血を引く女性なのだが、彼女が子どもの頃はまさに「学校でマオリ語を使うことが禁止されていた時代」だったと言う。

いつも寡黙で優しいドナの、ハードな人生前半を知ったのは、オークランドのfilm festivalで上映されたドキュメンタリー映画↑だった。マオリの人たちがまだまだ不当に扱われていた時代をドナも潜り抜けてきた。苦労を経て他者に優しくなる人と厳しくなる人がいるけれど、彼女は圧倒的に前者だった。

それにしても、マオリの人達の声の良さ、歌のうまさよ。彼らの声はただ喋っている時でさえ楽器のようだ。
『モアナ』を観ると、モアナのおばあちゃんの英語で、ニュージーランドが懐かしくなる私達一家である。

コロナ禍のオークランドの街で見かけたポスター。
Aotearoaはニュージーランド
Kia KahaはStay Strong 
でも、その下にはBe Kind NZの文字も。


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