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元小児がん患者にだって触れられたくない傷の一つや二つある

ブログのために昔のあれこれを思い起こしていると時ときおり困ったことが。

それは、まさかの

⚫︎病院の夢をみる
⚫︎傷がゾワゾワする

小2で発病してから三十数年が経ち、自分でも「そんなバカな」と思うんですが、身体が覚えてるのかなぁ。

いつもはほとんど夢もみずに寝ているので、潜在意識ってやつはすごい。

そして、傷。
いろんなものを克服してきたつもりでも、どうにもならなかったウィークポイントが4箇所も…。


⚫︎左手首…カットダウン(切開して血管を露出させ、カテーテルを挿入する方法)の痕

⚫︎足の甲…人生最大級に痛くて辛かった"リンパ管造影検査"(たぶん)の痕

⚫︎右の腰…ルンバール(髄液を採るための腰椎穿刺)の記憶 

⚫︎右の首…放射線治療の痕

……書いてるだけで力が抜けていく。
この4箇所は意識的に触れたり押さえたりすると叫びたい……いや、逃げ出したくなるんです。
横向きで寝ているときにゾワ〜ッとしてくるとか、腕時計をつけると辛いとか。
「触ってる」と意識がそこに向くとダメなんですよね。

「誰にだって触れられたくない傷の一つや二つある」

はい、本当に。

でも以前は「治療が辛く苦しかったこと」「今も何らかのかたちで影響が残ってること」などは人に言えませんでした。
いや、言いたくないし、認めたくないというのが本当かな。
小児がんだったことも聞かれない限り言わない。

大変な病気だったからこそ、家族にもたくさん心配をかけたからこそ、もう大丈夫!なんの影響もない!というところを見せたい。
助かっただけで有難いんだから、その治療の影響なんて大したことじゃない!
そう思っていました。
それは強がりでもありました。

小児がんをはじめ、病をえた人は何かしら"傷"があると思います。身体に、または心に。

でも私にとっては辛い記憶を呼び覚ますスイッチであると同時に、検査・治療に耐えた身体の証でもあるんです。

「傷を消してあげよう」と神様が言ってくれてもーーこのまま、かな。
たぶん。

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