【脳梗塞】倒れて3ヶ月、意志の疎通できない高齢の母

バタバタが続き、noteに向かう時間がなかったので、遡るカタチで記します。

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7月9日、休日出勤から戻って夕飯の支度を済ませ、夕飯出来たよ、と母を呼びに行った時は、母は脳梗塞で倒れてから6時間以上経っていた(MRIよりの主治医の推測)。
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世間が夏休みに入る前、これから夏と言う7月9日に倒れた母。
早いもので3ヶ月。朝の通勤時にコートの出番が増えました。

今からひと月ほど前に急性期の病院から今の病院に転院して、しばらくコロナ感染ルートを断つために転院後1週間ほど隔離部屋に隔離されていたはずなのに、コロナに罹患。
転院前にPCR検査受けてるし、母は自分でトイレも行けない状況なのに。。。
と言うのが前回までのあらすじ。

本人はどう感じているのか、確認しようもないんだけれど、こう言う状況なので、もう誰が移したとか責められないよなあ、と正直なところ思った。ただ、コロナが死因となると、以前ニュースになった様に、焼き場直行でもう会えなくなる。それだけは嫌だなあと思った。心臓にステント、人工弁が入り、重度の脳梗塞後遺症で経鼻栄養、左半身不髄、コミュニケーションも取れない状況だったので、コロナにならずとも、どこかで母の死を覚悟している自分がいるのだけれど、それでも死因がコロナであって欲しくない。

コロナの陽性反応が出ました、と言う病院の一報とともに、担当医師から、限定承認の薬の使用を認めて貰えるか、と言う問いかけがありました。私が口頭でYESと言えば、薬を取り寄せる手続きができ、明日到着次第、治療に入れる(=薬を飲める)とのこと。まだ、十分なデータがとれていない薬を使うと言う事は、若い人にとっては、子どもを産んだ時の子どもの奇形等を考慮する必要がある訳だけど、母の場合は既に考えられる後遺症については全部出揃っていて、薬を飲んだデメリットが思い浮かばない。説明によると、タミフルの様にウイルスの増殖を妨げるもので、罹患後すぐに飲まないと意味がないものらしい。

私は電話口でYESと即答しました。母の死因がコロナにならないこと、病院で世話をしてくださる方の負担が少しでも軽く、短くなることを願って。

私が母の病状を確認するために電話をしたのは、それから3日くらい経ってからだったと思う。母のほかにも集団感染が起こってるのかは確認していなかったけれど、たぶん、病院は緊張感でいっぱいだったろうと思う。完全な寝たきりの高齢者。日常的なこと含め、ただでさえ手がかかるのに。自分が感染するリスクを負って世話していただける。本当に現場は大変だったと思う。
未だに、母のことを考えては台所で泣きながら夕飯作ってる(もう、何も自分で食べれなくなったと思うと、いろいろな思いが一番こみ上げてくる時間)自分もいる一方で、どうしようもない無力な自分を認識していて、現場の皆さんに託すしかないのだ。祈るような気持ちで毎日を過ごした。

電話口に出てくれた看護師さんによると、薬を服用してすぐ熱が下がったらしい。そのあと一旦上がることもあったが、いまはほぼ平熱だし、呼吸もずっと自発的なもので問題ないと言う。本人とコミュニケーションとれないので、喉の痛みがあるのか、ないのかとか分からない部分もあるけれど、と説明を受けた。
心配とご迷惑をお掛けし申し訳ない、と言ってくださるが、もうこのご時世、誰にうつされたとか、仕方ないと思ってる。それより、病院に受け入れて貰えない人もいる中で、迅速に薬の処方をしてくれ、適切なケアを続けてくれた事に感謝するしかない。これで、自宅介護してた場合、自分が感染リスク背負ってどこまで世話が出来たのか、もしかしたら自宅にいれば感染もなかったかもだけど、いろいろ考えると頭が上がらない。

毎月10日締めで、請求書と、療養の様子と今後の方針が郵便で届く。
今の病院になって二度目の郵便だ。

日によって差があるものの、問いかけへの反応が減ってます。

と書いてあった。
正直、なにも分からなくなった方が母は楽だと思う。私はそう思う。反応と言ったって、目が開くのか、首を縦に振るのか、どの程度なのか文面だけでは全く分からない。その反応もどこまで反射でどこまで意識的にできているのか。

脳梗塞は3ヶ月で症状がいったん固定されると言われる。そこから神経や血管の新しいルートがリハビリでできることもある場合があるようだけど、あんまり期待しないで覚悟してくださいね、と言うメッセージに読み替えてる自分がいる。
母のように、寝たきりであっても、半年くらいはリハビリの方がついてくれてるらしい。最初、理由が分からなかったが、復活の希望の有無ではなくって、使わないと固くなる関節を少しでも動かすため。もっと言えば、世話する立場で、着替えに必要だかららしい。母にはリハビリのほか、週に一度、歯科医の口腔ケアがある。歯は1本もないんだけれど、経鼻栄養で、口から食べない分、唾液はでないし、それはそれで乾燥したり、苔のようなカスが溜まったりするらしい。
腕を動かすとか、口腔ケアとか、お風呂入れたりとか、床ずれ予防とか、痰をとってあげたりとか、家じゃ、どう頑張ったって、充分に対応しきれない。

コロナで強制入院扱いの時期がある関係で(同じ病院内の隔離部屋にいたらしい)、国費負担の手続き中で、実は新しい病院に転院してから、一度も入院費の精算が出来ていない(請求書が来ない)。

もともと母は心臓疾患の関係で、身体障害者1級扱いで、病院の費用は基本無料。食事代、オムツ代など実費分のみの請求になる。とは言え、入院前にざっくりひと月20万円未満、と言う概算の説明を受けた。

人によって考え方も違うかもしれないけれど、1日7000円で21万円/月。つきっきりとは言わないけれど24時間の見守りにケア。それだけ考えても決して高くないと思う。
おまけに、入院出来てるお陰で、私は介護離職をしないで済んでいる。自宅介護なら、入院の費用はかからないけれど、自分の収入は途絶える。仕事から離れている期間の収入だけでなく、将来の年金額、再雇用時の条件、いろいろ考えると本来はどうにかして自分が離職しなくて済む方法をどうにか考えるべき。おまけに疲弊の毎日だろう事は想像に難くない。本当に有り難いと思ってる。こう言う考え方は若い時に、産休取得しながら1子を産んだこと、第2子、第3子のときは離職して子育てに専念して、再度、派遣〜正社員と戻り、今があること、そういう経験から至った考え方。ただ、今回は有り難いことに、自分が正社員で働くこと、ひとりっ子であること、を相談員の方が察してくれて、私が相談した訳でないけれど、離職しない前提で母がずっと終末医療までを受けられる病院ばかりが選択肢にあげられていた、と後から気が付いた。3ヶ月後、また転院先を探すと言う様な事も不要だった。

ただ、上の金額は母が身体障害者1級で全額医療費無料、という前提の金額である。
これが障害者認定が下りてない場合(ふつう、脳梗塞になってから半年後の状況で障害者認定されるので、それまでは障害があっても障害者の扱いにはならないらしい)一家の稼ぎ頭が倒れ、あった収入が途絶えた場合、全額医療費無料ではない場合、どんな生活になるのか。
その時、高くない、と同じく言えるのかは分からない。

高額医療費等で自己負担は少ないから民間保険は不要とは言うけれど、オムツ代、パジャマ等のレンタル品、食事代とかは別で、全額自己負担。
私も母が医療費無料前提で考えていたので、想定外だった。脳梗塞に倒れるちょっと前に保険の更新があり(入院特約部分)、今まで更新していたのに、母がここ数年保険料を払わず私が代わりに払ってたのもあって、良いやってやめちゃったんですよね。1年でほんの数万円なのに。更新のお知らせ、今来たら、保険料、私が負担でも迷わず払うのに、タイミング悪かったよなあ。

と言う訳で、長くなったので今日はここまで。

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