変な夢シリーズ〜シャチのふりをした男〜
こんな夢をみた。
なぜか、自分はある男の動向をただ見ていた。
その男は、どうやらあと少しの命のようだった。
人が程々に集まる部屋に、薄い水色の固くて大きめの分厚いバスタオルのようなものが敷いてある。
すると、男はほとんど裸であったが、そのバスタオルに飛び込んだ。
そうかと思うと、次の瞬間、
男はバスタオルを着ぐるみのように着ており、うつ伏せの状態で手足をばたつかせた。
「シャチだ!」とっさに夢の中で私はそう思った。なぜ、こんなものがシャチなのかはわからないが。
男はプロ意識が強いようで、完全にシャチになりきっていた。
男の頭と、筋肉質の腕と足はそのバスタオルから出ていた。
気づくと、人気の多いガヤガヤとした店のようなところにいた。ひと昔前の大衆食堂のような雰囲気というか。
あと少しの命である男は、誰といる訳ではなく、
そこでも1人だった。
男はきょろきょろと周りをみていた。
誰かを探しているようには見えなかったが。
これから、どこへ行くのだろう。
男のきょろきょろと辺りを見回す顔を見ながら、私は、ああ、あと少しの命なのかと思った。
その瞬間、夢から覚めたのだった。