iTL保坂まちおこしゼミ

中央大学国際情報学部保坂俊司ゼミ。“パワースポット”をキーワードに市ヶ谷のまちおこしを中心とした研究や活動をしています。また、定期的に保坂俊司先生のご寄稿を掲載します。

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中央大学国際情報学部保坂俊司ゼミ。“パワースポット”をキーワードに市ヶ谷のまちおこしを中心とした研究や活動をしています。また、定期的に保坂俊司先生のご寄稿を掲載します。

最近の記事

インドの時代の到来と仏教 ~今だからこそ仏教と日本の関係性を考える~

台頭するインドへのエール  「今インドが熱い」これは地球温暖化による気温上昇のことではない。勿論、インドの今も昔も暑い国であるが!今回のテーマは、インドの政治的、経済的な台頭が、世界におけるインドへの注目度を上げ、世界から評価される存在に急成長、というより急復興している事実を指す。  今やインドは、その人口において数年後には中国を抜き世界一位に、更にその人口構成において健全なピラミド型を形成するために、この先数十年の健全な国力の発展が見込まれると云うことで、その将来の発展、

    • 罪としての労働と慈悲行としてのはたらく

      罪としての労働と慈悲行としてのはたらく 保坂俊司 ほさかしゅんじ(中央大学教授) ■「働き方改革」と言うけれど 「あなたは宗教を信じますか?」と問われると、多くの日本人は「信じません」「無宗教です」と否定的な答えをします。そう言っている人も、元旦から初詣に行き、お彼岸にはお墓参りをしています。それは宗教行為ではないのですかと聞くと、これは日本の伝統です、文化ですと言われます。  そもそも宗教とは何なのかということを考えないで、日本人は宗教嫌いだとか無宗教だとか言っていて

      • 宗教と文明の連続と非連続

         グローバル時代の情報と宗教    高度情報社会とともに急激に展開するグローバル化、その結果として人類は一定の価値基準の共有の必要性が、加速度的に高まっている。確かに、IT技術の発達、移動手段の進歩などにより、あらゆる方面で情報量は爆発的に増えている。今や我々は居ながらにして、世界の隅々の情報を得ることが可能である。その意味で我々は人類が嘗て体験したことのない素晴らしい生活環境の中に生きている。  しかし、その一方で、情報の氾濫は情報そのものの価値の判断を危うくする。2017

        • 憲法は、コンスチチューションか?明治初期の翻訳史概観

          はじめに  現行憲法改正議論が、政治日程の至上に乗って久しいが、今一つ議論が盛り上がらないし、それぞれの主張がかみ合わない。如何に、議論ベタの日本人、あるいは日本社会であっても、こと国家の骨組みである憲法の議論が、盛り上がらない背景には、憲法という存在が、国家の基本方針を基礎付ける存在である、という憲法の性質の他に、憲法という漢語(言葉あるいは熟語)そのもののが持つ複雑な意味背景が、一つの原因を作っているのではないか、というのが本小論の主張である。(この点は既に『国際情報学

          シク教について

          シク教研究の成果 シク教の聖地ゴールデン・テンプル(ハリ・マンディル・サヒブ)   ラシュパティ・ババンにて、第七代インド大統領ザイル・シン閣下   シク教教団総本部SGPCの総裁ロンゴランワレ師と   シク教の研究  科研研究を含む   融和・共生思想の研究  寛容思想をキーワードとして   インドと日本の宗教融和思想の研究  初期シク教グル・アマルダスの融和思想 第一部  今や余り意識されないが、20~30年ほど前までの国際社会では、米ソ冷戦構造、

          まちおこしサークルについて(スライド)

          編集者:H.M

          まちおこしサークルについて(スライド)

          まちおこしサークル設立

           本日、保坂先生とお話をする中で、まちおこしのサークルを立ち上げるということになりました。  本ゼミがあるにもかかわらず、このような決断に至った理由としては、実際にまちおこしの研究やプロジェクトを行っていくには、より多くの人の力が必要であるためです。またサークルとして活動することで、各々が学んでいる分野や好みなどを生かして、より広い観点から中央大学iTLを中心とした地域の研究及びまちおこし活動をおこなっていくことが可能になると考えています。  現在のサークルの活動計画としては

          まちおこしサークル設立

          合同発表会プレゼンテーション

           今回は12月1日に、三年が行った2021年度「国際情報演習Ⅲ」合同発表会のスライドを投稿いたします。本ゼミについてや、日本の護国思想についての発表を行いました。ぜひご覧ください。

          合同発表会プレゼンテーション

          仏教の姉妹宗教ジャイナ教の歴史と文化

           概要  ジャイナ教は、社会的、宗教的背景を仏教と共有し、またその思想も概ね仏教と共通点の多い、仏教と姉妹宗教であるが、インドを離れ世界展開した仏教とは異なり、過去2500年間インドの大地に確りと根を張り、インド社会に確たる社会的、宗教的地位を維持し続けた民族宗教である。その意味で、ジャイナ教は仏教の合わせ鏡のような存在であり、インド仏教の盛衰に関する研究においては,欠くことのできない宗教であるのみならず、その独自の思想や修行形態には、仏教が忘れ去ったウパニシャッド時代の宗

          仏教の姉妹宗教ジャイナ教の歴史と文化

          仏教について

           以下は、一般読者向けの「知識ゼロからの世界の三大宗教入門」の一部   教祖の諸相・・・仏教、キリスト教、イスラム教の一部項目  仏教編・・・・・  仏教、キリスト教、イスラム教の様な創唱宗教においては、教祖の生い立ちや生涯を知ることは、その宗教の全貌を理解するには不可欠である。  この典型的な創唱宗教で、最初の普遍宗教である仏教の開祖ゴータマ・ブッダは、ヒマラヤ山麓のシャカ族の王国の王子として生を受けた。俗名をゴータマ・シッダルタ(良き富という意味なので、日本名なら富裕的

          保坂ゼミについて

           本日行われるゼミの関係で、保坂先生より本ゼミの理念についての記事をいただきましたので投稿いたします。以前には、学生によるゼミ紹介の記事を投稿していますのでぜひ読み比べてみてください。  保坂ゼミについて  iTL(中央大学国際情報学部)は、中央大学が満を持して、東京都心に開設した新学部です。国際情報学部が目指すところは、AI技術の長足の進歩に比して、圧倒的に不足する領域であるAI法の領域の確立と普及において、日本のみならず、世界に貢献することを目的に、創設された学部です。

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却

           国家的停滞の根源を比較文明する  コロナウイルスによるパンデミック(以下コロナ禍と表記)に見舞われて一年以上が過ぎたにもかかわらず、一向に有効な政策を実行できず、混乱の中で右往左往する日本指導層の頼りなさは、一体何処に起因するのでしょうか?  この一年余の期間、コロナ禍に直面し大混乱の中でも、辛うじてその被害を最小限に食い止められていたのは、日本人が持つ誠実さと勤勉さ、健康意識の高さ、つまり道徳性によるところが大きく、政府や行政の強力なリーダシップによるものではなかったこ

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却 後編

           今回も『日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却』を投稿いたします。 前編:国家的停滞の根源を比較文明する 中編:日本経済の凋落も現状維持体質による迷走から? 後編:いわば究極の一般教養とも云うべき比較文明学 の全三編に分けて記事にいたします。本日は後編をおとどけいたします。  いわば究極の一般教養とも云うべき比較文明学  この比較文明学は、人類のあらゆる知的な営みを有機的・総合的に理解しようとする壮大なスケールの学問です。とは云っても、この学問は比較的新しい学問で

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却 後編

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却 中編

           『日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却』をお送りいたします。 前編:国家的停滞の根源を比較文明する 中編:日本経済の凋落も現状維持体質による迷走から? 後編:いわば究極の一般教養とも云うべき比較文明学 の全三編に分けて記事にいたします。本日は中編をおとどけいたします。  日本経済の凋落も現状維持体質による迷走から?  しかし、実はこのような危機、あるいは社会的激変への対応に、成功体験を棄てきれずに失敗、衰退した先例として、日本経済、特に日本経済の発展を支えてきた

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却 中編

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却 前編

           先日、保坂俊司先生からご寄稿をいただいたので投稿いたします。主題は『日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却』であり、 前編:国家的停滞の根源を比較文明する 中編:日本経済の凋落も現状維持体質による迷走から? 後編:いわば究極の一般教養とも云うべき比較文明学 の全三編に分けて記事にします。今回は前編をおとどけいたします。  国家的停滞の根源を比較文明する  コロナウイルスによるパンデミック(以下コロナ禍と表記)に見舞われて一年以上が過ぎたにもかかわらず、一向に有効な

          日本社会が抱える小田原評定体質からの脱却 前編

          築土神社についてのおはなし

           今回は、東京都千代田区九段下にある築土神社(つくどじんじゃ)について記事にしました。本神社の祭神は、主神が天津彦火邇々杵尊(あまつひこほのににぎのみこと)、相殿が平将門公と菅原道真公となっており、ご利益は創建時の祭神・平将門公に因み、武勇長久となっています。  まず、築土神社の歴史についてです。本神社は関東平定後の940年6月に、京都にさらされた平将門公の首を首桶に納め密かに持ち去り、これを武蔵国豊島郡上平河村津久戸(現・千代田区大手町周辺)の観音堂に祀って津久戸明神と称

          築土神社についてのおはなし