憲法は、コンスチチューションか?明治初期の翻訳史概観
はじめに
現行憲法改正議論が、政治日程の至上に乗って久しいが、今一つ議論が盛り上がらないし、それぞれの主張がかみ合わない。如何に、議論ベタの日本人、あるいは日本社会であっても、こと国家の骨組みである憲法の議論が、盛り上がらない背景には、憲法という存在が、国家の基本方針を基礎付ける存在である、という憲法の性質の他に、憲法という漢語(言葉あるいは熟語)そのもののが持つ複雑な意味背景が、一つの原因を作っているのではないか、というのが本小論の主張である。(この点は既に『国際情報学