エンタメ業界の生まれ変わり~成長中のエンタメ市場Bリーグ~
こんにちは!
HORSMARTの佐藤です。
初回のコロナによるニーズ変化、前回のMリーグに続いてコロナ渦で成長中したエンタメ業界、その中でもBリーグを見ていきたいと思います。
ちなみに、余談ですが先日久しぶりに会った友達と話していると初めてBリーグを観戦したとの事。これまでバスケットボールとは無縁の生活で彼女がバスケ経験者だったので誘われたという経緯らしいです。
「試合以外もめっちゃ楽しかった!」
という感想で、中でも試合前の演出が凄く、バスケのルールを知らない人でも楽しめるという事でした。
まさにBリーグが盛り上がっている理由が大きく隠れてそうだなと感じた話。一つ一つ紐解いていきたいと思います。
Bリーグ(バスケットボール)
ここ数年でBリーグの盛り上がりを目に見たり、耳に聞いたりすることが多くなったのではないでしょうか?
私もそんな一人です。
そこでBリーグがなぜ盛り上がっているのか、何が成功のポイントだったのかを私なりに纏めていきたいと思います。
Bリーグの盛り上がり
まず、Bリーグについての説明です。
Bリーグは2016年9月22日に開幕した、日本の男子プロバスケットボールリーグの通称です。
もともと日本のバスケットボールリーグは、公益財団法人日本バスケットボール協会が主催するバスケットボール日本リーグが1967年より行われていたましたが、プロリーグ化迄は進むことがありませんでした。
団体の分裂等、なんやかんやありながら2016年にBリーグとして確立されました。
盛り上がりを見る上でも、Bリーグの入場者数を確認していきます。
詳細はBリーグチェアマン島田さんのnoteでご覧いただければと思いますが
2022-23シーズンは過去最高の320万人を突破。
これまで200万人台で、コロナ渦での減少もありましたが大台を超えることとなりました。
他のスポーツと比べていきます。
まずはJリーグ(サッカー)ですが、J1の2022年実績で約438万人。
コロナ前は600万人は超えていましたので2023年度はもう少し戻るでしょう。
そしてプロ野球は、2022年実績で約2100万人。
コロナ前は約2600万人を超えることもありましたので、こちらももう少し戻ってきそうです。
野球と比較するとまだまだ壁は大きそうですが、Jリーグとはそこまで大きな差もなく、このままBリーグの入場者数が増加していけば逆転も感じさせるほどにBリーグは成長してきています。
また、売上高も300億円以下が続いた中で初の300億越えとなる約350億円を記録しています。
このようにBリーグは日本で人気のスポーツである
野球、サッカーを追従する形で進化を遂げてきています。
では、なぜここまで短期間で来場者数、収益共に
増やすことができたのでしょうか。
その要因を見ていきたいと思います。
ビッグデータの管理と活用
まず一つ目にビッグデータの収集が組織構成上出来るようにしたうえで、
そのデータを存分に活用していることです。
2つ目の要因のマーケティングへの落とし込みにも繋がる重要な部分です。
BリーグのマーケティングはB.MARKETING株式会社という独立組織が実施しています。
そして、そのB.MARKETINGにJBA(公益財団法人日本バスケットボール協会)とBリーグ(公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)のバスケットボールコンテンツ、情報等を集約しています。
Bリーグはマーケティング施策を考える上で、立ち上げ当初から顧客情報の収集に力を注いで来ました。
他のスポーツリーグやスポーツ団体を見ても、マーケティング事業が独立組織として確立しているのは少なく、各チーム内、各リーグ内、各大会内に情報の集約が制限され、情報量の不足、情報の不適切さに繋がっていることも多々見受けられます。
しかし、B.MARKETINGにビッグデータを集約し、そこでマーケティング戦略のPDCAを回していく事で、豊富な情報を集め適切に戦略を練り、一貫したマーケティング戦略を打ち出すことができます。
実際Bリーグの立ち上げ当初には観戦意欲調査を実施し、700万人もの人がバスケットボールを観戦したいというニーズが分かり、そこから戦略を考えています。
そして、ビッグデータの集約と活用から効果的なペルソナ設計、マーケティングへの落とし込みが成功していきます。
ペルソナ→マーケへの落とし込み
まず、Bリーグに見に来る人達はどのような人なのか?
そのターゲット選定を実施しました。(ペルソナ設計)
設定したペルソナ像は
ひとりよりも集団観戦を好み、オシャレで、お出掛けが好きなアクティブな人。また、情報収集の媒体はスマホや専門誌を中心とし、流行にも敏感で、自らも積極的に発信を行う。
20代女性が多くの層を占める所に固めました。
Bリーグ当初からこのペルソナ像に合わせてマーケティング施策を打っていきますが、実際は失敗に終わることも多かったとのこと。
ここでビッグデータの管理と活用が活きてきます。
その理由を分析していき、なぜ来場したのか?を突き止めていくと
結果は”誘われたから”が多数を占める形となりました。
これにより
「コアファンが気楽にチケットを同時に多く買えて、一緒に行きたい人との シェアできる」
仕組みづくりが重要だと考え、構築していきます。
まずは、マーケティング施策を検討する中で、
20代女性というペルソナ像と親和性の高い
スマホファースト
をテーマとしてコンテンツ作りをしていきました。
スポーツ4大収入減を全てスマホ内で賄えるように作成していきます。
これによりライト層へスマホ内で認知されやすく、興味を持たれ、購買までスムーズに移行できる導線づくりに成功します。
そしてコア層への紹介の発生しやすさはプラットフォーム自体のUI/UXの改善に加えて”拡散”を重視しました。
基本的な媒体は拡散力として最も優れており、若年層ユーザーも多いTwitterの活用。コアファンが「シェアしたくなる」ようなコンテンツ作り。
そして、Instagramではを意識しており、ファンを巻き込んだ「バレンタイン企画」等、Bリーグを知らない人に向けて認知を高めるために、バスケットボールと全く関係ないコンテンツも投稿しています。
こうしたSNS内での拡散力を高め、スマホファーストでLINEでもチケット購買が出来るようにしていきました。
実際、B.LEAGUE FINALでは、チケット購入数のおよそ30%がSNS経由であることがわかっています。
webやアプリの直販サイトに続き、SNSが2番目に高く、主要な販売経路のひとつになっており、SNS連動&完結型でペルソナ像にぴったりな媒体活用が成功したポイントです。
とはいえ、ライト層がファン化する為には、来て楽しかったと思ってもらえるコンテンツ作りが必要になっていきます。
そこで、Bリーグはバスケットボールのルールを知らない人でも楽しめる場を提供しています。
Bリーグは試合観戦だけではなく、“エンターテイメント“を見に行く感覚
とよく表現されますが、その通りのコンテンツが提供されています。
文字で解説するより見てもらう方が分かりやすいと思いますので
ぜひこちらはご覧ください。
光、火、音楽、デジタル等が多種多様に
熱く興奮させる仕掛けづくりとして機能しており、その場にいるだけで”楽しい!”と思えるようなコンテンツを提供しています。
また、各クラブごとに競うように演出は進化しており
飽きず、楽しめるようになっています。
こうした一つ一つの仕掛けがBリーグの成長に大きく繋がっていると感じます。
まとめ
今回はBリーグについて取り上げてみました。
冒頭に紹介した私の友達はBリーグの”紹介施策”に見事に魅了されたわけでしたね。今度は紹介側としてBリーグの良さを広げていくのでしょうか。
改めて、Bリーグの成功ポイントを纏めるとエンタメ、スポーツを盛り上げていくうえで沢山のヒントが隠れていたと思います。
ご参考になれば嬉しいです。
では、次回は公営ギャンブル(競馬、競輪、オートレース、競艇)の成長理由についても取り上げていきますのでお楽しみにお待ちください。