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#小説
MONODRAMA 5
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A:台本に、『涙がこぼれる』と書かれているシーンで、相手の台詞がまったく頭に入ってきていないのに、きちんと泣ける自分がいることに気がついて。それで何かがおかしくなっているって思ったことがあったんです。
U:ああ。
A:しかもそのシー
MONODRAMA 4
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「ウルシバラくんの目って、海みたいな色してるよね」と、かつてヒキタが言っていたことがある。
「スターはやっぱり最初から持ってるものが違うよね。外国人の血、ちょっとくらいは混じってるんじゃないのかな」
ファッション誌の表紙の中のウ
MONODRAMA 3
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殺した父親を山に埋めに行った後のウルシバラの目には、何の表情も浮かんでいない。
神様の目線が、異常なスピードで山間を抜ける車のヘッドライトを俯瞰で捉えている。
暗転。
車が街まで戻って来る頃には、夜は明けている。赤信号で
MONODRAMA 2
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部屋がある。部屋は「きちんと」散らかっている。誰かが暮らしている痕跡のようなものが、きちんとある。
「ただいま」と僕は言う。敢えて言う。誰もいるはずのない空間に向かって。
僕はコートを脱ぎ、持って帰ってきた袋の中から食材を取り
MONODRAMA 1
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そもそも芝居をするということが、自分にとってどういうことなのか、僕は未だによくわかっていない。別にプロの俳優なわけでもないから、そんなに深く考える必要のあることではないのかもしれない。
でもやっぱり、何かを演じるということがどう