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近江商人の「三方良し」は、世界経済において見直されるべき商人の理念

近江商人の「三方(さんぽう)良し」という言葉があるそうで、商人の理念を示すものだそうです。その三方とは・・

・売り手良し  
・買い手良し
・世間良し   
の、三方によい影響があって初めて、商いは持続的な繁栄が可能となる。

「その通り」・・ですね。

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また、このような時代であるからこそ、三方よしの内、「買い手良し」は本当に重要で、「買い手である消費者の立場・見方を親身になって伺う」という姿勢のない商売は、結局はいつか躓くのだと実感します。

世界経済を牛耳るアメリカでも、【 アメリカでは以前「会社は株主のもの」という考えが一般的でしたが、2019年の8月に、アップルやアマゾンなど主要な企業でつくる経営者の団体Business Roundtableが「株主第一主義を見直し、顧客や従業員、納入業者、地域社会など関係者すべてのための経営を目指す 】と宣言したそうです。

これぞ「三方よし」そのもの。
どのように変わっていくのか、注目していきたいところです。

「浪人という名の失業者と長屋式江戸経済」


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【 この現代社会、明らかに進化発展してきたものもありますが、今もって尚「果たして進化(進歩)してきたのだろうか?」と首をひねらないといけないものも増えつつあるように思います。

江戸時代の資料を読むと、
『 侍には浪人という名の失業者がけっこういたが、そのいっぽうで、江戸庶民の場合は、本人に働く気さえあれば、失業することは滅多になかった。 

・・・とあります。

『 彼らの大半は長屋に住んでいたが、ブラブラしていれば、親代わりの大家が放っておかない。
いろんなツテを頼って、仕事を見つけてきてくれたのだ。
また、現在の職業斡旋所のような口入れ屋がたくさんあって、さまざまな職業を紹介してくれた。
江戸の町に、それほど仕事の口が多かったのは、職業が細分化されていたからである。
たとえば、現在のスーパーでは、魚に野菜、果物、肉、米、飲み物から、日常品や雑貨、衣類まで売られている。

しかし、江戸時代には、4月に天秤棒をかついで商売する人だけでも、新茶売り、たけのこ売り、キュウリ売り、自然薯売り、柏葉売り、空豆売り、鰹売り、トビウオ売り、鯛売り、干しフグ売り、漬け梅売り、苗売り、麦焦がし売り、白玉餅売り、辛皮売り、孟宗竹売り、すげ笠売りなどがあった。

行商だけでも、現在のスーパーで扱う商品の種類並の仕事があったのだ。』

加えて、江戸時代には商売替えをするときに、奉加帳(ほうかちょう)というカンパ金があつまってきて、金銭的にも精神的にもバックアップがあった 』と紹介されています。

単純に今と比べることは、もちろん出来ないのだけれど、とても考えさせられることだと思いました。 


売り手良し・・・というよりも「一部が世界中の富の大半を独占して、巨利を得、一方で7億人もの人が飢餓状態にあり、命を落とす者も多い(2020年現在)」という状態に異論を唱える人は、世界中に増えつつあるようです。

ここ長崎でも「先義後利」を掲げた老舗が暖簾を降ろさざるをえない状況になってしまっていることは、とても悔しいし、残念としか言いようがありません。



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