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「安全な航海を祈る("I wish you a pleasant voyage".)」を示す、UW旗のことを教えてくれた先生

先日、有効期間が切れていた船舶免許を復活更新させる為に、講習を受けてきた。
福岡の専門学校に進学した娘が、福岡でヨットに乗る叔父の船に乗りたいと言ってきたことがきっかけである。

2時間足らずの講習だったが、「とっても為になる」楽しい勉強だった。

船舶免許を取得したのは、もう25年以上も前だが、この「UW旗」のことを知らなかった。

講習会での先生は、私よりも若そうな人だったが、資料プリントに、このUW旗を載せてくれていて、「皆さんに、今後の航海の安全を祈るという意味で(UW旗を)載せました」と言われました。

国際信号旗は、言語は違っても、世界共通の海洋信号旗で、1969年頃から使われているもの。
大海原で2隻の船がすれ違う時に、「お互いの航海の安全を祈る!」という意味で、掲揚しているものらしい。
これこそが、「言語を超えるデザイン」だろう。

今、船舶の話題と言うと、「経済水域で違法操業した」とか「拿捕した」とか、悪いイメージのものばかりだが、このような「積極的に、相手に敬意を示す海洋旗」があることを教えてくれた、この先生は本当の先生だと言えよう。

教師とは「何年やった」とか「肩書き」ではないのである。

私は中学美術の教師であったが、実に長い間「中学生にとって美術はどうあるべきなのか?」「本当に美術という授業は、中学生にとって必要なことなのか?」と思い悩んできた。

「どんなに頑張っても、元からセンスのある者、上手い者には到底かなわない。出来上がりを比べてみると、恥ずかしいほど差がある」

私がぶつかってきた「壁」である。

「上手くなれなくても、美術は好きでいてほしい」。
これを信条としてやってきたが、それを達成できたかと言うと、現実は程遠い。悲しいほど遠い。

教員養成大学時代には、このような話題が上ったことなどたったの一度もなかった。それどころか、私自身が「下手くそだ!」と言われ、デッサンの居残りをさせられたりしていたぐらいだ。

「絵がうまい人が、いい先生になれる」とは限らない。なんの理論も根拠も無い。

しかし、やっとこの歳になってからわかってきた。

意味があるとすれば、この「UW旗」のような、「人が生きていく上で、意味を成すデザイン(形や色)」や創作活動(絵手紙など)」のことを教えれば、よかったと。
うまく絵を描くテクニックなどではない。

それは文科省が「絶対逸脱するな!」と強制している学習指導要領の内容とは、ほぼ重なるところが無い。


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