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作詞家 松本 隆さんが亡き妹さんを想ってつくった 「 君は天然色 」

過日、NHK第1放送の番組を聴いていると、作詞家の松本 隆さんが録音のインタビューで出演されていました。
その中で、大瀧 詠一さんの最大のヒット曲でもある「君は天然色」の歌詞が、当時26歳という若さで心臓病の為、早逝された松本さんの妹さんの思い出を詞にしたためたものであることを初めて知りました。

くちびるつんと尖らせて
何かたくらむ表情は
別れの気配をポケットに匿していたから

机の端のポラロイド
写真に話しかけてたら
過ぎ去った過去 しゃくだけど今より眩しい

※想い出はモノクローム 色を点けてくれ
もう一度そばに来て はなやいで
美しの Color Girl※

夜明けまで長電話して
受話器持つ手がしびれたね
耳もとに触れたささやきは今も忘れない

(※くり返し)

開いた雑誌を顔に乗せ
一人うとうと眠るのさ
今夢まくらに 君と会うトキメキを願う

渚を滑るディンギーで
手を振る君の小指から
流れ出す虹の幻で 空を染めてくれ

(※くり返し)

lyricjp.com

この曲を初めて聴いたのは、高校生の頃。
高校の卒業文集に、クラスの「恰好つけ」が「思い出はモノクローム色をつけてくれ」と書いていたイメージもあって、何となく軽いアップテンポの曲だと認識していたことを深く恥じました。

「想い出はモノクローム」の意味は、妹さんを亡くしたショックで、長い間立ち直れず、ある時渋谷の街を歩くと、街の景色がすべて色の無いモノクロームに見えたという逸話から生まれたそうです。

学生当時の私はレコードなど買えず、レンタル・レコードで「大瀧詠一」のアルバムを借りて、カセットテープに録音したのですが、間違ってインストルメンタルのアルバムを借りてしまったことに気付いたのですが、このカセットは、大学時代、自分の狭い四畳半で友人が泊まりに来た時に寝る前電気を消した後、眠りにつくまで流していた、大切な思い出深いカセットでした。
今でもその楽曲たちを聴くと、当時の初々しかった時代を思い出します。
その楽曲のひとつが、このような松本さんの大切な想いが詰まったものであったことは、ことさら感慨深いものがあります。

あらためまして、亡き妹さんのご冥福をお祈りいたします。




大瀧詠一さんが、松本さんに作詞を依頼した頃、松本さんは妹さんを亡くされたばかりで言葉など書けないと断っていたのですが、大瀧さんの「いつまでも待つ」という言葉により半年余り後で出来たのが、「君は天然色」だそうです。その大瀧さんも、約10年前の2013年末に急逝されています。松本さんは、どういう思いで、この曲のことを語られたのでしょうか?




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江島 達也/対州屋
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