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中学校美術教育について考える ⑤ 中学生に美術教育は必要なのか?

リーゼント頭で、眉は無く、机の上に胡坐(あぐら)をかいてにらみつけてきている生徒を見て、私は動物的に直感した。

「今、ナメられたら、(教師人生)終わりや!」

一応、高校、大学と闘争的な?スポーツであるラグビー部に所属してきたし、何より若くて血の気が多かった。
その生徒に向って叫んだ。
「なんやコラ、お前、なにをしとるんや!」大変にガラが悪かったと思う。

その生徒は、ふてぶてしい態度で教室を出て行こうとした。
途端、私は後を追いかけ、その生徒の胸倉をつかみ激しく恫喝した。
とんでもない「暴力教師」だった。もうこうなるとルソーもへったくれもない。
その最初の授業がどのように終わったのか、まったく覚えていない。おそらく水を打ったように静まり返って、授業として成立していなかっただろう。

問題は、その後だった。
そのような生徒たちに、「さぁ、今日は机の上の花瓶を描いてみましょう」とか「お友達の顔を描きましょう」などと言ったところで、そんな内容が通るとは、到底思えなかった。

思い悩んだ挙句、当時生徒たちが興味・関心を持っているものに寄せることにした。

当時、まだ尾崎 豊が存命しており、その過激、反社会的なイメージから不良学生の「教祖」のように扱われていた風潮があった。
また音楽もブルーハーツやザ・モッズといった激しいロック系の音楽が若者たちに信望されていた。

そこで私が目をつけたのが「レコード・ジャケット」というデザインの題材であった。(つづく)

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