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その存在の意味は何だったのか・・?~針尾無線塔

佐世保市針尾島にある針尾無線塔。旧日本海軍佐世保鎮守府の無線送信所であったこの巨大な建造物は、物心ついた頃から付近を通る度に視界に入るが故に、当たり前な風景の一部でしかなく、特別何の意識もしていませんでした。

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地上高135~137mというこの巨大な3本の塔が完成したのは、大正11年のこと。第一次世界大戦の終結とともに4年の歳月をかけて建設されています。
太平洋戦争における真珠湾攻撃の際にも、攻撃命令暗号として有名な「ニイイタカヤマ、ノボレ」を他の送信所とともに各部隊に送信したと伝えられていますが(真相は不明)、実はその「送信」そのものが、反撃・敗戦を招くものであったようです・・・。

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・・というのは、真珠湾攻撃が行われた昭和16年の前年には、アメリカ陸海軍の暗号解読班が日本軍と外務省が暗号機として使用していた「九七式欧文印字機」の完全コピー機を完成させていました。つまりこの巨大な電波塔から発せられる暗号文の全てがほぼ100%連合国側に筒抜けだったのです。ここに、この無線塔が重要な軍施設でありながら、爆撃をまったく受けていない理由がわかります。

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現在無線塔は佐世保海上保安部・針尾送信所となっていますが、今は送信所としての機能はありません。

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送信所の敷地は無断で立ち入ることができないようになっていますが、3号塔の近くは自由に見学ができるようになっています。

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内部への進入口。残念ながら、心無い者達による無数の落書きがいくつも見られます。

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塔の表面はとても100年近く経ったものとは思えないほどしっかりした状態を保っています。
ちなみに塔の直径は12m。中は空洞ですが、壁の厚みは76cmあります。

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フェンス越しに見た塔の内部です。向こう側に上部へと登るための梯子が見えています。

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重要な暗号を送れば送るほど、相手に有利となっていたという事実。・・・この塔の存在の意味は果たして、何だったのでしょう・・・・。
塔の周りには「零戦」や「隼」ならぬ、トビたちが悠々と舞っているだけでした・・・

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江島 達也/対州屋
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