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中学校美術教育について考える ⑧ 中学生に美術教育は必要なのか?

もう10年以上、前のことであるが、教え子から1通のメールをもらった。

中学卒業後、長崎女子商業という私立高校を卒業後、地元企業に就職したのだが、仕事が面白くなく辛いというのだ。
とってもよくあるパターンである。

その生徒は中学時代イラストを描いたりするのが好きで、そういうスキルを活かせる仕事に就きたいが、「そんな仕事なんて無いし」と続く。
まったくその通りである。

その時は、「よかったら作品を見せて」と返したが、二度と返信がくることは無かった。
きっとあきらめざるを得なかっただろう。

絵やイラストが描ける人の一番の問題は、「世の中の経済活動に、広告業やデザインは、必ず必要なのであるが、全ての人の生活上のソリューションに直接関与する仕事が無い」ということである。

もちろん一般的な受験科目でも無い。

絵画や漫画は、どんな人でも楽しめるアイテムであって、自分が備えなければならないスキルではない。
万が一、高いスキルを身に付けてとしても、ほぼ商売にならない。

将来の職業と結び付けるには、ウェブ・デザイナーかCGクリエイターなどになるスキルを身に付けなければ難しいだろう。

結局は、週に1時間、あるかないかという美術の時間で、そこまでの高みに近づけるはずもなく、ガイダンスすらもできないだろう。

義務教育としての美術は、やるとすればPCを使った「塗り絵」のような教材か、鑑賞だけでもよいのではないかと私は思っている。(一応、完結)


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